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離婚再婚は争族の元凶!母親が再婚すると相続で揉めるわけとは?

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離婚後に再婚すると子供が相続で翻弄される!

親が離婚をした場合、父親と母親の夫婦関係は解消されますが、子供がいる場合親子関係については離婚に関係なくそのまま継続します。

離婚する際には子供の親権についてよくトラブルになるのですが、親権の有無は親子関係に影響はないので、たとえ親権がなくても法律上の親子関係が続くのです。

さて、今回の事例について、まずは経緯について簡単に解説しましょう。

当初の家族関係:父、母、子供A、子供B

1:両親の離婚が成立

2:父親が子供2人を引き取る

3:離婚した母親が再婚し、再婚相手との子供Xを産む

3:父親が再婚しないまま死亡

4:子供のうち子供Aが死亡

このように、両親が離婚したあと再婚するケースは珍しくありません。

さて、ここで問題です。

この状況で子供Aの相続人は誰になるのでしょうか。

子供を捨てた母親に相続権がある?

子供Aは成人していましたが未婚で子供もいませんでした。

この場合、法定相続人は配偶者も第一順位の子もいないため第二順位である直系尊属に移行します。

直系尊属とはすなわちこの場合「親」にあたり、父親はすでに死亡しているため離婚した母親が単独で相続人になるのです。

子供Aの死亡後、葬儀などの手続きをすべて行っていた兄弟である子供Bは大激怒しました。

そもそも、子供のころに自分たちを捨てて他人と結婚して子供まで産んでいる母親に、兄弟の財産をすべて持っていかれるなんて到底納得できるはずもありません。

ただ、いくら子供を捨てた母親だったとしても法律上の親子関係は消滅していない以上、このようなケースでは母親が単独で法定相続人になってしまうのです。

 

母親を説得して相続放棄させるとどうなる?

母親が相続人になることを知って激怒した子供Bは、仕方なく母親と連絡を取り合い、事情を説明したうえで相続放棄をするようお願いしたそうです。

相続人が相続放棄をすると、当初から相続人ではなかったことになるので、母親が相続人から外れて第二順位の相続人が不在になり、第三順位である兄弟姉妹、つまり子供Bが単独で相続人になります。

ただ、問題はそう簡単に解決できません。

というのも、母親が相続放棄をすると子供Bだけではなく、もう1人相続人に浮上する人物が出てくるからなんです。

捨てた母親と再婚相手との子供Xが相続人として浮上

実は最初にご説明したように、離婚して出て行った母親は再婚後に子供Xを産んでいます。

子供Xは子供ABからすると異母兄弟で、一緒に生活をしたこともなければ会ったことすらありません。

ところが、母親が相続放棄すると第三順位である兄弟姉妹は子供Bと子供Xの2人になってしまうのです。

異母兄弟である子供Xの法定相続分は?

異母兄弟、異父兄弟の法定相続分は、父母を同じくする兄弟の相続分の1/2となります。

ただ、このようなケースで問題なのは相続分の割合ではなく、顔も見たことがない異母兄弟、異父兄弟が相続人になってしまうということです。

子供Bの気持ちになって考えてみてください、おそらくほとんどの方が納得できないでしょう。

このように、子供Bが単独で兄弟の遺産を相続するためには、離婚して出て行った母親と再婚相手との間に産んだ子供X、それぞれに相続放棄をしてもらわなければならないのです。

本事例では、離婚した母親と異母兄弟の了承が得られたため子供Bの単独相続で解決できましたが、中には理解が得られず相続分を主張されて泥沼化するケースは少なくありません。

 

相続分は生活実態が反映されにくい

今回の事例を見ていただければわかる通り、相続分や相続人の取り合扱いは生活実態を反映しません。

たとえ、子供を捨てた親であろうが、面識のない異母兄弟であろうが、民法の規定に照らし合わせて法律上の法定相続人であれば相続分があるのです。

一般の人からすると、なぜ会ったこともないような異母兄弟にまで相続権が発生するのか疑問かもしれませんが、法律上はそのような規定になっているためどうしようもありません。

実際、両親が離婚、再婚しているケースの相続は遺産分割で非常にもめることが多いので、生前贈与や遺言書といった遺産分割対策をとることをおすすめします。

 

まとめ:離婚、再婚には遺言書が重要

離婚、再婚が原因で遺産分割を泥沼化させないためには、生前に遺言書で遺産分割を指定しておくことが重要です。

特に次に該当する方については、遺言書がないと望まぬ相手に遺産が渡ってしまう可能性があります。

・両親に離婚、再婚経験がある

・自分自身に離婚、再婚経験がある

このように両親や自身に離婚、再婚経験がある場合については遺産分割でもめる可能性があるので、法定相続人が誰になるのかについて専門家に確認したうえで遺言書を作成することをおすすめします。