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不動産は相続前に売却した方が節税になる?

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相続させる不動産が「土地」の場合の節税対策

相続させる不動産が土地、しかも面積が広大なのであれば、早急に節税対策を講じなくてはなりません。

土地は、相続税における評価減などの制度はあるものの、評価額が高額になる可能性があるため、注意が必要です。

被相続人になる人が土地の一部を売却し、売却益で自宅を建てるなら、相続開始後には「小規模宅地等の特例」という税額特例が適用可能になるため、かなりの節税が期待できます。

また、土地の相続税を節税するためにできる別の方法は、賃貸物件を建築することでしょう。賃貸物件が建っているだけで、その土地は「貸家建付地」となり、相続税の大幅節税ができます。

先のことを考えると賃貸物件を建てるわけにいかないという場合は、貸駐車場にすることも節税に繋がるでしょう。

貸駐車場に税額特例を利用して本格的に節税したい場合には、塀やコンクリート舗装などの設備を整えることも必要ですが、賃貸物件よりは気軽に経営できる上、しばらく経ったら元の土地に戻すことも不可能ではないという利点があります。

駐車場のニーズがない地域では、単なる貸地とすることでも、ある程度の節税ができるでしょう。

 

相続させる不動産が「建物」の場合の節税対策

被相続人となる人が自宅にしていた建物や、アパート、マンションなどの賃貸物件は、「小規模宅地等の特例」という税額特例を利用することで相続税評価額を抑え、節税できます。

しかし、相続させる不動産が築年数のかさんだ古い建物で、相続人が居住する可能性も低いのであれば、売却して資産組み換えをした方が節税になり、なおかつ収益も上がるかもしれません。

例えば、古くなって家賃も下がり、入居者もまばらになったアパートがあるなら、相続が始まる前に売却して、その売却益でニーズの高い地域に収益物件を購入するなどの方法があります。

そうすれば、相続税を節税できるだけでなく、相続人に長年利益をもたらせる価値ある財産を遺すこともできるのです。

他の地域に収益物件を買いなおすことができなくても、取り壊して新しい建物を建てるといった投資を行うことによっても、相続財産の金額を抑えて節税しつつ、収益をアップさせることができるでしょう。

 

相続予定の不動産を売却する場合のコスト

ではここで、不動産を売却する際の基本的なコストについて確認しておきましょう。

1.所得税

不動産を売却して得た売却益から必要経費を引いた残りは「譲渡所得」と呼ばれ、所得税の課税対象になります。

一般的な給与所得と異なり分離課税であること、売却した不動産の所有期間が5年以上か以下かによって税率が変わってくることが特徴です。

2.住民税

不動産を売却して得た譲渡所得には、住民税も課税されます。1の所得税と同様、売却した不動産の所有期間によって税率が変わる仕組みです。

3.仲介手数料

ほとんどの場合、不動産を売却する際には不動産会社の力を借りることになります。売却に成功したら、成功報酬として仲介手数料を支払わなければなりません。

4.印紙税

売却した不動産の売買契約書に添付する印紙代です。いくらの印紙を用意するかは、売買契約書に記載される金額によって異なりますので注意しましょう。

 

不動産を売却せず、相続させる場合のコスト

不動産を売却せずに相続させる場合には、基本的に以下のようなコストがかかります。

1.相続税

不動産を相続する人は、不動産の評価額に応じた相続税を課税されます。

2.登録免許税

相続した不動産の名義変更(相続登記)の際には、不動産の評価額の0.4%の登録免許税が必要です。

3.固定資産税・都市計画税

相続した不動産を所有している期間中は毎年、固定資産税と都市計画税が課税されます。

 

円滑な相続のためには、売却益の保管も有効

相続前に不動産を売却することにした場合、状況によっては売却益を手元に置いておく方が良いこともあります。

例えば、相続財産に占める預貯金の割合が少なく、相続時の納税資金に不安があるというケースがあるでしょう。相続税は原則として現金で納めなければなりませんから、売却益はそのまま現金の状態で持っていた方が、相続人のためになるかもしれません。

 

まとめ

相続前に不動産を売却し、現金や他の不動産に形を変えておくことは、相続税の節税対策として有効な場合があります。

ただし、本当に有効な節税対策は個々の状況によって異なりますから、本格的な行動を起こす前に一度、専門家に相談した方が無難でしょう。