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不動産の相続手続きは何から始めればいい?手続き全体の流れを押さえておこう

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相続手続きの大まかな流れはどうなっている?

相続発生後には、相続手続きを行わなければなりません。相続手続きとは、亡くなった人(被相続人)名義の財産を相続人名義に変えることです。

相続手続きの大まかな流れは、以下のようになります。

流れ1 遺言書の有無を確認

相続では、遺言書があるかどうかで、手続きの流れが変わります。まずは、遺言書の有無を確認しましょう。遺言書があれば、遺産分割協議(流れ4)をする必要なく、名義変更(流れ5)ができます。

流れ2 相続人調査

相続手続きに必要な戸籍謄本を集めましょう。相続手続きでは、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本のほか、各相続人の戸籍謄本、被相続人と各相続人とのつながりがわかる戸籍謄本が必要です。

なお、遺言書がある場合の名義変更時には、通常、被相続人と財産を取得する人の関係がわかる戸籍謄本だけ提出すれば問題ありません。

流れ3 相続財産調査

手順2の相続人調査と同時並行して、相続財産調査をしましょう。被相続人の自宅などを調べ、遺産としてどのようなものがあるのかを把握します。

流れ4 遺産分割協議を行う

遺言書がない場合には、相続人全員で遺産分割協議を行います。相続人全員が一堂に会する必要はありませんが、必ず全員の意向を確認しなければなりません。話し合いで合意ができれば、遺産分割協議書を作成します。

流れ5 名義変更を行う

遺言書または遺産分割協議により財産を取得する人が決まったら、財産の名義変更が必要です。名義変更時には、遺言書や遺産分割協議書を添付して手続きします。

 

不動産の相続手続きの流れは?

遺産の中に不動産がある場合にも、上記の「相続手続きの大まかな流れ」に従って手続きを進めることになります。不動産について、特に注意しておきたいのは、以下のような点です。

所在がわかっている不動産は登記事項証明書を取得

相続財産調査(流れ3)の際、どこにあるかがわかっている不動産については、法務局で登記事項証明書を取得しておきましょう。登記事項証明書を見れば、不動産の所有者が被相続人1人なのか、担保は付いていないかなども確認できます。

詳しい所在がわからない不動産は名寄帳を確認

相続財産調査(流れ3)をするとき、被相続人が近くに不動産を持っていることはわかっているけれど、散在しているので場所がよくわからないことがあります。不動産の詳しい所在がわからない場合には、名寄帳を確認しましょう。

名寄帳とは固定資産課税台帳のことで、不動産を所有者ごとに一覧にしたものです。名寄帳の写しは、不動産の所在地の市区町村役場で請求できます。

遺産分割協議書には不動産の表示を正確に記載

遺産分割協議(流れ4)成立後、遺産分割協議書を作成するときには、不動産を正確に特定しなければなりません。不動産を特定するためには、登記事項証明書の記載を使います。登記事項証明書を見ながら遺産分割協議書を作成しましょう。

不動産の名義変更には登録免許税がかかる

不動産の場合の名義変更(流れ5)は、相続登記になります。相続登記とは、相続を原因とする所有権移転登記のことで、法務局で申請する手続きです。

相続登記の申請時には、不動産の固定資産評価額の0.4%の登録免許税がかかります。税額分の収入印紙を購入して納めなければなりません。

 

相続した不動産を売却する場合の流れは?

売却の前提として相続登記が必要

相続した不動産を使うつもりがないので、売却したいというケースもあると思います。相続した不動産を売却するときも、売却前に相続登記が必要です。上記の「流れ1」から「流れ5」までの手続きが終わった後、売却手続きに入ります。

売却手続きの大まかな流れは、次のようになります。

不動産会社を選んで売却を依頼
   ↓
不動産の売り出し
   ↓
買主が現れたら売買契約締結
   ↓
決済・引渡・所有権移転登記

売却代金を相続人全員で分ける場合

遺産分割協議の際に、不動産を売却した代金を分ける合意することも可能です。売却代金を分ける形の遺産分割は、換価分割と呼ばれます。換価分割する場合には、遺産分割協議書に換価分割する旨を明記しておきましょう。

換価分割する場合には、原則として法定相続の登記を行いますが、便宜上、相続人の代表者名義の相続登記をすることも可能です。不動産の売却が完了したら、遺産分割協議書に従って、売却代金を分けることになります。