そのまま乗る場合で、相続人が自分だけの場合
もしも自動車の相続についてわからないことがある場合は、最寄りの陸運局に電話をかけてみるか、軽自動車の場合は軽自動車協会に問い合わせてみると良いでしょう。いろいろと基礎的な知識を教えてくれます。
そのうえで、相続人が自分しかいない場合は、まず名義変更を行います。そのための書類等を集めましょう。そして、戸籍謄本を誕生から死亡まで集めて、自分の印鑑証明を持って、陸運局にいきます。もしも面倒な場合は、司法書士に頼むといいでしょう。
相続の際にトラブルが発生することは、相続人があなたひとりの場合にはありませんので、司法書士が安くておすすめです。司法書士はこうした手続などを一括して請け負ってくれるため、多忙なときに心強い味方になってくれます。
自動車を相続する人が複数いる場合は、まず遺産分割協議
自動車の相続にあたって、相続する人が複数いる場合は、遺産分割協議を行う必要があります。
その際に、誰がその自動車を相続するか決めます。そのうえで廃車にするかそのまま乗り続けるかを決めなければなりません。
遺産分割協議では、誰がどの遺産を受け継ぎ、誰がどの遺産を放棄して、どれだけ受け取るのか、しっかりと相続人全員で話し合い、遺産分割協議書という書類を作成して全員で判子を押していきます。
遺産分割協議書は正しいフォーマットで書かれており、実印が押印され、なおかつ印鑑証明なども揃っている場合にはじめて、民法上の法的拘束力が発生する書類ですのでミスのないように用意する必要があります。
遺産分割協議の中に、誰が自動車を相続するのかを決定づける話し合いもあります。処分するか、乗り続けるかは、その相続が決まった人が決めれば良いでしょう。
処分する場合は、廃車専門の業者に頼むのもあり
遺産分割協議で自動車を相続した人が廃車にしてしまいたいと考えた場合、まずは廃車専門の業者に頼んで持っていってもらうという方法があります。
廃車は自分で行うと非常に手間がかかりますし、若干ながらお金もかかるのですが、廃車を引き取ってくれる業者にお願いすれば、むしろ反対にお金が数万円もらえるケースがあります。しかも、手間がかからず非常に便利です。
また、廃車にするほど古い車の場合、相続した自動車の車検が切れてしまっているリスクがあります。車検が切れている自動車を公道で走らせると、大きなペナルティが待っていますし、何よりも事故の元です。そのため、こちらが自動車を動かすことなく、レッカーで持っていってくれる廃車専門の業者にお願いすることは非常に有意義です。
廃車の手続きは自分でやろうとしたらとても手間がかかり、車検が切れている車を陸運局まで運ぶのに仮ナンバーを取る必要などもあるため、結局はお金も時間もかかってしまうのです。
それならば、業者に頼みましょう。そうすればお金も時間も節約でき、非常に楽になります。
相続した自動車にローンが残っていた場合
相続する自動車にローンが残っているケースを考えてみましょう。ローンが残っていてそれを支払うことができない場合、もともとのローンを貸し出している銀行が、その自動車を引き取ることになります。ローンが残っている車は売れませんので、銀行が残価設定で買い取ってくれます。
しかし、それでもお金が足らない場合があります。そんなときは、相続人がそのローンを支払っていく必要があるのですが、もしも無理そうな場合は、相続放棄を行って、残債を支払わないという意思表示をすることになります。
自動車の相続は複雑ではありませんが、かといって簡単でもありません。できれば弁護士に他の相続も合わせてお願いすると良いでしょう。司法書士が安いですが、弁護士に頼んだほうが、他の財産面やトラブル面も面倒を見てくれるので力強い存在となるでしょう。
自動車を相続する機会がある場合には、まずはその自動車をどうしたいかしっかり考えてください。