土地の相続手続きは自分でできる?
土地の相続手続きの流れ
土地を相続手続きは、次のような流れになります。
1. 相続人を調べる
戸籍謄本を取り寄せて、相続人が誰であるかを確定します。
2. 遺産分割協議をする
遺産分割協議とは、遺産の分配方法についての話し合いです。遺産分割協議は、相続人全員でしなければ無効です。普段連絡がない人とも、電話や手紙、メールなどで連絡をとり、全員の意向を確認します。
3. 遺産分割協議書を作成
遺産の分配方法が決まったら、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書には、相続人全員が実印で押印し、印鑑証明書を添付します。
4. 相続登記申請
法務局の窓口で相続登記を申請します。相続登記の申請には、次のような書類が必要になります。
○登記申請書
○戸籍謄本一式
○被相続人の除票
○土地を相続する人の住民票
○遺産分割協議書
○固定資産評価証明書(または納税通知書の課税明細)
5. 登記完了
登記申請後、1~2週間程度で相続登記が完了し、土地の名義が相続人に変わります。
土地の相続手続きは自分でもできる
土地の相続手続きは自分でもできます。相続人は、相続手続きに使う戸籍謄本を自分で役所へ行って取ることが可能です。遺産分割協議書は、本やインターネットを参考にしながら、自分で作ることもでき、相続登記も、自分で書類を提出して行うことは不可能ではありません。
土地の相続手続きは、一生のうちに何度もすることではないと思います。慣れていない手続きを自分でしようとすれば、時間も手間もかかってしまいますが、自分でやることは基本的には可能です。
土地の相続手続きを依頼できる専門家
土地の相続手続きは、自分でやらなくても、専門家に依頼することができます。相続手続きを依頼できる専門家には、弁護士、司法書士、行政書士などがあります。
土地の相続手続きでは、相続登記が必要になります。登記手続きに対応できる専門家は司法書士なので、自分でやらない場合には司法書士に依頼するとよいでしょう。
なお、弁護士や行政書士に依頼した場合でも、通常は提携している司法書士と協力し、登記まで対応してもらえます。
土地の相続手続きを自分でするメリット
土地の相続手続きを自分ですると、次のようなメリットがあります。
費用を安く抑えられる
土地の相続手続きを専門家に依頼すれば、報酬を支払わなければなりません。自分で手続きする場合には、登録免許税などの実費のみですみますから、費用を抑えることができます。
家の事情を他人に話さずに済む
相続手続きを誰かに頼むとなると、家族や親戚の事情を説明しなければなりません。専門家には守秘義務があり情報が洩れることはありませんが、それでも家のことを話すのは煩わしいと感じる人もいるでしょう。
土地の相続手続きを自分ですれば、他人に家の事情を説明する必要もないので、気楽な面もあります。
相続手続きに詳しくなる
土地の相続手続きを自分ですれば、相続手続きに詳しくなります。次に相続があったときにも、自分で手続きする自信がつきます。
土地の相続手続きを自分でするデメリット
戸籍謄本の収集に戸惑うことがある
相続手続きで使う戸籍謄本は、膨大な数にのぼることがあります。古い戸籍を自分で解読するのは難しく、必要な戸籍が揃うまでに大変な手間と時間がかかってしまうことがあります。
知らない相続人が出てきた場合にどうすればよいかわからない
戸籍謄本を集めていると、想定していなかった相続人が出てくることがあります。たとえば、亡くなった人に、認知した子がいたような場合です。相続人である以上、遺産分割協議に参加してもらわなければなりませんが、連絡先もわからなければ困ってしまうでしょう。
必要書類が手に入らないことがある
土地の相続手続きをしないまま長年放置していた場合、相続登記をしようとしても、必要書類が手に入らないことがあります。たとえば、亡くなった人の除票の役所における保存期間は5年間なので、役所に請求しても取ることができず、困ってしまうことがあります。
長年放置していた土地は自分では対処が困難
相続手続きをしないまま長年放置していた土地は、次の相続が発生し、相続人が増えていることがあります。二次相続や三次相続が発生していると、権利関係が複雑になり、自分で対処するのは困難です。
土地の相続手続きは自分でするよりも専門家に任せた方が安心
土地の相続手続きを自分ですると、費用はかかりませんが、手続きがスムーズに進まず、膨大な時間がかかることがあります。土地の相続手続きは、専門家に任せた方が安心です。