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生前贈与する前に知っておきたい贈与税対策

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生前贈与の一般的なメリット

・相続財産の圧縮ができる

相続税は、原則として相続時に所有している財産に課税されます。相続税の負担を軽減するためには、相続財産の額を減らす必要がありますから、生前贈与が有効です。

・財産を譲る時期や相手を決められる

相続は自分で時期を決めることができませんが、生前贈与なら自分が好きな時期に財産を譲ることができます。贈与する相手も自由に決められますから、相続争いを防止する効果もあります。

・財産の価格を贈与時で固定できる

相続税の計算をするときには相続発生時の価格が基準になりますが、贈与税は贈与時の価格を基準として算出されます。将来値上がりすることが明らかな財産については、生前贈与を行うことで、税金の負担を軽くすることができます。

 

生前贈与をするなら贈与税対策が必須

生前贈与を行って相続財産を減らせば相続税の負担を軽くできますが、贈与時には贈与税がかかることがあります。生前贈与をする場合には、贈与税対策をしたうえで、節税になる方法で行う必要があります。生前贈与する際の贈与税対策としては、以下のようなものがあります。

・基礎控除枠を活用

最も基本的な贈与税対策は、基礎控除枠の活用です。贈与税は年間の贈与額から110万円を差し引いた額を基準に算出するため、贈与額が110万円以下なら贈与税はかかりません。贈与税は贈与を受ける人ごとに課税されますから、3人の子に贈与を行う場合には、330万円まで非課税で贈与できます。年度を分けて暦年贈与すれば、さらに大きな額の非課税贈与が可能になります。

・各種非課税特例を利用

子や孫に現金を贈与するときに利用できるのが、期間限定で設けられている各種の非課税措置(特例)です。下記のような非課税特例の条件に該当すれば、贈与税の負担なしにまとまった金額を生前贈与することが可能になります。

①住宅取得等資金贈与の非課税特例

父母や祖父母から20歳以上の子や孫に住宅の新築・取得・増改築資金を贈与する場合に、最大で1200万円(※時期等により変わる)が非課税になります。

②教育資金の一括贈与の非課税特例

父母や祖父母から子や孫に教育資金を一括して贈与する場合に、最大で1500万円が非課税になります。

③結婚・子育て資金の一括贈与の非課税特例

父母や祖父母から20歳以上50歳未満の子や孫に結婚・子育て資金を贈与する場合に、最大で1000万円が非課税になります。

 

不動産の生前贈与をする際の注意点

・不動産の贈与税対策

不動産の評価額は基礎控除額を大きく上回ることが多いので、暦年贈与による贈与税対策は向いていません。不動産の贈与税対策としては、次のようなものがおすすめです。

①配偶者控除を活用

婚姻期間20年以上の配偶者に居住用不動産を贈与する場合には、贈与税の配偶者控除が利用できます。贈与税の配偶者控除では、2000万円まで控除できるので、基礎控除と合わせて最大2110万円までが非課税になります。

配偶者控除は、居住用不動産の購入資金の贈与にも使えますが、不動産そのものを贈与する場合には、時価よりも安い相続税評価額が基準になるというメリットがあります。ただし、不動産を購入してすぐに贈与した場合には、取得資金の贈与とみなされることがあります。

②相続時精算課税を利用

相続時精算課税は、子などの将来の相続人への贈与について、贈与時に2500万円までを非課税とし、2500万円を超える部分について一律20%の贈与税が課税されるものです。相続時精算課税を選択すると、相続時には贈与額と相続額を合わせて税額を計算し、納付済みの贈与税額を差し引きして精算します。

相続時精算課税は、納税を相続時に先延ばしにするものですが、贈与時の価格が基準となるため、相続税の節税になることもあります。特に、アパートなどの収益物件については、生前贈与により家賃収入を早めに相続人に帰属させて相続財産を減らせるほか、相続人側で家賃収入を相続税の納税資金に充てられるというメリットがあります。

・不動産の贈与では他の税金がかかることもある

不動産を生前贈与した場合、贈与を受けた側には贈与税のほかに、不動産取得税もかかってきます。さらに、名義変更した場合には、所有権移転登記申請の際に、登録免許税を支払う必要があります。

相続により不動産を取得した場合には、不動産取得税は課税されません。また、相続による所有権移転登記の登録免許税は、贈与の場合よりも税率が低くなっています。不動産の生前贈与で節税効果があるかどうかは、贈与税以外にも注目して総合的に判断することが大切です。