税理士による、間違いのない財産評価
不動産をはじめ、被相続人の遺産のうちで金銭的価値に換算できるものはすべて財産評価をして、相続税評価額を算出しなくてはなりません。
不動産などの財産評価を自分でやってみる人もいますが、相続財産のうち、主要なものだけでも、以下のような分かりにくい計算式や基準によって評価額を決めることになります。
宅地
路線価×土地の面積=評価額
家屋
固定資産税評価額
構築物(鉄塔、看板など)
(再構築価額-償却費合計額または減価の額)×70%
一般動産
売買実例価額または精通者意見価格
書画・骨董
売買実例価額または精通者意見価格
棚卸資産(商品、製品など)
課税時期の販売価額-(適正利潤の額+予定経費+消費税額)
棚卸資産(原材料)
課税時期の仕入れ価額+引き取り運賃などの経費
棚卸資産(半製品、仕掛品)
課税時期の仕入れ価額+引き取り運賃や加工費などの経費
貸付金債権
元本+既経過利息(回収不能の金額は元本から控除)
受取手形
券面額(期日到来済みもしくは6か月以内に期日到来するもの)
ゴルフ会員権
取引価格×70%
著作権
年平均印税収入の額×0.5%×評価倍率
電話加入権
通常の取引価格(取引相場がない場合、国税局が定める標準価額)
このように、相続税に明るくない人が上記の評価方法を見ても、すぐに内容を理解することは難しいのではないでしょうか。
税理士ですら、財産の評価に詳しくない場合は計算を間違えるケースもあります。そうであれば、なおのこと、税理士との知識の差がある税務の素人にはハードルが高いことです。
注意したい点として、不動産などの財産の評価方法を熟知している税理士と、そうでない税理士とでは、不動産などの評価額に大きな差が生まれることがあります。
理由は、財産評価に不慣れな税理士の場合は、余計な評価額加算をしてしまったり、適用されるはずの税額控除を適用し損ねたりして、いたずらに相続税評価額を上げてしまう可能性があるためです。
相続税は、少なく納めてしまうと罰則が課される場合もありますし、多く納めてしまった場合は、こちらから請求をしなければ還ってきません。
余計な手間をかけないためには、最初から正しい評価額を計算することが絶対条件です。自分で何とかしようとあがくことなく、不動産相続や財産評価に強い税理士にすべて任せてしまうのが一番の近道となります。
税理士による、間違いのない相続税計算
不動産やその他の財産に対する相続税は、相続税評価額をもとにして計算されます。
相続税の計算を終えるまでのステップは大きく分ければ3つほどですが、各ステップの詳細は複雑です。どこか少しでも間違いをすれば、すべてにしわ寄せが生じます。しかも、相続税を少なく計算してしまえば、税務調査が入る可能性もあります。
相続税計算を税理士に任せれば、万に一つの可能性として、税務調査が入った場合にも税理士が対応してくれます。それ以前に、税理士に計算を任せておけば、まず間違いは生じないため、税務調査が入ることも滅多にありません。
税理士によって、不動産の特例制度の適用漏れを防げる
不動産相続に関係する特例制度は非常に数多くあります。おもなものだけでも、以下のようにたくさんの種類があるのです。
・特定居住用不動産の買換えの特例
・居住用不動産の買換えの場合の譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例
・特定居住用不動産の譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例
・居住用不動産の3,000万円の特別控除
・居住用不動産の軽減税率の特例
・不動産の住宅ローン控除
・配偶者への自宅不動産贈与における控除
・小規模宅地等の特例
それぞれ、適用するための要件が非常に細かく規定されており、内容を知り尽くしている税理士でなければ特例を使いこなすことは不可能です。税理士に依頼すれば、適用できる不動産の特例をすべて把握した上で税額計算をしてくれます。
まとめ
不動産の相続では、膨大な知識を必要とする難しい評価や計算が必要になります。不動産の相続を熟知した税理士を入れることで、不動産の相続税額は数十万〜数百万あるいはそれ以上変わってくる可能性もあります。不動産相続に明るい税理士を選べば、税理士費用が無駄にはなることはないでしょう。