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相続が争族に!?アパート大家さんの相続でトラブルになりやすい家賃の相続事例

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アパート相続はなぜもめる?

不動産は物理的に分けにくいので、遺産分割がもめやすいということは以前違う記事でもお話してきましたが、不動産の中でもアパートやマンションなどの収益物件となるとさらに問題は複雑化します。

自宅や更地の相続とは違い、収益物件は相続することによって家賃収入という大きなメリットを得られることから、相続人間で取り合いになることが多いのです。

もめるとどれくらい時間がかかるの?

遺産分割は話し合いで決着がつかなくなると、裁判所における遺産分割調停へと舞台を移し、それでも決着がつかなければ遺産分割審判という裁判に近い手続きを経て、最終的に裁判所から審判が下されます。

これから相続対策を考えようと思っている方にぜひ知っていただきたいのが、これらの手続きに要する時間です。

過去の裁判例などを見ると、遺産分割審判までもつれたケースでは、3年以上かかるケースも少なくありません。つまり、話し合いで解決できないと、数年にわたって争いが続くということなのです。

万が一この間に、相続人のうちだれか一人でも死亡したら、さらに解決が遅れる可能性もあります。遺産相続は事前に対策を取らないと、本当に深刻な状況になるということを覚えておきましょう。

 

アパート相続の盲点とは

アパート相続というとアパートそのものを誰が相続するかという点にフォーカスする傾向がありますが、実はこれがのちに大きな盲点だということに気が付くことになります。

上記のケースのように、遺産分割が紛争化すると相続が確定するまでは相続人の財産を勝手に処分することができません。

一般的な財産であれば、遺産分割中は財産をただ保管しておけばよいのですが、アパート相続の場合は「家賃」という継続的な収入が発生します。つまり、遺産分割が長引けば長引くほど、遺産総額が増えていく状態が起きるのです。

審判が確定したのに、なお争いが

過去の事例で、アパートの遺産相続で数年間にわたって争った結果、何とか決着がついたものの、遺産分割中に生じた家賃を誰がもらうのかという点について再度争ったケースがあります。

皆さんなら、遺産分割中の家賃は誰のものになると思いますか?

事例では、遺産分割審判でアパートを相続することになった相続人が、遺産分割中に生じた家賃についても取得すると主張したそうですが、これに他の相続人が猛反発して争いになりました。

結果、裁判所が下した判断は、遺産分割中に生じた家賃収入については、法定相続分に従って分けるというものでした。これは、今後同種の相続にも大きく影響すると考えられます。

もちろん、相続人全員の合意がとれていれば、どういう分け方をしても問題はありませんが、もめた場合については法定相続分に従って分けるという結論になると考えた方がよいでしょう。

 

遺産分割中の家賃の振込先

問題になるのは家賃の配分だけではありません。遺産分割中の家賃の受け皿となる銀行口座を用意しなければならないのです。

法的にいうと、賃借人に供託してもらうという方法も出てくるのですが、はっきりいって現実的ではありません。

そもそも、家賃を供託するような物件に住みたいと思いますか?

思わないですよね、面倒くさいですよね。

ですから、実務的には相続人が別で口座を用意してそこに振り込んでもらうようにします。

ただ、この際にすでに遺産分割でもめていると誰の口座に振り込んでもらうかでもめるということもよくあります。

場合によっては、管理会社に預かってもらうという選択をするケースもあるようですが、管理会社が倒産したり、使い込んだりするリスクも考えると、やはり相続人らで話し合って口座を準備するのが得策です。

 

まとめ

アパートなどの収益物件の相続は、不動産相続の中でも極めて紛争化しやすい傾向があります。できれば、相続が発生した時にスムーズに遺産分割ができるよう、相続される側の人が事前に弁護士などに相談をして、遺言書を作成しておくことがおすすめです。

相続を争族にするかどうかは、相続される側の対策次第で大きく変わることをぜひ知っていただければと思います。