土地を相続したら相続登記が必要
相続登記で土地の名義を相続人に変更
不動産は法務局で登記されており、所有者などの情報が一般に公開されています。土地を相続した場合、土地の所有者が変わることになりますから、法務局で名義変更(所有権移転登記)の手続きが必要です。相続を原因とする所有権移転登記手続きを、相続登記といいます。
相続登記に必要な書類は速やかに用意
相続登記には、法律上の期限は定められていません。相続の際には登記以外にも様々な手続きが発生しますから、相続登記を後回しにしてしまったり、手続きしないまま放置してしまったりしがちです。
しかし、年数が経過してから相続登記をしようとすると、必要書類がそろわず手続きがスムーズに進まないことがあります。相続が発生したら、できるだけ速やかに書類を用意し、相続登記をすませるのがおすすめです。
土地の相続登記の必要書類
相続登記の際には、登記申請書のほかに、添付書類が必要になります。土地の相続登記の添付書類としては、以下のようなものを用意する必要があります。
戸籍謄本類
相続関係を把握できる戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本をすべてそろえる必要があります。被相続人の出生から死亡までの戸籍だけでなく、それぞれの相続人とのつながりがわかる戸籍も必要です。遺言書がある場合には、土地を相続する相続人との関係がわかる戸籍のみでかまいません。
被相続人の除票
被相続人の最後の住所地を証明する書類が必要です。亡くなった人の住民票は除票という形で出されるので、役所で本籍入りの除票を取得して添付します。戸籍附票を添付してもかまいません。
遺産分割協議書
遺産分割協議により土地を相続する人が決まった場合には、そのことを証明する書類として、遺産分割協議書が必要になります。
印鑑証明書
遺産分割協議により土地を相続する人が決まった場合には、相続人全員の印鑑証明書が必要になります。相続登記の際に提出する印鑑証明書は、発行から3か月以内のものでなくてもかまいません。
遺言書
遺言書により土地を相続する場合には、遺言書を添付します。自筆証書遺言の場合には家庭裁判所の検認を受けていなければなりませんので、検認済証明書付きのものを提出します。
土地を相続する人の住民票
所有権移転登記の際には、新しく土地の名義人になる人については、住所を証明する書類として住民票を提出する必要があります。住民票の代わりに戸籍附票を提出してもかまいません。
委任状
登記手続きを司法書士に依頼する場合には、代理権を証明する書類として委任状を添付します。
固定資産評価証明書
固定資産評価証明書は、固定資産税評価額を証明する書類のことで、登録免許税の計算のために必要です。固定資産評価証明書は土地の所在地の市区町村役場で取得できます。固定資産税の納税通知書に添付されている課税明細書でも受け付けてもらえる場合があります。
土地の相続に必要な書類の集め方
土地の相続登記に必要な書類は多い
土地の相続が発生し、登記手続きを行うときには、必要な書類の数が多くなります。特に、戸籍謄本類は複数の役所から取り寄せなければならないケースがあり、相続人が多い場合などは膨大な数になることがあります。
遺産分割協議書も、どんなものでもよいわけではなく、法務局で受け付けてもらえるような形式にしなければなりません。土地の相続のために必要な書類が揃うまでにも、かなりの時間や手間がかかってしまいます。
過去の相続に関する書類が必要な場合も
相続登記には法律上の期限はないため、先代からの相続登記がされないまま放置されているケースもあります。複数の相続が発生している場合には、過去のものから順を追って登記しなければなりません。
先代の相続人の関与も必要になり、先代の相続人が亡くなっていれば、その相続人の関与も必要になります。複数の相続登記をしなければならない場合には、手続きがより複雑になり、必要書類の数も増えてしまいます。
土地の相続登記は専門家に依頼
土地の相続手続きを行う場合には、専門家に任せるのが安心です。登記手続きができる専門家は司法書士ですから、相続登記は司法書士に依頼しましょう。
司法書士に依頼すれば、必要書類の取り寄せや遺産分割協議書まで、すべて任せられますから、土地の相続手続きにかかる手間を軽減できます。
弁護士、税理士、行政書士等の専門家に相続手続きを依頼した場合でも、通常は提携している司法書士がいますので、登記までサポートしてもらえます。