相続税 2017.10.03

相続税と贈与税の違いとは?どちらがお得か比較してみた

記事ライター:nexy編集部

相続税と贈与税の違い

まず、相続税とは「人の死亡により」財産を相続した人に対し、課税されるものです。主に個人間の資産格差を是正する目的で課税されます。

一方、贈与税とは「生きている人から」無償で財産をもらったときに課される税金です。贈与税が無いと、どれほど莫大な財産を有していても、全額贈与してしまえば税金は一切かからないことになります。このような場合にも贈与税を課すことで、相続税逃れを防いでいるのです。贈与税は、相続税を補完するための税といえます。

このように、亡くなった人から財産を引き継いだ場合は「相続税」、生きている人から財産をもらった場合は「贈与税」が課税されるという点で、両者は異なります。

 

相続税・贈与税の税率

次に、相続税・贈与税の基礎控除額や税率についてご紹介します。

相続税

1.基礎控除額

3000万円+(600万円×法定相続人の数)

2.税率

 

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円
6億円超 55% 7,200万円

贈与税

1.基礎控除額

年間110万円

2.税率(一般税率)

基礎控除後の課税価格 税 率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

※この他にも、贈与税には特例があります。
上記の表を見ると、相続税・贈与税ともに最高税率は55%となっています。ただし、贈与税は課税価格が3000万円超で最高税率が適用されるため、一見すると贈与税の税率の方が高く見えます。

しかし、贈与税にもメリットはあります。110万円の基礎控除は、毎年リセットされるという点です。したがって、年間110万円以内であれば、何度贈与を受けても贈与税は非課税です。ただし、毎年同じ時期に同じ金額を贈与していると、一括で贈与した場合と同じとみなされることもありますので、注意しましょう。

 

どの方法が一番お得か

ここまで、相続税と贈与税の特徴についてお伝えしました。では、どのような形で財産を譲れば、最も節税効果が上がるでしょうか。以下の例をもとに検討します。

事例:Aさんは、2億円の財産を有しています。Aさんはこの財産を2人の子どもに平等に分け与えたいと思い、以下3つの方法を思いつきました。なお、この2人のほかにAさんの法定相続人はいません。

ケース1.10年間、毎年110万円ずつ贈与する

まずは、贈与税が非課税となる上限の「110万円」を10年間贈与するケースです。

10年間で贈与した金額:110万円×10年間×2人=2200万円
相続財産:2億0000万円-2200万円=1億7800万円
課税資産総額:1億7800円-3000万円-(600万円×2)=1億3600万円
1人当たりの課税資産額:1億3600万円÷2=6800万円
1人あたりの相続税額:6800万円×30%-700万円=1340万円

相続税・贈与税の合計額:1340万円×2人=2680万円(贈与税は非課税)

ケース2.10年間、毎年310万円を贈与する

次に、毎年310万円ずつ贈与した場合です。310万円までであれば、贈与税率は10%にとどまるため、お得感があります。

10年間で贈与した金額:310万円×10年間×2人=6200万円
贈与税額:(310万円-110万円)×10%×10年間×2人=400万円
相続財産:2億0000万円-6200万円=1億3800万円
課税資産総額:1億3800円-3000万円-(600万円×2)=9600万円
1人当たりの課税資産額:9600万円÷2=4800万円
1人あたりの相続税額:4800万円×20%-200万円=760 万円

相続税・贈与税の合計額:
760万円×2人(相続税)+400万円(贈与税)=1920万円

ケース3.生前贈与はせず、全額を均等に相続させる

最後に、贈与を全く行わなかった場合について検討します。

相続財産:2億0000万円
課税資産総額:2億0000円-3000万円-(600万円×2)=1億5800万円
1人当たりの課税資産額:1億5800万円÷2=7900万円
1人あたりの相続税額:7900万円×30%-700万円=1670 万円
相続税・贈与税の合計額:1670万円×2人=3340万円(贈与は無し)

この事例では、ケース2が最も節税効果が高いことが分かりました。やはり、贈与は節税に一定の効果があるようです。持っている資産によって、相続と贈与のバランスを考えていきたいですね。

 

まとめ

今回は、相続税と贈与税の違いを解説した上で、贈与は節税に一定の効果を上げることが分かりました。毎年110万円以内であれば贈与税は非課税なので、利用してみる価値はあります。

とはいえ、その人にふさわしい節税方法は、財産状況や相続人の数などにより異なります。中には住宅を譲りたい場合など、相続の方がお得な事例もあります。気になる方は、一度税理士に相談してみてください。

関連記事

相続税

相続税申告までの基本的な流れ

相続税申告までの流れ 1.死亡届の提出 相続税申告までの基本的な流れでは、まず市区町村へ死亡届の提出を行います。死亡届はできるだけ親族が提出するよう勧められていますが、たいていは葬儀社などが提出してく ...

2018/06/21

相続税

相続税が課税されるみなし相続財産とは?

課税対象の相続財産と、みなし相続財産の違い 遺産として相続されるのは、被相続人が死亡当時に所有していた財産や権利、義務などのすべてです。被相続人の財産のうち、金銭的価値に換算可能なすべての財産は、相続 ...

2018/06/20

相続税

相続税に強い弁護士に相談するメリットは?弁護士費用の内訳は?

相続税に強い弁護士に相談するメリットとは? 自分たちだけで遺産相続を完結させることには想像以上の負担がかかります。弁護士費用がかかるとしても相続税に強い弁護士に相談した方が良い理由を3つご紹介します。 ...

2018/04/24

相続税

相続税改正で何が変わった?

相続税改正で、基礎控除が大幅にダウン 今回の相続税改正によって、幾つかの運用が変更になりましたが、中でも最も影響が大きいのが「基礎控除の大幅ダウン」です。相続税は、すべての方に課税されるわけではなく、 ...

2017/10/02

相続税

相続税はいくらから課税されるのか

相続税がいくらからかかるかは、課税対象財産による 相続税の課税対象となるのは、課税対象財産です。そして、課税対象財産とは、相続財産から基礎控除額を引いた金額です。 基礎控除額の計算式は、以下の通りです ...

2017/10/02

相続税

みなし相続財産って何?

みなし相続財産は、相続税の課税対象 みなし相続財産は、厳密には相続や遺贈で取得しているものではありません。 ですが、相続税の課税にあたっては、相続財産とみなして相続税を課税することになっています。 な ...

2017/10/02

Copyright© 相続メディア nexy , 2018 AllRights Reserved.