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相続税納付期限はいつまで?

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相続税納付期限について

相続税申告は「被相続人が亡くなられたことを知った日の翌日から起算して10ヶ月」が相続税納付期限となります。

相続税申告というと相続税申告書を提出する期限だと思っている人がいますが、相続税申告とは申告と納税のどちらも含みますので、相続税申告期限とはすなわち相続税納付期限でもあるのです。

10ヶ月と聞くと非常に長く感じるかもしれませんが、実際に家族の方がお亡くなりになると、葬儀や法要などでバタバタすることから、実質的には半年程度しか実働期間がありません。

 

相続税納付期限までにやるべきこと

相続税納付期限までに相続税を納税するということは、すなわち相続税申告書を作成することを意味しています。相続税申告書を作成するためには、次のことをやらなければなりません。

相続財産の調査

相続税納付期限に間に合わせるためには、まず相続財産がどのくらいあるのか正確に把握する必要があります。相続税を計算するためには、預貯金などのプラスの財産だけでなく借金などのマイナスの財産も確認が必要です。

相続人の中には、マイナスの財産の確認が漏れているケースがよくあります。

被相続人名義の借金については、相続財産から控除できるので相続税を引き下げることができるのです。

相続人の確認

相続人については家族であれば当然にわかると思うかもしれませんが、実際は家族の知らないところで養子縁組していたり、隠し子がいたりすることも少なくありません。

そもそもこういった事実は生前に知られたくないという心理が働くことから、死後に発覚することがよくあるのです。

これらの事実を確認するためには、被相続人の死亡から出生までの戸籍謄本や除籍謄本などを全てつなげて取得する必要があります。

相続財産と相続人を正確に確認した上で相続税を計算しないと、相続税納付期限までに正確な相続税を計算できませんので注意しましょう。

 

相続税納付期限がコロナの影響で延長?

相続税納付期限は原則として引き延ばすことはできませんが、昨今のコロナ禍の影響により、どうしても相続税納付期限に間に合わないという方が出てきています。

そこで国税庁では、特別に個別延長の措置を取り始めているようです。

具体的には、相続人等が相続税納付期限までに間に合わないやむを得ない理由がある場合について、個別に申請することにより相続税納付期限の個別延長を認めています。

相続税納付期限の延長が認められる理由とは

やむを得ない理由とは具体的にいうと、新型コロナウイルスに感染した場合や、体調不良などの理由で外出を控えている場合、その他感染拡大により外出を控えている方など申告書を作成することが困難なケースなどが該当するそうです。

相続税納付期限の延長は、個別に申請をした方のみが対象となるので、何もせずに相続税納付期限が過ぎた場合については、延長扱いになりません。

相続税納付期限はいつまで延長されるのか

新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが立たないことから、相続税納付期限の延長は、やむを得ない理由が止んだ日から2ヶ月以内に申告納付することとされています。

現状の感染拡大の状況を考えると、延長期限が具体的にいつを指しているのかについては、不透明な部分があるといえるでしょう。

個別延長に必要な手続き

相続税納付期限を延長するためには、本来の相続税納付期限までに「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を提出する必要があります。

また、申請書の提出に変えて実際に申告をする際に余白の部分に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」である旨を付記することでも大丈夫とのことです。そうすることで、申告期限及び相続税納付期限は原則として申告書等の提出日として扱われます。

 

まとめ

相続税納付期限は余程のことがなければ、本来は延長が認められないところですが、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響によりかなりイレギュラーな対応がされているようです。

どうしても相続税納付期限までの対応が難しい場合は、当該延長制度を利用することをおすすめします。