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遺言書があれば、法定相続分はどうなるの?

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法定相続分とは

まずは法律で定められた法定相続分から見ていきましょう。

法定相続とは、法律によって定められた相続割合です。法定相続分を目安に遺産分割を進めていくことになります。以下の表によって、( 不動産 + 動産 )- 負債 = 相続財産 のパターン別法定相続分を示します。

法定相続の場合、以上の割合において相続財産を承継することとなります。

上記の表で特筆すべき点

  • 父母・兄弟姉妹はお亡くなりになった方の直系親族となります。つまり、旦那様が亡くなったら奥様の父母には相続されないということになります。
  • 子供・父母がすでに亡くなっていた場合は、すでに子供が亡くなっていれば孫に、すでに父母が亡くなっていれば曾祖父といった形で、代襲相続されます。
  • 兄弟姉妹はすでに亡くなっていても、その子供(甥、姪)には代襲相続しません。
  • 同順位で複数人の法定相続人がいた場合は、その人数で割ります。
  • 相続財産の合計がマイナスであっても、全て相続することになります。この場合、相続放棄することもできます。

 

葬儀後、相続分を持つ親族が集まり、亡くなった方の面倒をよく見た方、被相続人(財産を残した方)の生前に多額の資産を頂いている方などの寄与分を考慮して遺産分割協議を進めていくことになります。

しかし、親族の仲が悪く、話し合いがうまく持てないような場合や、銀行預金等を早急におろす必要があるときなどは、法定相続分通りで分割するしか方法がないこともあります。

 

遺言書について

次に遺言書についてご説明していきます。何らかの事情で法定相続通りに分割しては逆に不公平が生じる場合や、特定の方に特定の財産を相続させたいなどの事情で法定相続を守らない方がよい場合、法定相続に基づかない内容の遺言書を作成することが有益かと思われます。

遺言書の種類

遺言書の探し方の一例

①公証役場に問い合わせます。公正証書遺言を作成していれば、教えてくれます。文面に遺言執行人が記載されていれば、その方が遺言書の内容をもとにして、相続手続きを行います。

②公証役場になければ、お住まいになっていた家屋の金庫や判子や通帳をしまってある戸棚を調べてみましょう。神棚の引き出しにしまっているパターンがよく見受けられます。あまりどうでも良い所にしまうことは少ないでしょう。

遺言書を見つけたら

遺言書を見つけた場合、その内容に沿って遺産分割を行っていくことになります。しかし、以下の場合には、その内容を守らないことが可能です。

①遺留分を請求する(遺留分減殺請求権)

本来相続を受ける権利のある方が、遺言書の中で全く、若しくはきわめて少ない相続配分がなされていた場合、本来受けることのできた相続財産のうちの半分を請求することができます。

この手続きはなかなか難しく、請求期間も決められています。しかも、誤って請求すべきでない方に請求してしまうと、請求期間内に間に合わなくなります。遺留分減殺請求権を行使するときは専門家に依頼した方が無難かもしれません。

②遺言書が自筆証書遺言だった場合

遺言書が自筆証書遺言だった場合、相続人全員で家庭裁判所に出頭して、検認を受ける必要があります。勝手に開封してしまうと、直ちに無効になってしまうわけではありませんが、5万円以下の罰金を取られてしまうこともありますので、注意が必要です。

 

まとめ

遺言によらない法定相続は、その昔の家督相続の時代と違い、親の面倒を見た方や、家を守る方以外にも相続財産が移ります。相続人にも家庭があり、守るべきものがあります。そのため、遺言によらない法定相続通りに分けていては、相続問題が複雑化します。

現代において遺言書は、被相続人の気持ちを伝え、円満に相続問題を片付けるのに重要なアイテムのひとつだといえるでしょう。