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相続が発生したらやらなければならない相続人調査ってなに?

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なぜ相続人調査が必要なのか

相続人調査とは、死亡した人の法定相続人が誰なのかについて、詳しく調査することを言います。具体的には、故人の死亡から出生まで遡って戸籍謄本や除籍謄本、原戸籍などを辿っていく作業になります。

「家族だからいちいち相続人調査なんてしなくても、誰が相続人なのかはわかる」と思うかもしれませんが、果たして本当にそうでしょうか。実は相続が発生して相続人調査をすると、意外な事実が発覚することが多々あるのです。

ケース1:認知した子供が発覚

生前に外で子供を作ってしまい、家族に言えないまま認知しているケースが時々あります。家族にひた隠しにしたとしても、相続人調査で戸籍を見ると認知した旨が記載されているのがわかりますので一目瞭然です。

ちなみに、相続人調査をして戸籍をみると以下のように記載されています。

【認知日】平成〇年〇月〇日
【認知した子の氏名】山田〇雄
【認知した子の戸籍】東京都新宿区○○○○山田〇子

なお、認知した後に本籍地を転籍している場合は、転籍した後の戸籍には認知した旨が記載されません。そのため、相続人調査については転籍前の除籍、改正原戸籍などまで遡って全て繋げることが重要です。

ケース2:養子縁組

養子縁組については、相続税対策として行っているケースもあるため、相続人調査をする際には特に注意が必要です。認知などいわゆる隠し子などとは違い、養子縁組の場合はわざわざその事実をほかの相続人に伝えていないケースもあるため、相続人調査をすると意外な人が法定相続人になっているということがあったりします。

例えば、子供が存命の状態で孫を法定相続人にするために、養子縁組を活用するケースがあります。

【ワンポイント知識:養子縁組と相続税対策】

相続人調査によって養子縁組が発覚する理由の一つとして、相続税対策があります。養子縁組した人については、法定相続人と同じように扱われるため、相続税に関係する以下の点についても、養子縁組した人を含めて計算をします。

・相続税の基礎控除額
・生命保険金の非課税限度額
・死亡退職金の非課税限度額
・相続税の総額の計算

なお、上記の計算に含められる養子は、被相続人に実の子供がいる場合は1人まで、いない場合は2人までです。ただ、これはあくまで控除額等の計算においてというだけなので、相続人になれないわけではありません。

例えば、相続税の基礎控除であれば、養子縁組することで一人あたり600万円も基礎控除額が増えるため、相続税対策として利用されるケースがあるのです。

認知も養子縁組も法定相続人となるため、相続人調査によって発覚した場合は、上記の基礎控除などの計算に影響しますので覚えておきましょう。

 

相続人調査の方法について

相続人調査は、役所を回って戸籍を取得することによって相続人が誰なのかを調査します。大まかな流れは以下のとおりです。

ステップ1

被相続人の本籍地の役所で最新の戸籍を取得し、相続人を調査します。本籍地が不明な場合は、本籍地の記載がある被相続人の住民票を取得することで確認することができます。

ステップ2

徐々に遡って相続人調査をしていきます。本籍地を移動している場合は、その役所に遡ってさらに戸籍等を取得していき、徐々に出生時まで近づけて、繋げていきます。

離婚したり、嫁いだりしている方は慎重に戸籍が繋がるよう確認する必要があります。また、役所の担当者に相続人調査である旨を伝えると、相続人調査であることを前提に丁寧に教えてくれます。

ステップ3:法定相続人の確定

相続人調査によってすべての関係図が判明したら、法定相続人を確定させます。

 

相続人の調査を最初にする理由

このように相続人の調査は非常に骨の折れる作業ですが、面倒だからといって後回しにするとトラブルの原因になる可能性があります。

もしも相続人が2人だと思って遺産分割をしていたら、あとから隠し子や養子がいることが発覚すると、再度遺産分割をやり直さなければならないからです。また、相続税の計算にも狂いが生じるため、まずは何をおいても相続人調査を徹底して行うことが重要です。

なお、遺産分割を弁護士に依頼すれば、相続人の調査についても全て代わって対応してくれます。平日の昼間に何度も役所に行くのが大変な方は、相続人調査も含め弁護士などの専門家に依頼することをおすすめします。