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遺産の整理をお願いするときの6つのポイント

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ポイント① 遺産整理と遺品整理の違い

遺産を整理するというのは、故人(被相続人)が遺した財産を相続人が自己のものとして保管・管理・処分することです。

したがって、故人(被相続人)の普段着や日常生活で使っていた食器、生活用品等を処分することは、広い意味では「遺産整理」ということになります。 しかし、故人の日常生活で使っていたものなどを処分することは、「遺品整理」と呼ぶことが多くなっています。

つまり、財産としての価値が高いもの(資産)を保管・管理・処分することを狭義の「遺産整理」と言い、財産価値がないものや低いものを保管・管理・処分することを「遺品整理」として区別することが多いのです。 遺産の整理を銀行などの金融機関や弁護士などの専門家に依頼したときには、あくまで狭義の意味での「遺産整理」になります。

この場合、当然ながら「遺品整理」は自分で行うか、別に業者を依頼しなければなりません。

 

ポイント② 遺産整理の具体的な内容

遺産整理とは、財産としての価値が高いもの(資産)を保管・管理・処分することだとお伝えしました。

資産を保管・管理・処分するということの内容を、もう少し具体的に説明しましょう。

先ず誰が遺産を受け取るのかということを、確定させる必要があります(法定相続人の確定)。 相続人が分かったら、次に資産を把握します(相続財産の確定)。この資産には、預貯金や不動産などのプラス財産の他、借金などのマイナス財産も含まれます。 誰が何を相続するのかが把握できれば、次にどのように分けるのかということになります(遺産分割協議)。相続人が複数人おられる場合に、必要な協議となります。

そして最後に、その分けた資産の名義を、故人(被相続人)から相続人に変更することになります。以上が遺産整理の具体的な内容です。 たったこれだけなのですが、この一つひとつに要する書類集めや作成に、多くの時間と手間を取られてしまうのが、遺産整理の大変なところなのです。

 

ポイント③遺産の整理は誰に頼めるのか

遺産の整理を、相続人の方が自分で行うことはできます。しかし、不慣れな手続のために要する手間と時間は膨大です。

そこで、銀行などの金融機関や弁護士・司法書士などの専門家に依頼する方法があります。遺産の整理をお願いした場合、その資産額に応じた報酬を支払うことにはなるので、自分で行う手間暇と比較検討することは必要でしょう。 金融機関の場合、戸籍の収集や遺産分割協議を直接行うことはできません。そのため金融機関と提携している弁護士や司法書士に依頼することになるため、その分の費用が上乗せされることが多くなります。

 

ポイント④遺産の整理を有益にする方法

遺産の整理がつつがなくできれば、それで十分なのでしょうか。高額な遺産があるような場合、やはり相続税の対策が必須なのではないでしょうか。ご自身で遺産整理をされる場合は、相続税対策の知識を十分に蓄えておく必要があります。

そして相続専門の税理士に相談することも必要でしょう。 遺産整理を金融機関や弁護士・司法書士などに依頼する場合には、相続税対策をどこまでカバーしてもらえるのかを確認することが重要です。

専門家だから任せて大丈夫、というのはお気楽過ぎです。きちんと要望を伝えなければ、事務的に遺産の整理を進めていくだけという結果になってしまうことだって、十分あり得るのです。 更に相続税の問題だけでなくその後の資産運用まで含めて、トータルで提案してもらうことも可能です。 遺産の整理を依頼する場合には、何を望んでいるのかを明確に伝えることが大事です。純粋な遺産の整理だけなのか、何をプラスアルファで望んでいるのかを、はっきりと伝えましょう。

そしてその要望に応えられるところに依頼することが肝心です。

 

ポイント⑤遺産の整理と遺言執行者の関係

遺産の整理をしようとする場合に、遺言執行者がいれば、その遺言執行者に全て任せることができます。遺言書を作成する際に専門家が確認しているのであれば、すべての相続財産について遺言執行者の権限が及ぶはずです。心配はありません。任せておけば大丈夫です。 遺言執行者は、遺言で書かれている資産に対して権限を有しているので、遺言書に抜けがあるとその資産については、遺言執行者は手も足も出せないことになります。

このような場合や、遺言書がそもそもないという場合には、遺産の整理を自分でするか、金融機関や弁護士・司法書士などに依頼することになります。

 

ポイント⑥遺産の整理で相談できる税理士を見分ける

遺産の整理で、税理士に相談したいときに気を付けることは、「相続専門」という肩書や看板があるかどうかです。税理士さんの多くは、会社を中心とする法人業務が専門です。

そのような税理士の場合、相続する資産評価において、十分なアドバイスができない可能性があります。

 

まとめ

遺産の整理とは、簡潔に言うと相続の手続です。遺言執行者がいれば、その方が行います。遺言執行者がいてもできない資産があるときや、遺言書が無い場合に、金融機関や弁護士・司法書士などに依頼することができます。

とにかく手間暇のかかる遺産整理を、正確にかつ有利に行うためには、報酬を支払ってでも専門家に依頼する価値はあるでしょう。

そのために何を望んでいるのかをはっきりとさせて、明確に伝えることが肝心なのです。