相続メディア nexy

相続メディア nexy

土地の相続における、相続税申告・納付の注意点

更新日:

土地の相続税評価額の間違いに注意

土地の相続税を計算するためには、土地の評価額を計算しなければなりません。しかし、土地の評価額に影響を与える要素は非常に多いため、素人が計算しようとすると、たいてい何かしらのミスが生じます。

土地の評価額を高く計算してしまったならまだしも、本来よりも低く計算してしまうと大変まずいことになります。

費用をかけたくないので何とか自分で土地を評価してみようと考える人もいますが、後々相続税の修正申告もしくは更正請求をする可能性と手間を考えると、土地の評価額計算は税理士や司法書士に依頼するべきです。

しかも、素人計算の場合、土地の評価額は往々にして本来のものよりも高額になります。費用をかけて専門家を呼ぶとしても、かえって土地の相続税を節税する結果になることが多々あるのです。

 

相続税の申告・納付期限を超過しない

マンションやオフィスビルなどの安定した収益をもたらす土地や、利用価値に乏しく税金がかかるばかりの土地は、相続人の間に争いを生む要因となります。収益をもたらす土地については、当然ながら相続人の誰もが相続したいと思い、奪い合いが起こるはずです。

一方、誰もが相続したくないと思う土地については、互いに押し付けようとする動きが出てくることでしょう。土地は、根の深い争いの原因となり得ます。

そうは言っても、相続開始から10か月以内という相続税の申告と納付の期限は遵守しなければなりません。まだ土地の相続人が決まっていないからと言って、土地にかかる相続税の申告だけを待ってもらうことはできないのです。

では、土地を含む相続税の申告や納付で、ミスや遅れがあるとどうなるのでしょうか。罰則が低い順に並べてみると、以下のようになります。

1.延滞税

相続税の納付期限を過ぎても相続税を納めない場合は、延滞税が課されます。納期限の翌日から2か月目までは本税に年7.3%を乗じた額、2か月目以降は本税に年14.6%を乗じた額を納めます。

2.過少申告加算税

相続税の申告期限内に申告し、納付したものの、本来の税額よりも少ない額を納付していた場合には、過少申告加算税が課されます。ただし、早くに間違いに気づき、自主的に修正申告を行った場合には加算されません。

税務署から指摘を受けたり、税務調査を受けたことで過少申告が発覚したりすると、追加で納めることになった相続税額に10%を乗じた額を納めます。

3.無申告加算税

本来相続税がかかるにも関わらず、期限内に相続税の申告や納付をしなかった場合に課されます。自主的に申告と納付を済ませた場合は、本来納めるべき税額に5%を乗じた額を納めます。税務調査などで発覚した場合には、本来の税額に15%を乗じた額を納める必要があります。

4.重加算税

故意に財産を隠すなどしており、その事実が発覚した場合には、重加算税が課されます。

相続税の申告期限までに申告と納付をしていたものの、故意に過少申告していた場合は、本来納めるべき税額に35%を乗じた額を納めます。相続税の申告自体をしていない場合は、本来の税額に40%を乗じた額を納める必要が生じます。

税額や期限についての間違いは、故意や悪意があったかどうかによって、処分の重さに差が付けられています。

無申告の上の重加算税では、本来の納税額の約半分も上乗せされた税額を納めなくてはなりません。間違っても、土地の相続税を免れられるか試してみようなどと考えないようにしましょう。

 

相続税の納付は「連帯責任」

相続人のうちの誰かが相続税を滞納してしまった場合には、他の相続人がその人の相続税の納付について、連帯責任を負います。これを「連帯納付の義務」と言います。誰かが相続税を納められなければ、肩代わりしてあげなければならないのです。

ただし、平成24年度から連帯納付の義務は緩和されています。相続税の申告期限から5年を経過した場合、相続税を滞納している相続人が延納もしくは納税猶予の適用を受けた場合には、他の相続人の連帯納付義務は解除されることになります。

それでも、相続税をきちんと納付できなければ、他の相続人へ迷惑がかかることに変わりはありません。土地を相続する場合は特に、相続税が高額になりがちです。納税費用をよく計算し、相続税の納付を終えるまでは無駄な出費を避けるようにすべきでしょう。

 

まとめ

土地を相続することになったものの、どうしても相続税を支払えないという場合には、無申告のままにするのではなく、延納や物納の手続きを進めましょう。相続税をなんとか支払いたいという姿勢を見せることで、税務署側も親身になって相談に応じてくれる可能性が高まります。