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土地の相続でトラブルが起こりやすい状況とは?

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土地以外、相続財産がないことによるトラブル

土地はしばしば相続におけるトラブルの元となってきました。よくあるトラブルとしては、土地以外に財産らしい財産がないため、相続人同士で取り合いが生じるというものがあります。

同じものがひとつとしてない以上、トラブルを予防するにはひとつの土地を複数の相続人で分け合う方法を模索するほかありません。

具体的には、次のいずれかの方法を検討できるでしょう。

1. 土地を換価分割する

土地のままでは分割できなくても、売却して金銭にすれば分割できます。土地の相続トラブルを解消するためには、もっとも手っ取り早い方法でしょう。

2. 土地の分筆登記をする

分筆とは、ひとつの土地を複数個の独立した土地に分割することを言います。

例えば、10という地番の土地があるとします。この土地を2つに分筆すると、10-1と10-2など別個の土地として地番が分かれ、それぞれの土地について登記がなされます。これが分筆登記です。

ひとつの土地を2つにすれば、2人の相続人で分けることが可能になります。

ただし、分け方次第では土地の固定資産税を下げることもできますが、いずれかの土地の固定資産税だけが上がる可能性もあります。評価額の差についてトラブルが起きないよう、うまく折り合いをつける必要があるでしょう。

 

相続人の人数が多いことによるトラブル

相続人の人数が多いほど、相続人全員の一致が必要な遺産分割協議の成立は難しくなります。たくさんの相続人へ土地を含む遺産を公平に分割することも、簡単ではありません。

対策として、土地を売却しておき、できるだけ現金の形で遺産を遺す方法があります。相続人全員が同額の現金を相続すれば、不公平感からのトラブルも防ぐことができるでしょう。

 

相続人同士の仲が悪いことによるトラブル

相続人の人数は少なくても、相続人同士が険悪な関係だとトラブルになりやすくなります。

相続財産の土地が価値の高い土地であれば、誰もが欲しいと言って譲らないでしょうし、逆に、税金ばかりかかるお荷物状態の土地であれば、互いに押し付け合ってトラブルになるでしょう。

他の相続人を困らせようとして、遺産分割協議の成立を妨害する相続人もいるかもしれません。

この場合、遺言書を用意し、遺言執行者を指定しておけば、相続人同士での遺産分割協議は省略することができますから、効果的なトラブル対策となります。

 

前の結婚でも子どもをもうけているためのトラブル

前の結婚で子どもが誕生している場合、その子どもにも相続人としての権利があります。前妻または前夫との子どもが今の家族と親しくしていることはまず考えられませんから、相続となればトラブルに発展する可能性があります。

対策としては、やはり遺言書を作成しておくことです。前の結婚で誕生した子どもの相続について、今の家族が事情を酌んでくれるよう、丁寧に遺言を書いておきましょう。

 

配偶者と婚姻していないことによるトラブル

内縁状態の配偶者では、相続人になることができません。どんなに長年連れ添っていても、婚姻届を出していない以上、なんの相続財産も取得できないことになります。

遺言で指定すれば、いくらかの財産を相続させることも可能ではありますが、配偶者のみに適用される土地の税額軽減や優遇措置は一切受けられません。今更と考えず、内縁の配偶者のためにも、正式に婚姻できないかどうかを検討してみるのも選択肢のひとつです。

 

極端な内容の遺言によるトラブル

遺言を遺したまでは良いものの、内容があまりに極端な場合もトラブルになります。例えば、土地も建物も預貯金もすべて一人の相続人に相続させる、などです。当然、他の相続人は納得しないのでトラブルになります。

遺産の分割についての指定が極端だと、たくさんの遺産を相続指定された相続人にとっても負担になります。他の相続人から遺留分を請求され、その対応に追われることになるからです。

特定の相続人に多くの遺産を相続させたい場合は、そのような遺産相続になる理由を説明する内容も遺言に書いておきましょう。

 

まとめ

相続される土地にまつわるトラブルは、そのほとんどが遺言書の作成と遺言執行者の指定によって予防できます。

死後のことを考えたくないという気持ちも当然ですが、自分の死をきっかけに家族がトラブルに遭うようなことを避けるためにも、生前に有効な遺言書を作成しておきましょう。