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土地の相続税対策のためにできること

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相続税対策その1. 空き地の土地に、賃貸住宅を建てる

空き地に賃貸住宅を建てるという方法は、地主の間ではポピュラーな相続税対策です。相続税対策として空き地に賃貸住宅を建てることのメリットは、次の4点です。

1. 土地の評価が下がる

土地が空き地のままでは自用地として評価されてしまいますが、賃貸住宅が建った土地は「貸家建付地」となり、自用地に比べて評価が下がるので、効果的な相続税対策となります。

2. 貸家建築によって、相続財産が減少する

賃貸住宅にかかった建築費により相続財産が減少するため、相続税対策として有効です。建築費を現金で支出した場合はもちろん、ローンを組んだ場合も債務控除として相続財産から控除できるので、相続税対策としては同様の効果があります。

3. 小規模宅地等の特例が利用可能

賃貸住宅の敷地にも、小規模宅地等の特例が適用できます。賃貸住宅の敷地は貸付事業用宅地なので、200㎡までなら評価額が50%減額となります。

4. 賃料収入を得られる

土地に賃貸住宅があれば、相続税対策としても役立つ現金収入を生み出すことができます。収入が増える分、相続財産も増えますが、相続税の納税資金として子どもに贈与したり、生命保険の保険料に回したりするなど、積極的な相続税対策のために活用することができるでしょう。

 

賃貸住宅の建設は有効かつ強力な相続税対策となりますが、その反面、経営に関するリスクも発生します。相続税対策だけにとらわれず、リスクをよく理解して決定しましょう。

 

相続税対策その2. 宅地の用途を分け、評価区画を変える

路線価地域にある宅地は、土地の位置や形状によって評価額の調整がなされます。間口の狭い土地や、道路に面していない土地の評価額は低くなりますが、角地や二方路線宅地は評価額が高くなってしまうので、相続税対策が必要です。

このような土地は、土地の一部の用途を変更し、角地や二方路線ではない土地にすることによって、評価額を下げられる可能性があります。

例えば、面積に余裕のある土地が角地にあるとします。土地の中でもより角部分に近い場所へ賃貸住宅を建てたとすると、角地に建つのは賃貸住宅のみになり、宅地は角地ではなくなります。

賃貸住宅を経営するほどのリスクは取れないという場合には、貸駐車場として活用する方法もあります。貸駐車場は雑種地扱いとなり、宅地とは分けて評価されるため、賃貸住宅を建てた場合と同様の相続税対策となります。

なお、宅地に自らが事業に使用する建物を建てた場合には、どちらも自用であるため評価の区画は変更できず、相続税対策にはなりません。

 

相続税対策その3. 一代飛び越して、孫へ土地を贈与する

遺言書で孫への土地の遺贈を指定することもできますが、この場合は2割増しの相続税が課されてしまいます。事情が許すのであれば、生前に土地を贈与しておくこともできます。

加えて、生前に土地を贈与しておくことには、相続財産の減少という効果ももたらします。しかも、孫などの相続人ではない人への贈与の場合は、相続開始前3年以内の贈与だとしても相続財産とはみなされません。

土地の相続税対策として、活用しない手はないでしょう。

 

相続税対策その4. 養子縁組により相続人を増やす

実の親子のように生活してきた嫁や婿にも土地を相続させてあげたいという場合には、養子縁組を結ぶことを検討できます。
相続人ではない人にも遺贈は可能ですが、相続税が2割増しになってしまいます。嫁や婿を養子にすれば2割加算の対象から外れるだけでなく、相続人が増えることで相続税の基礎控除額が増えるなど、相続税対策としても望ましい結果となります。

嫁や婿を養子にする際に考えたいリスクは、離婚です。養子縁組は被相続人と結ぶ関係ですから、嫁や婿が被相続人の子どもと離婚したところで関係が解消されることはありません。

上記の場合、嫁や婿と養子縁組をしておけば財産が孫の手に渡るはず、という期待も叶えられない可能性があります。加えて、あからさまな相続税対策とみなされる養子の場合、相続人の人数には数えられないことがあります。

そのため、相続税対策だけを目的とした嫁や婿との養子縁組は、あまり望ましいことではありません。

 

まとめ

土地の相続税対策は、潜んでいるリスクをよく理解してから実施しましょう。税務署から指摘を受けないよう、あからさまな相続税対策にならないような工夫をすることも重要です。