遺産相続の弁護士費用をかけるメリットとは
行政書士や司法書士など、士業としての法律のプロはたくさんいますが、弁護士は総合的な法律のプロです。
行政書士・司法書士にできて弁護士にはできない業務というものは、ほとんどありません。広範囲に法律を知り尽くした弁護士だからこそ、遺産相続の弁護士費用を支払ってでも遺産相続の際に力になってもらうことにはメリットがあります。
遺産相続の弁護士費用を惜しむべきでない最大の理由は、弁護士の業務である紛争介入にあるかもしれません。
遺産相続では自分がもらえるお金がかかっているため、親族でもある相続人同士がまるで敵同士のようになってしまうことも少なくありません。そして、揉め事の仲裁や和解は弁護士の得意分野です。
遺産相続で揉めてしまいそうな場合でも、遺産相続の弁護士費用を捻出することで第三者であり法律のスペシャリストである弁護士が間に入ってくれるなら、驚くほどスムーズに遺産相続が進むことが多くなります。
また、遺産相続の弁護士費用をかけることで、思わぬ損失を予防することもできます。遺産相続に関係する法律の数は非常に多く複雑で、素人が一朝一夕に理解しようとしても難しいものです。
そのため、本当ならもらえたはずの遺産が一円ももらえなかった、またはそのことに気づいてもいなかった、というケースも少なくないのです。
遺産相続の弁護士費用をかけて弁護士を付けておくなら、そのような大損をすることもありません。弁護士がきちんと遺産を把握してくれ、自分がもらえる遺産がどれくらいあるのかを調べてくれます。
遺産相続の弁護士費用には、それをかけるだけの価値があるということです。
遺産相続の弁護士費用がかかる場面とは
遺産相続で揉め事が起こっていなくても、次のような場面で遺産相続の弁護士費用をかけることで、間違いのない遺産相続をすることができます。
1.相続人の範囲の調査
遺産分割協議に必要な相続人の調査に不備があって、遺産分割協議後に相続人が見つかってしまうと、また一から遺産分割協議をやり直しになってしまいます。
しかし相続人の調査は、被相続人の戸籍をすべて集めて調べるという非常な手間を必要とします。この段階から遺産相続の弁護士費用をかけて弁護士を付けてしまえば、間違いや漏れのない相続人調査をしてもらえます。
2.相続財産の調査
遺産相続の対象となる財産の調査も重要です。財産の中には、素人では見つけにくい財産もたくさん含まれています。遺産相続の弁護士費用をかけて弁護士を雇っておくなら、手早く正確に相続財産の調査を行ってもらえるでしょう。
3.遺産分割協議書の作成
遺産分割協議が成立してから作成する遺産分割協議書は、必要な事項がしっかり記載されていないと効力が弱くなったり、後々のトラブルを誘発したりします。
後で揉めない、きちんとした効力を持つ遺産分割協議書の作成も、素人では難しいものです。これも、遺産相続の弁護士費用をかけて弁護士に依頼してしまうことで、ミスのない遺産分割協議書を作成することができるでしょう。
4.遺産分割調停・審判
遺産分割協議では遺産分割についての話し合いがまとまらなかった場合は、家庭裁判所での調停・審判手続きを行うことになります。
遺産相続の弁護士費用をかけて弁護士を味方につけておくなら、この時に言うべきこと、言うべきでないことを教えてくれ、自分にとって有利な仕方で遺産分割手続きを進めることもできます。
遺産相続の弁護士費用の相場
相続問題を扱う弁護士の遺産相続の弁護士費用は、大きく分けて「着手金」と「報酬金」の2つです。
着手金および報酬金の相場は、次の割合とされています。
利益の額 | 着手金 | 報酬金 |
300万円以下 | 5%~15% | 10%~20% |
300万円以上3000万円以下 | 5% + 10万円前後 | 10% + 20万円前後 |
3000万円以上3億円以下 | 3% + 70万円前後 | 5%~8% + 140万円前後 |
3億円以上 | 2% + 380万円前後 | 3%~5% + 750万円前後 |
詳細な弁護士費用は、各弁護士事務所によって大きく異なる場合があります。遺産相続におけるどのような問題を依頼するかによっても、上記の金額と異なる弁護士費用が必要になる場合がありますので注意しましょう。
まとめ
遺産相続の弁護士費用をかけて弁護士を入れることで、遺産のもらい損ねや手続きの間違いが防止できるだけでなく、相続人同士に深い亀裂を生むことなく円滑に遺産相続を行うことが可能になります。