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相続税の税理士報酬の相場は?

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税理士報酬の規定

平成14年までは、以下のような税理士報酬規定が存在していたため、これに基づいて料金体系が組まれていました。

1:税務顧問報酬:各種の税務について代理業務や相談業務を行うもの

2:税務代理報酬:各種の税務について代理業務を行うもの

3:不服申し立ての代理報酬:異議申し立てや審査請求を行うもの

4:税務書類の作成報酬:税務関係書類の作成を行うもの

5:税務相談報酬:税務に関する相談を行うもの

6:調査立会い報酬:各種調査における1日あたりの立ち合いを行うもの

7:日当、旅費及び宿泊料:日当は50,000円、旅費と宿泊費は実費

8:会計業務報酬:会計顧問や各種書類作成、相談、日当や旅費等を含むもの

これらの規定により、かつては相続税に関する税理士報酬の相場はおのずと決まっていたのです。

その後、規定は廃止され、各税理士事務所が各自の報酬設定を行うようになりました。

相続税の税理士報酬の相場も、遺産総額のおおよそ1%前後に落ち着いていったのです。1%ということは、遺産総額が1,000万円だった場合、相続税の税理士報酬の相場は100,000円程度となります。

 

税理士報酬の目安

相続税に関する税理士報酬の相場が、遺産総額の約1%であることはすでに述べた通りです。遺産総額に対する1%ということは、それなりの金額になるということも推測ができます。

なぜ、相続税の税理士報酬の相場がそれほどの金額となっているのでしょうか。

それは、次に挙げるような多くの業務を担うことになるからだといえます。

例えば、契約後に税理士はかなりの書類に目を通す必要があり、また1つの問題を解決するまで月単位で長期的に取り組むことになります。相続税関連業務ともなると、過去数年を遡った通帳確認が必要になるケースや、役所や不動産所在地に頻繁に訪れる必要性も場合によっては出てくるのです。

大まかに挙げてもこれだけの業務を遂行するのですから、相続税に関する税理士報酬も相応のものとなるのが自然かも知れません。このような背景事情により、遺産総額の約1%という額を報酬として請求するのです。

ただし、「1%」はあくまでも基本的な相場であり、遺産状況や相続人の人数等に応じて変わってくる点には留意しましょう。

なお、現在は廃止されている税理士報酬規定ではありますが、この規定をベースにして相続税に関する税理士報酬を算出している事務所は未だ多いとされています。このため、相続税に関する税理士報酬の相場も、規定が存在していた頃と似たような割合に落ち着く傾向があるのです。

ただし、1%という報酬はあくまでも基本となる額です。

仮に複数の不動産が遺産として残されていたり相続人の数が多かったりした場合は、状況に応じて加算されることになるので、予め理解しておきましょう。

 

税理士報酬のシミュレーション

相続税に関する税理士報酬について、例を挙げてシミュレーションを行ってみます。

例えば、遺産総額が2つの土地を含めて3,000万円あり、相続人の数が5人だった場合、次のように相続税に関する税理士報酬を計算するところもあります。

1:基本報酬:遺産総額の0.45%(3,000万円×0.45%=135,000円)

2:加算報酬:(相続人の人数-1)×基本報酬×10%=54,000円

3:土地:2筆×50,000=100,000円

4:税理士による書面の添付:70,000円

5:日当:1日あたり50,000円

以上の金額から算出すると、相続税に関する税理士報酬は、135,000円+54,000円+100,000円+70,000円+50,000円=計409,000円となることがわかります。

遺産総額の1%は300,000円ですが、土地を複数持っていることや相続人の数が多いこと等から、若干程度金額が高くなっていると考えられます。

 

まとめ

税理士事務所の間にも競争は生まれるため、利用者にとって金額面でメリットのある条件を提示しているところは多いです。

このため、相続税に関する税理士報酬を比較する際も、各事務所のシミュレーションを利用しながら「できるだけ安く、できるだけ経験豊富な事務所」を選択することが重要となってきます。

遺産総額や相続人の数、遺産に含まれる土地の数等の条件入力を行うだけで、相続税に関する税理士報酬の簡単な見積もりを取ることができるので、ぜひ活用して判断材料の1つとしてみましょう。