相続税の計算に必要なステップとは
相続税の計算は、大きく分けて4つのステップを経て行われます。
1.各相続人の課税価格を計算する
2.課税遺産総額を計算する
3.相続税の総額を計算する
4.各相続人が納めるべき税額を計算する
では、各ステップを簡単にご紹介します。
1.各相続人の課税価格を計算する
遺産価額の評価が終わった後に、各相続人は自分が相続する遺産の額を計算します。まず、本来の相続財産と、みなし相続財産(生命保険金や死亡退職金など)を合算します。
次にそこから、非課税財産と債務・葬式費用を引きます。債務を引くことができるのは、債務を相続することになる相続人に限られます。被相続人の死亡から3年以内に贈与された財産がある場合は、ここでその額を加算します。
2.課税遺産総額を計算する
次のステップとして、各相続人の課税価額の合計額から基礎控除額を差し引いて、課税される遺産の総額を算出します。
基礎控除額の計算式は、「3000万円+600万円×法定相続人の数」です。
3.相続税の総額を計算する
次のステップとして、相続税の総額を求めます。ひとまずは、各相続人が法定相続分に従って相続したものと仮定し、法定相続分に応じた取得金額を計算します。
次に、取得金額に応じた相続税の税率をかけ、仮の相続税額を算出します。仮の相続税額を合計したら、次のステップに進みます。
4.各相続人が納めるべき税額を計算する
前のステップで算出した相続税の額は、遺産を受け取る人全員で負担することになる税額です。
各相続人が実際に取得する遺産の額に合わせて、相続税額を分配する必要があります。一親等の血族でも配偶者でもない人の場合は、相続税額が2割増しになります。
また条件に当てはまる人は、未成年者控除や障害者控除など、各種控除を適用します。ここまでのプロセスを踏んでやっと、最終的な相続税の総額が分かります。
相続税に強い弁護士に依頼するメリット
このように、相続税の計算は複雑です。相続税に強い弁護士に依頼してしまえば、相続税の計算に関わる煩わしい手続きや調査をする手間も不要になります。
弁護士に依頼すれば、相続税の計算もサポートしてくれるため、ミスを防ぐこともできるでしょう。弁護士に相談せず、自分で相続税の計算をする場合はミスを起こしやすく、ミスをすると後日修正申告や更正請求をしなければならなくなります。
特に、相続税を少なく申告してしまった場合には「過少申告加算税」が課されてしまい、余分な税金を支払わなければならなくなってしまいます。逆に多く申告してしまった場合には、一定の期限を過ぎる前に手続きをしなければ、払い過ぎた税金を取り戻すことはできません。
また、何かと冷静さを失いやすい相続の場面にあって、弁護士という第三者が相続人同士の間を取り持ってくれることも大きなメリットです。
相続人の中には、相続を進めることに非協力的な人がいることもあります。また、相続人のうち誰かが相続税の計算をしたとしても、自分の負担する相続税額を不満とする相続人との間で揉め事が起こることもあります。
相続税に強い弁護士が遺産分割をサポートしてくれれば、その結果に意義を唱える相続人はほとんどいないでしょう。相続人同士が直接関わるのではなく弁護士が仲介してくれることで、相続人同士の無用な諍いを避けることもできます。
お金がかかっている相続においては、相続人同士の争いが起こりやすくなります。弁護士に任せてしまうことで、相続税の計算に手間や時間を取られることもなくなり、相続人との人間関係でストレスを感じながら手続きを進める必要もなくなります。
弁護士が間に入ることで、プロの持つ知識を活用でき、第三者であるという立場で調整をしてもらえるので、とてもスムーズに相続が進んでいくでしょう。
相続税に強い弁護士のまとめ
相続税に強い弁護士に依頼することで、時間や手間を取られることや、相続人同士の争いを起こさずに済みます。弁護士費用を節約しようと自分で相続を始めたものの、途中で手に負えず弁護士に依頼する人もいます。
弁護士費用を負担するとしても、弁護士に依頼するメリットは非常に大きいものです。手いっぱいになってしまう前に、相続税に強い弁護士に依頼することを検討しましょう。