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マンションの相続で登記申請書を使う「相続登記」とは?

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マンションの所有者名義を変更する「相続登記」

マンションの相続登記は、相続人の義務ではありません。しかし、マンションの名義を被相続人のままにしておいては、マンションを売却することができず、マンションを担保にして借り入れをすることもできません。

さらに重大なケースとして、マンションの相続登記をしないまま相続人である自分自身が亡くなった場合のことを考えてみましょう。

本来であれば、自分の親名義のマンションを自分名義へ相続登記するはずだった子どもや孫は、自分たちの祖父母名義のままになっているマンションを、相当な苦労を傾けて相続登記しなくてはなりません。

最悪のケースでは、相続登記がされていないのをいいことに、第三者が突然、その土地の所有権を主張してくることもあります。相続人の少しの怠慢が、子孫へ多大な迷惑や危険を及ぼす可能性があることを考えると、面倒でもマンションの相続登記はしておくべきだと認識できるでしょう。

 

マンションの相続登記に必要な書類と費用

マンションの相続登記には、以下の書類が必要です。

・登記申請書
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
・被相続人の住民票
・遺言書または遺産分割協議書
・相続人全員の戸籍謄本と住民票の写し
・相続人全員の印鑑証明書
・固定資産税評価証明書

マンションの相続登記にかかる費用は、登録免許税です。登録免許税の額は、マンションの固定資産税評価額に0.4%を乗じた金額です。

ただし、マンションを遺贈によって取得する場合には登録免許税が上乗せされます。遺贈の場合は、固定資産税評価額へ2%を乗じた金額が登録免許税になります。

マンションの相続登記を司法書士に依頼する場合は、司法書士報酬も必要です。費用相場は、不動産1件あたり5万円~8万円程度を1つの目安に考えるとよいでしょう。

 

相続登記申請書の作成例

相続登記申請書を作成する上で、まず押さえておくべきポイントは、以下の3点です。

・A4の用紙に記入すること
・縦書き、横書きはどちらでも可
・パソコン、手書きどちらでも可

では、相続登記申請書の具体的な作成方法をご紹介します。

タイトル

まず始めに「登記申請書」とタイトルを記入します。

原因

マンションの相続登記をする原因です。被相続人の死亡年月日の横に「相続」と記入します。

相続人

マンションを相続する相続人の住所と氏名、連絡先の電話番号を記入します。住所と氏名は、住民票の記載通りに記入する必要があります。また、氏名の横には認め印で構わないので押印しておきましょう。

登記申請書の提出年月日および提出先

相続登記の登記申請書を提出した日付と、登記申請書を提出した法務局の名称を記入します。

課税価格

マンションの固定資産税評価証明書に記載されている評価額を記入します。なお、1,000円以下は切り捨てて下さい。

登録免許税

あらかじめ計算しておいた登録免許税の額を「金〇万円」などの書式で記入します。登録免許税の計算にミスがあると、修正手続きのために法務局に出向かなければならないので注意しましょう。

不動産の表示

マンションの登記事項証明書に記載されている通り、そのままを記入します。マンションの土地部分と建物部分は、分けて記入する必要があります。

記入例としては、以下のようなイメージです。

所在 横浜市○○区○○1丁目
地番 〇番地
地目 宅地
地積 150平方メートル  価格 金4,000万円
所在 同所1丁目〇番地
家屋番号 〇版
種類 居宅
構造 木造スレート葦2階建
床面積 1階 60.00平方メートル
    2階 40.00平方メートル
    価格 金500万円

 

マンションの相続登記の申請~完了

登記申請書を作成したら、必要書類を添えて法務局へ提出します。登記申請書等の提出先は、相続したマンションがある地域を管轄する法務局です。

申請内容に不備があったり、書類が足らなかったりすると、後日呼び出されて補正を求められます。相続したマンションが自宅から遠い場合は、かなりの負担となるでしょう。

なお、法務局は平日にしか開いていませんので、自分で相続登記をする場合は平日にある程度の時間をとるか、郵送などの手段によって行う必要があります。

申請内容に問題がなければ、登記申請書の提出から1~2週間で相続登記は完了します。登記がなされたことの証として「登記識別情報通知書」が交付されるので、大切に保管しましょう。

 

まとめ

登記申請書の提出は、郵送やネット上からも行えます。ただし、マンションの相続人が自分で相続登記を行う場合、1つのミスもなく申請できることはほぼありません。

補正と登記識別情報通知書の受け取りのために、少なくとも2回は法務局へ足を運ぶことを覚悟しておいた方がよいでしょう。