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相続人が赤ちゃんの場合はどうなる?

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赤ちゃんでも相続人として相続可能

赤ちゃんも含む、満19歳以下の未成年者の相続人は、法的な判断が不可能とされているため遺産の分割協議には参加できません。

とはいえ、赤ちゃんを含む未成年者の相続人を除外して遺産分割を行って良いということではありません。相続人である以上、赤ちゃんでも遺産を正当に相続することが可能です。

そのため、赤ちゃんを含む未成年者の相続人の存在を除外して行われた遺産分割は、無効と見なされます。

 

相続人が赤ちゃんの場合、親が法定代理人となる

赤ちゃんが相続人である場合は通常、その親が相続人である赤ちゃんの法定代理人として遺産分割協議に参加します。赤ちゃんの両親が共に生存している場合は、両親が親権に基づき、赤ちゃんの法定代理人となります。

法定代理人は、遺産分割協議に赤ちゃんの代理人として参加するほか、遺産分割協議書に代理人として署名したり、遺産分割調停がある場合は赤ちゃんの代理人として出席したりすることができます。

 

相続人である赤ちゃんの「特別代理人」が必要なケース

赤ちゃんの両親が、相続人である赤ちゃんの法定代理人とはなれないケースがあります。それは、赤ちゃんの両親または片親が、赤ちゃんと同時に相続人となる場合です。

親も子も相続人である場合、親と子の間に相続に関する利害関係があることになってしまうため、親が代理人になることができなくなります。

たとえ親に利己的な動機がないとしても、赤ちゃんも親も相続人となるケースでは特別代理人の選定を義務付けられてしまうのです。

特別代理人の選任申し立ては、赤ちゃんの住民票のある地域を管轄する家庭裁判所へ申し立てることになります。

 

手続きには、次の書類が必要です。

1.特別代理人の選任申立書

2.未成年者および申立人の戸籍謄本(全部事項証明書)

3.特別代理人候補者の住民票および戸籍謄本

4.利害関係を証明する、遺産分割協議書案など

 

特別代理人の候補者は、赤ちゃんやその両親と相続面での利害関係がない人であれば、親族でも可能です。具体的には、祖父母や、両親の兄弟姉妹などです。

また赤ちゃんや未成年者の相続人が複数いる場合は、その1人1人に対し特別代理人が必要になります。

 

生まれる前の胎児も、相続人として相続可能

あまり知られていませんが、まだ生まれていない赤ちゃんも相続人として相続が可能です。

民法では赤ちゃんの相続人としての権利について、次のように定めています。

 

民法第886条

1.胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。

2.前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。

 

民法では、相続の場面では胎児である赤ちゃんであっても1人の相続人として扱われることになります。しかし、赤ちゃんが死産で生まれてしまった場合は、相続人ではなくなります。

死産の定義は、身体が出てくる前に胎内で死亡していたというものです。ですから、生まれてすぐに亡くなってしまった場合など、生まれてからほんの少しの時間でも生きていたのであれば、相続人としての赤ちゃんの権利がなくなることはありません。

赤ちゃんが無事に元気な状態で生まれてきた場合は、特別代理人を選定して相続することになります。

胎児である赤ちゃんにも相続人の権利が認められてはいるものの、胎児が元気に生まれてくる保証はありません。また、遺産分割を終えて相続税の申告をした後に赤ちゃんが生まれた場合には、修正申告や更正請求をする必要が出てきます。

産後間もない母親が、このような煩雑な手続きを行うのは体力的にも精神的にも酷なこととなるでしょう。ですから、遺産分割は赤ちゃんが生まれてきてから行うのが最善と言えるのです。

 

ちなみに、民法における胎児に関する考え方と、相続税法その他の法では考え方が大きく異なる場合がありますので、詳しくは弁護士や税理士に確認が必要です。

 

赤ちゃんが相続人となる場合、その両親が相続人ではない場合は、両親が赤ちゃんの法定代理人となって赤ちゃんの代わりに相続の手続きを進めることができます。民法上では、まだ生まれていない赤ちゃんの権利も擁護されています。