相続メディア nexy

相続メディア nexy

遺産相続の手続きの流れと期限

更新日:

親族が亡くなったら遺産相続の手続きが必要

・遺産相続の手続きは速やかに

身近な親族が亡くなったら、遺産相続の手続きを行わなければなりません。遺産相続の手続きは誰かが勝手にやってくれるわけではなく、相続人が自分たちでやる必要があります。

家族が亡くなったときには、落ち着いて手続きを行う気持ちにもなかなかなれないことも多いと思います。けれど、遺産相続の手続きには期限が設けられているものもあります。期限のあるものについては遅れないようにくれぐれも注意しておかなければなりません。

・遺産相続でやらなければならないこととは?

遺産相続が発生したときには、相続人や相続財産を調べる必要があります。また、相続人のうち誰がどの財産を相続するかも決めなければなりません。それぞれの財産を相続する人が決まったら、名義変更手続きも必要になります。このほかに、相続税がかかるケースでは相続税の申告や納付の手続きも遺産相続に付随して発生します。

遺産相続の手続きの流れはどうなっている?

遺産相続では、一般的な手続きの流れは次のようになっています。

1.遺言書の有無の確認

遺産相続では、遺言書が優先になりますから、まずは遺言書の有無を確認する必要があります。自筆証書遺言は被相続人の自宅に残されていることが多いので、自宅を中心に探してみます。公正証書遺言が残されているかどうかは、公証役場で検索して調べることができます。

自筆証書遺言が発見された場合には、家庭裁判所に検認申立てをし、検認済み証明書をもらいます。

2.相続人・相続財産の調査

戸籍謄本を収集し、相続人の確定を行います。相続関係説明図を作成しておくと、手続きの際に便利です。また、相続財産にどのようなものがあるのかを調べ、相続財産目録を作成します。

3.相続放棄又は限定承認(※相続開始を知った時から3ヶ月以内)

相続財産がマイナスになるときには、相続放棄や限定承認を行うことで借金の負担を逃れることができます。相続放棄又は限定承認をする場合、相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所で申述の手続きが必要です。この期限に遅れると、相続を単純承認したことになり、借金の支払義務を負うことになってしまいます。

4.所得税の準確定申告(※相続開始を知った時から4ヶ月以内)

確定申告が必要な人が亡くなった場合には、相続人が準確定申告を行わなければなりません。準確定申告の期限は、通常の確定申告と異なり、相続開始を知った時から4ヶ月となっています。この期限に遅れると、延滞税や無申告加算税が課されてしまいます。

5.遺産分割協議

被相続人が遺言を残していない場合には、相続人全員で遺産分割協議を行って遺産を分けなければなりません。話し合いができない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停や遺産分割審判を申し立てることもできます。

遺産分割協議自体に期限はありませんが、相続税の申告時に遺産分割未了の場合には優遇措置(配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例など)が受けられないため、相続税の申告期限までに終わらせるのが理想です。ただし、申告期限に間に合わない場合でも、申告期限後3年以内に遺産分割ができれば、更正の請求により還付が受けられます。

6.相続税の申告・納付(※相続開始を知った時から10ヶ月以内)

遺産の額が基礎控除額を超える場合には、相続税の申告義務が発生します。

基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人の数

相続税の申告は、相続開始を知った時から10ヶ月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する税務署で行う必要があります。期限までに申告・納税しなかった場合には、延滞税や無申告加算税などのペナルティがあります。

7.相続財産の名義変更手続き

被相続人名義になっている相続財産を相続人名義に変更する必要があります。不動産については、法務局で相続登記を行います。預貯金については、各金融機関で定められている方法で手続きします。

遺産相続の手続きをスムーズに進めるには?

短期間の間にやらなければならない手続きが、遺産相続にはたくさんあります。戸籍謄本など、取り寄せなければならない書類も多数ありますから、かなりの手間と時間を要します。相続人が仕事で忙しければ、遺産相続の手続きのために、役所や金融機関に行くのもなかなか困難でしょう。

遺産相続の手続きは、行政書士・司法書士・弁護士等の専門家に依頼するとスムーズに進められます。また、相続税が課税されるケースでは、税理士に申告手続きを任せるのが安心です。