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マンションを相続放棄する方法と注意点

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マンションの相続放棄の方法

相続財産のマンションを相続放棄する場合は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ「相続放棄申述書」その他の必要書類を提出し、相続放棄の申立をします。

申立が受理されると、受理通知書が送付されます。万が一、受理されなければ、不受理についての書面が送付されます。不服申し立ては、書面を受け取ってから2週間以内に行いましょう。

時期や裁判所によっても異なりますが、相続放棄の申立から完了までには1か月ほどかかります。

 

マンションの相続放棄で注意したいこと

マンションに限らず、相続放棄という決定にはいくつかの注意点があります。ここではおもなものを5つ、取り上げてみます。

1. 相続する財産の選択はできない

相続放棄は、被相続人の財産だけでなく、権利や義務まですべてをひとまとめに放棄することを意味しています。残念ながら、欲しい財産は相続してマンションだけ相続放棄する、ということはできません。

2. 法的に有効な相続放棄をする必要がある

一部の人は、遺産分割協議で「遺産はいらないから」と相続放棄の意思を示せば相続放棄になると誤解していますが、内輪での意思表示だけでは相続放棄にはならず、法的には相続人のままです。

相続放棄は、裁判所に申し立てることで初めて成立するものです。マンションの相続放棄をする場合は、必ず裁判所での相続放棄手続きを行いましょう。

3. 相続放棄の決定は慎重に

相続放棄の決定は、原則として撤回ができません。

相続放棄をした後に莫大な財産が見つかったとしても、相続放棄後にやはりマンションを使いたいと思っても、相続放棄によって相続人ではなくなった人には、もはや何の権利もないのです。

相続財産の調査が不十分だと、まれに上記のような事態になります。マンションの相続放棄をする前に、徹底的な財産調査をしたかどうか確認しましょう。

4. 相続放棄しても、責任が残る場合がある

相続放棄をすれば債務から解放されることは事実ですが、マンションなどの相続財産の管理責任は別です。次順位の相続人が相続を承認してくれるか、相続財産管理人が選任されるまでは、マンションの管理責任は相続放棄した人に留まります。

マンションのバルコニーから落下しそうな残留物があるとか、マンションの共用部分に被相続人の持ち物が放置されているなど、速やかに解決しなければ問題となりそうな状況があれば、相続放棄したとしても責任を持って対応しましょう。

5. 次順位の相続人へ報告を

相続放棄する人が第一位または第二位の相続人であれば、次順位の相続人がいることになります。相続放棄した人の相続権は次順位の相続人へ移行しますが、次順位の相続人がその事実を自動的に知るわけではありません。

知らない間に相続人になっていたとなれば、次順位の相続人にとっては大変な迷惑となります。相続放棄したことは、次順位の相続人へ速やかに報告しましょう。

 

マンションを相続放棄する場合は、管理組合に一言を

相続人に非がないとは言え、相続放棄によってマンションの管理組合にはかなりの負担をかけることになります。

相続人が全員相続放棄してしまった場合は、マンションの管理組合が利害関係人として「相続財産管理人の選任申立」手続きをすることになります。被相続人の遺産から相続財産管理人の報酬を捻出できなければ、申立を行った人が報酬を支払います。

たいていの場合、遺産で報酬をまかなうことはできず、マンションの管理組合が負担することになるでしょう。

また、被相続人がマンションの修繕費や管理費を滞納していれば、そのお金もマンションの管理組合が肩代わりすることになります。

申立が受理された際は、マンションの管理組合へ相続放棄した事実を報告することはもちろん、身内がかけた迷惑ですので、相続人として一言謝罪することも検討したほうが良いでしょう。

 

まとめ

マンションを含む相続財産の相続放棄は、家庭裁判所で正式な手続きを踏んで完了させましょう。なお、マンションを相続放棄する場合は、相続開始後3か月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があります。3か月を過ぎると原則として、相続放棄は認められません。