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遺産分割で最も揉める妻VS義姉

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妻と義姉は揉めやすい!専門家から聞いた本当にあった事例

実は相続には、遺産分割で揉めやすい相続人の組み合わせというものがあるそうです。

専門家によれば、最も揉めやすい組み合わせが配偶者と亡くなられた方の兄弟姉妹で、最悪の場合、骨肉の争いになることも多いとのこと。

本来、夫が死亡した際の相続人は、配偶者と子であることが多いのですが、夫婦の間に子がいないケースだと、第二順位の直系尊属である両親、すでに亡くなっている場合は第三順位の兄弟姉妹が相続人となります。

特に、奥さんと義姉という組み合わせについては、女性同士ということもあり、バトルが勃発しやすく、絶縁するようなケースもあったりするそうです。

そんな最悪のケースが、実際に起きてしまったのです!

夫の突然死によって相続発生

ある日、妻がいつものように夫を会社へ送り出しましたが、夜になっても帰宅しなかったため、妻が会社に連絡をしたところ、すでに退勤したとのこと。

その数時間後、夫は帰宅途中の路上で倒れて心肺停止、そのまま帰らぬ人となってしまいました。まだ50代という若さで突然亡くなられたため、警察から連絡を受けた妻はショックを受けたことでしょう。

詳しい死因はわからなかったようですが、事件性はなく、警察で司法解剖が行われたのち、葬儀が執り行われました。

ことの発端は夫の葬儀方法だった

元気だった人が突然この世から去ると、残された家族は深い悲しみに包まれます。ただ、現実問題としては、早急に葬儀の手配をしなければなりません。

実は、相続で紛争の発端となりやすいのが、「葬儀の方法」です。

葬儀というと、一般的には仏式の葬儀をイメージする人が多いかもしれませんが、日本には他宗教の方もたくさんいますから、妻の希望する葬儀方法と、夫側の親族が希望する葬儀方法が異なって対立することがあります。

当該事例では、妻が他宗教だったことから、夫側の親族主導で執り行った仏式の葬儀を、あろうことか妻が欠席しちゃったんです!

「なんであの女は葬式にすらでてこない!」

葬儀当日、義姉はそんな風に怒鳴っていたそうです。そりゃ、夫の葬儀に妻が出席しないなんて、常識的にはありえないですよね。

ただ、信仰心の強い人が、他宗教での葬儀に参加できないこともある程度は理解できます。

結果的に、この出来事によって、妻と義姉の間に大きなミゾが生じ、のちのトラブルへと発展していくことになります。

相続対策の遺言書がかえって火種に

葬儀が終わったというのももつかの間、夫の書斎から夫が直筆で作成した「遺言書」が発見されました。

夫はきちんと相続対策をしていたんですね。実際はこのタイミングで相談を受けました。

遺言書を読んでみると、夫名義の自宅と投資用のワンルームマンション2戸など、すべての財産について、配偶者である妻に相続させるとの記載がされていたのです。

実に妻想いの優しい旦那さんですよね。

本来、この遺言書が執行されれば、義姉には「遺留分」がないので、遺言書通りすべての財産を妻が相続できるのですが、当然この遺言書の存在を知った義姉は怒り狂ったそうです。

「夫の葬式にも出ないような女に、なんで遺産を全部相続されなければならないの?」

義姉が納得できない気持ちもわかりますね。ただ、法律上は、このような遺言書が残されていれば、財産は全て妻のものになるのです。

遺言書が執行されなかったわけとは

ここまでは、他の相続サイトなどで書かれていることと、さほど変わりません。

「遺言書があったから、妻が全ての財産を相続できてハッピーエンド!」
「だからこそ、遺言書の準備は重要!」

となるはずでしょう。

ところが、現実はそんなに教科書通りうまくはいかないんです!

人間関係というものは、生きている限り続きますし、下手に悪化させてしまうと修復は不可能という非常に厄介なもの。

夫がせっかく遺言書で財産を残してくれたわけですが、夫側の親族との関係悪化を懸念した妻は、義姉の怒りをこれ以上買わないために、相続財産のうち投資用ワンルーム1戸(時価2,000万円相当)を義姉が相続することで妥協してしまったのです。

こうして、夫がせっかく残した遺言書は、執行されませんでしたというオチ。これが一般的な相続情報サイトでは伝わらない「リアルガチ」な相続の実態です。

 

遺言書は書けばいいってもんじゃない!

夫はきっと妻のことを想って遺言書を書いたことでしょう。ただ、自分の亡き後に、妻と義姉が揉めることまでは想定していなかったのかもしれません。

今回の事例のように、子がいない夫婦間の相続については、相手方の親や兄弟姉妹を相手に遺産分割をしなければならないため、単に遺言書で多くの相続分を配偶者に指定したとしても、関係が良好でなければ、辞退せざるを得ないこともあるんです。

最近では、遺言書が「特効薬」のように持てはやされていますが、あまりに偏った内容の遺言書だと、かえって他の相続人を刺激してしまう「劇薬」になりかねないため、遺言書を書く際には、できるだけ弁護士などの専門家のアドバイスを聞いて、場合によっては生前贈与なども織り交ぜて検討した方がよいでしょう。