土地・不動産 2017.10.03
相続税において、土地や建物などはどのように評価額が決まるの?
相続税の発生するタイミング、すなわち被相続人が亡くなったタイミングにおいて、土地や建物などの評価額はどのように決まるのでしょうか。土地と建物、それぞれ異なります。土地には、路線価方式と倍率方式があり、家屋は、固定資産税評価額と同額です。また、マンション等でも異なってきます。
相続税における評価額とは!?
相続税は、相続にまつわる評価額の合計で決まります。それが、預貯金などであれば、そのまま残高が評価額となります。ですが、土地や家屋などの時価がないものに対しては、評価がとても面倒です。
そこで、国税庁によって用意された計算方法が、路線価です。路線価を使えば、土地の評価を簡単に行うことができます。
例えば、国税庁のホームページから、路線価をチェックすることができます。
ホームページの路線価から、路線価をチェックします。すると、「520C」などと掲載されている場合があります。その520CのCは借地権割合なので置いておいて、520に1000をかけたものが、その1平米あたりの評価額になります。
登記簿謄本を取り寄せると、自分がどの土地を相続するのかがわかりますよ。それに加えて、固定資産税の納税通知書にも、所有している土地の面積が書いてあります。そこから、相続税における評価額を計算していきます。
路線価のある土地、ない土地
路線価がある土地と、ない土地があります。
路線価がある土地は、上述の通り、路線価に土地の面積を掛け算して、計算していけば良いだけですが、路線価のない土地は、倍率方式という方式で計算することになります。
倍率方式とは、固定資産税評価額に、地域ごとに定められた倍率をかけたものです。
そのため、ここでも、固定資産税評価額が重要になってきます。固定資産税評価額は、固定資産税の納付書を見れば、掲載されています。
地域ごとに定められた倍率も、国税庁のホームページから見ることができます。国税庁は毎年、この評価額の倍率基準を定めなおしていますので、トップページから、路線価図・評価倍率表を探し、そこから地図上における財産評価基準をチェックしていきます。
マンションの相続税評価額について
土地と建物の場合は、上述の通りの計算方式で計算していきます。ですが、昨今はマンションの相続も非常に増えました。では、マンションの相続税評価額は、どのように決まるのでしょうか。
分譲マンションは、専有部分と共有部分に分けられます。マンションの相続税評価額を計算する場合には、この共有部分も含めて考えていきます。
土地と建物ごとに分けて、全体の相続税評価額をまずは計算します。そこに、持分割合をかけていきます。持分割合は、売買契約書等に掲載されていますので、購入時の書類を確認してみましょう。また、登記簿などにも掲載されています。
土地の評価額は、上述した通り、路線価あるいは倍率方式で計算していきます。また、建物に関しては、固定資産税評価額とイコールになることも、すでにお伝えしました。
マンションの相続税評価額は、この、土地と建物を足した合計に、持分割合をかけたもので算出します。
小規模宅地等の特例を利用する
小規模宅地等の特例というものを利用すれば、さらに330平米までの土地を、8割に減額することが出来ます。
建物部分には適用されないのですが、土地の評価額を下げることができます。
マンションの場合でも、土地の部分の評価額を80%に減額することが可能となりますので、利用してみてください。
マンション一棟を保有しているケース
マンションを一棟保有している場合は、多くの場合で賃貸に出していることが多いと考えられます。
その場合は、路線価に記載された借地権割合に、30%をかけて、更に賃貸で貸している割合をかけます。賃貸で貸している割合とは、5部屋持っていて4部屋埋まっている場合は、0.8となります。
つまり、(路線価×面積)―(借地権割合 × 0.3 × 0.8)で計算できます。
借地権割合とは、路線価図に記されている記号のことで、先程の520Cの場合は、0.7となります。
この土地に、建物の固定資産税評価額を足したものが、マンション一棟の相続税評価額となります。
最終的に、土地と建物をあわせた額となるのは、マンションでも一戸建てでも同じです。
建物の部分において、固定資産税評価額が相続税評価額とみなされるのも、同様です。
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