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不動産の相続登記はいつまでにすべき?相続時の遺産分割や登記の期限を解説

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不動産の相続登記の期限はいつまで?

不動産は相続登記で名義変更する

相続登記とは、不動産の相続があった後、法務局で行う名義変更の手続きです。登記制度により、不動産の所有者が誰であるかは、法務局にデータとして登録されています。所有者のデータを変更するには、相続登記という手続きをとらなければなりません。

不動産の相続登記には法律上の期限はない

相続発生時の手続きには、期限があるものもあります。しかし、相続登記については、期限は設けられていません。不動産の名義が変わっても、必ずしも登記しなくてもよいことになっているからです。

相続登記をせずに不動産を放置しておく3つのデメリット

相続登記には期限はありませんが、相続登記をせずに放置しておくと、困ることがあります。相続登記をしないデメリットは、主に以下の3つです。

不動産を売却できない

亡くなった人名義の不動産は、売却できません。不動産を売却するときには、必ず現在の所有者に名義変更する必要があります。

すぐに売却する予定がなくても、将来的に不動産を手ばなさなければならない可能性はあるでしょう。相続登記には時間がかかりますから、名義変更していなければ、売却のタイミングを逃してしまうことがあります。

相続人が増えてしまう

遺産分割をせずに不動産を放置している場合、相続人全員が法定相続分で不動産を共有している状態です。相続人の中の誰かが亡くなった場合には、亡くなった人の相続人も不動産の共有者に加わります。

不動産の相続があっても何もせずにいると、相続人がどんどん増えてしまいかねません。不動産に対して権利を持つ人が増えれば、話し合いをするのも困難な状態になってしまいます。

相続登記の必要書類の入手が困難になる

相続登記の際には、亡くなった人の住所証明書として、住民票の除票や戸籍の附票を提出しなければなりません。これらの住所証明書の役所での保存期間は5年です。

相続から5年以上経ってしまうと、住所証明書が入手できず、相続登記がスムーズにできないことがあります。

 

不動産の相続登記の前に遺産分割する場合の期限は?

相続登記の前に遺産分割が必要

相続の際に遺言書が残されていなければ、相続登記をする前に遺産分割が必要です。遺産分割は、原則として、相続人全員による話し合い(遺産分割協議)で行います。

遺産分割する前の法定相続の状態を登記することも可能です。しかし、二度手間になりますから、通常は遺産分割協議で不動産を取得する人が決まってから相続登記を行います。

遺産分割にも期限は設けられていない

遺産分割にも、いつまでという期限はありません。遺産分割をしなければ、相続人全員で遺産を共有している状態が続くだけです。

しかし、不動産がいつまでも共有状態であれば、売却するのも困難になります。期限はなくても早めに遺産分割をし、不動産を取得する人を決めましょう。

相続税がかかるなら3年10か月を遺産分割の最終期限と考える

相続税がかかるケースでは、遺産分割をする際にも、相続税の申告期限を意識しておきましょう。相続税には、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減など、税金が安くなる特例があります。遺産分割が終わっていなければ、特例の適用ができません。

相続税の申告期限は、相続開始を知った日の翌日から10か月です。ただし、申告期限までに遺産分割が終わっていなくても、申告期限から3年以内に遺産分割が完了すれば、特例の適用を受けられます。

申告期限後に遺産分割を行って特例の適用を受けたい場合には、申告時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出しておきましょう。

 

不動産の相続登記は相続税申告期限までに行わなければならない?

相続登記と相続税申告はどちらが先になってもいい

相続税の申告期限までに遺産分割が終わっている場合、相続税申告の際には遺産分割協議書を添付します。相続税申告時までに、相続登記をする必要はありません。

相続登記と相続税申告の順番については、特に決まりはなく、どちらを先にしてもよいことになっています。

相続税申告時の戸籍謄本は平成30年4月以降コピーでも可

相続登記と相続税申告では、相続登記を先にした方がよいと以前は言われていました。法務局では戸籍謄本を原本還付してもらえますが、税務署では戸籍謄本の原本還付は受けられないからです。

しかし、平成30年4月以降、相続税申告時には、戸籍謄本のコピーの提出が可能になっています。現在は、相続税申告を先にしても、特に問題はありません。