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土地を分割して相続する方法とそのメリット・デメリットとは

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土地を現金に換えて分割する「換価分割」

土地の分割における換価分割とは、土地を売却して現金に換え、売却で得たお金を各相続人へ分配する方法を指します。

換価分割のメリット・デメリット

相続の際、土地を換価分割によって分割することのメリットは、公平な遺産分割が可能になるという点です。土地だけでなく、現物のままではどうしても分割できない財産も、売却してお金に換えてしまえば公平に分割できます。

しかし、土地を換価分割することにはたくさんのデメリットも含まれます。まずは、土地そのものを現物として残すことができないという点です。

被相続人が苦労して取得した土地であったり、先祖代々大切に所有してきたりした土地であれば、なおさら、売却して手放すことに少なからぬ気後れを感じるかもしれません。

売却までに時間と非常な手間を要することもあります。土地がある場所によりますが、土地を売りたいと思っても、そのタイミングで売れるとは限りません。売却できるまで何カ月、何年も待たなければならない可能性があります。

土地を換価分割する場合は、相続税に加えて所得税と住民税が課税されることも大きなデメリットです。

土地が無事に売却できて換価分割がなされても、相続人は3つの税金を負担することになります。公平に分割できるのは利点ですが、かなり大きな代償を負担しなければなりません。

 

土地を相続する相続人が代償を払って分割する「代償分割」

一人の相続人が土地を相続する代わりに、他の相続人に代償を支払うというものです。代償となる額は、その土地の評価額によって異なります。土地を相続する相続人が他の相続人へ代償となるお金を支払うことで成立します。

代償分割のメリット・デメリット

相続において土地を分割したい場合、代償分割でも公平な分割が可能になります。事業用の土地など相続で細分化しない方が望ましい財産でも、現物を残したまま公平に分割できるという大変有効な手段です。

代償分割の注意点は、土地を相続して他の相続人へ代償を支払う相続人に、代償として支払うお金を用意するだけの金銭的余裕がなければ成立しないということです。

土地を相続しない他の相続人にとっては、土地を相続する相続人が本当に代償を支払ってくれるかどうかが確約されていないことになり、最悪の場合、代償をもらえない可能性もあります。

 

土地の所有権を分割する「共有分割」

相続における土地の分割には、共有分割という手段もあります。ひとつの土地を、相続人全員で持ち分を決めて共有するという方法です。

共有分割のメリット・デメリット

「土地を手放したくはない」
「そうは言ってもお金がないので代償分割もできない」
「だけど公平に分割したい」

このような場合には、共有分割しか方法がないかもしれません。土地を公平に分割するとともに、土地の現物を残し、出費もしないで済むことになります。

しかし、デメリットとして、利用や処分の自由度の低さがあります。

一般的に考えて土地の一部の所有権を持っているからと言っても、その人に何ができる訳でもありません。公平な分割は可能ですが、果たして意味を成すかどうか?という疑問が残るかもしれません。

共有分割した相続人が亡くなり、次の相続が発生してしまうと、次の相続の相続人は共有分割されている土地も遺産分割の対象に含めなくてはならなくなります。この場合、他にも所有者がいる土地をどう分割したら良いのか、頭を悩ませてしまうことでしょう。

このように、次の相続が発生した場合の権利関係の複雑さなどを考えると、共有分割にもデメリットがあると言えます。

 

まとめ

土地を分割するためには、換価分割・代償分割・共有分割の3種類の手段があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、成立させるための条件が厳しい分割方法もあります。しかし思わぬトラブルを防ぐためにも、土地の分割は早めにした方が良いでしょう。