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土地の相続登記をせずに放置しておくことのデメリットとは?

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土地の相続登記をしていなければ売却ができない

・相続した土地は相続人名義にしなければ売却できない

相続した土地を売却する場合には、亡くなった人名義のまま売却することはできず、売却の前提として相続登記が必要になります。土地の相続登記をせずに放置していると、土地を売りたくなったときにすぐに売れないという問題が発生します。

・相続登記には時間がかかることがある

すぐに土地を売るつもりはないので、土地を売りたくなったときに相続登記をしようと考えることもあると思います。しかし、土地を売りたいときに、すぐに相続登記ができるとは限りません。

相続登記には様々な書類が必要になりますが、長年放置していた土地の場合、必要書類を揃えるのに時間がかかってしまい、すぐに手続きできないことがあります。

・売却のタイミングを逃してしまうことも

土地の買主が見つかってから相続登記をしようと思うこともあります。しかし、せっかく買主が見つかっていても、相続登記が完了しなければ、売買契約を締結できません。相続登記をしていなかったばかりに、売却のタイミングを逃してしまうこともあります。

 

放置している間に相続人が高齢になってしまう

・相続人が高齢になると認知症になるリスクがある

遺言がなく、相続人が複数いる場合には、相続登記を行う前に遺産分割協議を行うのが通常です。土地の相続登記をせずに放置している間に、相続人が高齢になってしまうことがあります。

高齢になると、認知症になるリスクが高くなります。相続人が認知症になった場合、本人は遺産分割協議ができないため、成年後見人の選任が必要になります。

・成年後見人の選任申立てには手間や時間、費用がかかる

成年後見人は、家庭裁判所に申し立てて選任してもらう必要があります。申立ての際には必要書類を揃えなければならず、選任までに2か月程度かかります。

医師による精神鑑定が行われることもあり、この場合には10万円程度の費用がかかることもあります。土地の相続登記をせずに放置していると、こうした余計な手間や費用が発生してしまう可能性が出てきます。

 

放置している間に次の相続が発生してしまう

・相続した土地を放置していると土地の共有者が増えることがある

土地の所有者が亡くなった後、遺産分割協議をせずに放置していた場合には、土地は実質的には、相続人全員の共有状態です。さらに、土地を放置している間に相続人のうちの誰かが亡くなると、亡くなった相続人の相続人が土地の共有者として加わることになります。

・重ねて相続が発生することで権利関係が複雑に

2次相続や3次相続が発生している土地の相続登記をする場合には、すべての相続における相続人の関与が必要になります。遺産分割協議も、2次相続や3次相続の相続人全員を含めて行わなければなりません。

相続の際に、相続人が1人というケースは少なく、何人も相続人がいるのが普通です。相続登記をせずに放置していると、権利関係が非常に複雑になってしまう可能性があります。

 

放置していた土地は相続登記に必要な書類を集めにくい

・相続に必要な戸籍謄本の数は多い

相続登記をするときには、相続関係がわかる戸籍謄本(除籍・改製原戸籍謄本含む)一式が必要になります。すべての戸籍謄本が同じ役所で揃うというケースは少なく、いくつもの役所から取り寄せなければなりません。戸籍謄本収集は、ただでさえ手間のかかる作業です。

・放置していた場合にはさらに多くの戸籍謄本が必要になる

土地の相続登記をせずに放置していた場合、2次相続や3次相続が発生し、相続人が増えていることがあります。

放置していた場合には、通常の相続登記以上に、手続きに必要な戸籍謄本の数が多くなってしまうということです。膨大な数の戸籍謄本を集めなければならないとなると、大変な時間や労力が発生していまいます。

・年数が経過していると入手できない書類もある

役所では、書類の保存期間が決まっており、年数が経過していると入手できない書類があります。たとえば、相続登記の際には被相続人の住民票(除票)が必要ですが、除票の保存期間は5年となっているため、放置していると手に入らなくなることがあります。

除票が手に入らなくても戸籍附票が手に入ればOKですが、除籍や改製原戸籍の附票の保存期間は5年間となっているため、やはり入手できないことがあります。