司法書士なら、戸籍の収集調査がスムーズ
相続では、最初に被相続人の戸籍謄本をすべて集め、内容を調査しなくてはなりません。戸籍調査は、被相続人が死亡した時の戸籍から始めて、生まれた時の戸籍に行き着くまで、ひとつずつ順にたどっていきます。
集めることにかかる時間も相当ですが、内容を読み通して被相続人の親族関係をすべて把握しなければならないため、非常に骨の折れる作業になります。
戸籍調査は、絶対にミスのできない作業でもあります。もし相続人を見落としている状態で相続を進めてしまえば、それに気が付いた時点で相続の振り出しまで戻らなければなりません。
司法書士は、業務上の必要で顧客の戸籍を取り寄せる機会も多く手続きに慣れているだけでなく、一般人には難解な戸籍の読解も難なくこなすことができます。相続は、始めのうちから司法書士に依頼した方が賢明でしょう。
司法書士なら、土地の正確な評価額計算が可能
土地の相続では「評価額」を計算して、相続税額を計算しなくてはなりません。土地の評価額の計算は、相続税の申告手続きの中でも特に難解な手続きであり、かなりの専門知識が求められます。
土地を相続する相続人が自らチャレンジすることもできますが、概算の評価額は出せても、本当に正しい評価額を求めることはまず無理です。
土地は、概算の評価額から個々の土地の実情に基づく足し引きを行った上で、はじめて正確な評価額が算出されます。土地の評価額の足し引き要件は非常に多く、専門家である司法書士や税理士でさえも時折間違えるほどです。
土地の評価額を抑えて相続税を節税したい人ほど、司法書士費用を惜しまずに依頼するべきです。土地の評価に精通した司法書士に依頼した結果、数百万円、数千万円という巨額の相続税還付を実現した人もいます。
つまり、一般の人が土地の評価額計算をすると、相続税の払い過ぎになるリスクが高いということです。
司法書士なら、相続税の控除や特例を正しく適用可能
相続税に特化している司法書士に限りますが、相続税の節税に利用できる控除や特例を知り尽くしていることもポイントです。
相続税の控除や特例は、申し出ない限り、適用されることはありません。申し出るには、どのような控除や特例が適用可能なのかについて正しく理解しておく必要があります。
たったひとつの控除制度だけを見ても、適用のための要件は十以上あるのが普通です。しかも、ほぼすべての制度に「例外」や「追記・特記事項」などがあり、隅から隅までを頭の中に収めるのは難しいでしょう。
土地や相続税に関する控除や特例は少なくとも数十個ほどありますから、そのすべてを細部まで理解する場合、膨大な時間と熱意と記憶力が求められます。
現実的に考えて、法律や税務の基礎知識を持たない人が、控除や特例のすべてを一朝一夕に把握することは困難です。司法書士に相談することで、自分に最適な提案を受ける方が良いでしょう。
司法書士なら、土地の相続登記を一任できる
司法書士の業務の中心にあるのは、土地などの不動産の登記です。弁護士、行政書士、税理士と、法律の専門家は他にもいますが、不動産と登記については司法書士を超える専門家は少ないと言えます。
土地を相続するのであれば、相続登記が必ず必要になります。土地を相続する相続人が自分でしようと思えばできなくもありませんが、仕事や家事を抱えている一般人にとっては、時間や手間の点で厳しい手続きです。
申請書類に不備があれば、土地がある地域の法務局まで出向かなくてはなりませんし、相続登記が完了した後も、土地の登録証などを引き取りに、もう一度出向くことになります。
土地の相続登記に必要な書類には、他の相続人の協力がなくては用意できないものも含まれます。こちらが土地を相続することを快く思っていない相手だと、気が変わったなどと難癖をつけて協力してくれないこともあります。
その点、第三者として司法書士が介入していれば、身勝手な言い分で手続きを妨害する相続人に悩まされることはないでしょう。なお、土地の相続登記のために必要な書類は、相続の他の手続きにも共通して必要な書類ばかりです。
つまり、相続が始まったらすぐに司法書士を入れることで、書類の収集、管理の手間、手続きのために使う時間が省けるだけでなく、ミスのないスムーズな相続手続きが期待できるのです。
まとめ
土地を相続する場合、「お金の余裕がなく、司法書士に払う費用がもったいないので依頼しない」というのは逆効果です。司法書士に依頼すれば、相続登記を中心に、土地の相続に関連して必要となる手続きについて、まとめて対応してくれるでしょう。