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不動産を活用した相続対策の注意点

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不動産を活用した相続対策の種類とメリット

不動産を活用した相続対策としてよく行われているのは、以下のようなものです。

・更地を駐車場にする
・更地に賃貸物件を建てる
・不動産を売却し、より資産価値の高い別の不動産を購入する
・老朽化した建物を取り壊し、更地として売却する

相続対策をしたい不動産が更地の場合は、コインパーキングなどの貸駐車場にしたり、アパートやマンションを建てるなどの「賃貸経営」が人気です。

現在所有している不動産が生活不便な郊外にある場合などは、その不動産を売却して都心に近い便利な場所にマンションを一室買うなどして、より資産価値の高い不動産に換える「資産組み換え」もよく行われます。

面積が狭くなりがちという注意点はありますが、便利な地域に住みかえることで老後の生活環境を整えられるでしょう。

財産の大部分を不動産が占めている場合には、思い切って不動産を売却し、売却代金は相続財産として取っておくという人もいます。

では、相続面ではどのようなメリットがあるでしょうか。具体的には以下の2つがあります。

1.評価減により、相続税の節税対策になる

不動産の相続税評価額を抑えられるため、相続税が低くなります。例えば、更地にアパートが建った場合、その土地は「貸家建付地」という扱いになり、相続税評価額は一定割合減額されます。貸家建付地の相続税評価額は、以下の式で計算しましょう。

土地の相続税評価額×(1-借地権割合×貸家権割合×賃貸割合)

なお、アパート部分の相続税評価額も固定資産税評価額の7割に留められるため、大幅に節税ができます。

2.相続人に優良な財産を受け継がせることができる

将来相続が発生した時、相続人が「こんな不動産を遺されても迷惑だ」と感じてしまうのでは残念なことです。

その点、相続人にとっても価値のある不動産を遺しておくならどうでしょうか。毎月収益が発生する賃貸物件や、好立地にあり入居者募集のしやすいマンションは、相続人にとって重荷とはならないはずです。

 

注意点1:収益は不安定なもの

ここからは、不動産で相続対策をする際に覚えておきたい注意点をご紹介していきます。第一に、不動産から発生する収益は不安定になるという注意点を理解しておきましょう。

駐車場や賃貸物件の場合、得られるであろう最大収益は満室・満車時の合計賃料であり、賃料の値上げをしない限りそれを超えることはありません。そして、いつまでも満室にしておくことは不可能です。

新築時であれば容易に入居者が集まるかもしれませんが、どんな不動産でも時間が経てば劣化していきます。丁寧にメンテナンスをしていても、少しずつ入居者が離れていきやすくなってしまうのは仕方のないことです。

建物の状態が良いとしても、経年劣化に合わせて賃料は下げていかなければなりません。その上、空き室率が増えれば、賃貸経営から収益を得るどころか実生活に影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

 

注意点2:不動産の売却は難しい

不動産には、売却したいと思った時に即座に売ることが難しいという注意点もあります。

特に2015年の税制改正以降は、相続税をかけないために生前に不動産を売却しようとする人、相続した不動産を持て余して売りに出す相続人など、不動産を手放したい人が増えているために不動産市場には売り物件があふれているのが現実です。

その上、日本は人口減少社会であり、時間が経つにつれて不動産のニーズは減っていくことが予想されるため、売却はそう簡単にはいかないでしょう。

売却できない間は、所有者は固定資産税などを支払い続けなくてはなりません。これが非常に重い足かせとなる可能性があるので、念頭に置きたい注意点です。

 

注意点3:相続税の納税資金不足

相続税が安くなるからと、手元の現金の大部分を不動産に換えてしまう失敗例もあります。注意点は、相続税は現金で一括払いが原則ということです。

相続開始後に、財産のほとんどが不動産で現金はほとんど遺されていないとなると、相続人は大変な苦労をします。

自分の貯蓄から相続税を支払えればまだ良いですが、貯蓄がない相続人は、相続税を支払うためにせっかく相続した不動産を売却しなくてはならないかもしれません。

 

注意点4:遺産分割を視野に入れる必要性

不動産は、物理的に分割できないという注意点があります。例外として、ワンルームマンションなどを相続人の人数分買っておくというような場合は良いですが、たいていはひとつの不動産を複数名で分割しなくてはなりません。

分割できないので誰かひとりが相続するとなれば、不動産を相続できない相続人の心情はどうなるでしょうか。場合によっては裁判での争いに発展する可能性もあります。

 

まとめ

不動産の相続対策には、不動産ならではのメリットもあれば、不動産だからこその注意点もいくつかあります。単なるうわさや大げさな広告に乗せられることなく、冷静に検討しましょう。