相続放棄 2020.03.30

相続放棄で注意!管轄間違えるとヤバい件

相続はプラスの相続もあればマイナスの相続もあります。
相続財産が借金ばかりで債務超過の場合は、相続しない方が得策な場合も少なくありません。

相続放棄の手続きは裁判所で行いますが、手続きの流れや管轄をよく理解していないと思わぬトラブルが発生する可能性もありますので注意が必要です。

そこで今回は、相続放棄の手続きにおける裁判所の管轄や手続きの流れについて解説します。

記事ライター:棚田行政書士

相続放棄とはなにか

相続放棄とは相続財産が債務超過など、財産を一切相続したくない場合に家庭裁判所で行う法的な手続きです。相続放棄をすると単に財産が相続できなくなるということではなく、当初から相続人ではなかったことになるので、相続人としての一切の権利を失います。

相続放棄が受理されれば、その相続人は債権者から一切請求されません。

相続放棄の裁判所の管轄は?

相続放棄の申述をする際に間違いやすいのが裁判所の管轄です。

一般的な手続きの場合は、自分の住所地を管轄している裁判所に対して行いますが、相続放棄については原則として「被相続人の最後の住所地の家庭裁判所」が管轄となります。

間違えて別の管轄の裁判所で手続きしないよう注意しましょう。

管轄がわからない場合

相続放棄をする際に被相続人の最後の住所地の判定が難しく、裁判所の管轄がはっきりわからない場合はどうしたらよいのでしょうか。

普通に考えれば、いろいろ調べてはっきりしてから管轄の裁判所に相続放棄の申述をすればよいのですが、相続放棄には期間の定めがあるため注意が必要です。

相続人は相続が開始してから3ヶ月以内に、管轄の裁判所に対して相続放棄をしないと単純承認といって相続をする方を選択したことになってしまいます。

そのため、相続放棄の管轄裁判所がはっきりわからない場合に関しては、とりあえずここだと思う管轄裁判所を推定して相続放棄の申述をして、万が一あとで管轄違いが判明した場合は、そこから正しい管轄裁判所に移送してもらうのがよいでしょう。

必要書類がすぐに揃わない場合

相続放棄の期間は3ヶ月しかないので、気が付いた時には期限まであと数日しかないということも少なくありません。相続放棄の申述は、相続放棄申述書および戸籍謄本などの必要書類を一緒に管轄の家庭裁判所に提出する必要があります。

ただ、3ヶ月の期限まで時間がない場合については必要書類を待っていると相続放棄ができなくなってしまうため、とりあえず手元に揃っている書類だけで管轄の家庭裁判所に相続放棄の申述をして、あとから取得できた段階で速やかに残りの必要書類を提出しましょう。

相続放棄の3ヶ月という期間が過ぎてしまわないよう、差し迫っている場合はとりあえず申述しておくことをおすすめします。

 

3ヶ月の期間後の相続放棄

相続放棄は3ヶ月以内に管轄裁判所に申述するのが原則ですが、3ヶ月を過ぎてしまったからといって絶対に相続放棄ができなくなってしまうわけではありません。

例えば、相続財産が一切ないと思って何も手続きをしてなかった相続人のところへ、相続開始から4ヶ月後に債権者から借金の請求が来ることが時々あります。

これは債権者側も3ヶ月という相続放棄の期間があることを知っているため、債務者が死亡してから3ヶ月の間はあえて請求をせずに息をひそめているのです。

そして相続人が相続放棄をできなくなる3ヶ月が経過してから、堂々と相続人に対して請求をしてくるわけですが、このような場合でも返済に応じなければならないのでしょうか。

弁護士に相談すべき

3ヶ月が経過してから借金の存在が発覚した場合でも、弁護士に相談して管轄裁判所に掛け合ってもらえば相続放棄が認められる可能性があります。

裁判所の見解でも3ヶ月を経過した案件でも、相続放棄が認められる場合があるとの見解を出しているので諦める必要はありません。

ただ、必ず認められるというわけではなく、上記事例のように相続財産を調査してもわからなかったような借金が新たに発覚した場合など、一定の事情があるケースで可能になるようです。

過去の判例でも3ヶ月の起算点について、「相続人が相続財産の全部もしくは一部の存在を認識した時または通常これを認識しうべかりし時」と解釈しており、3ヶ月経過後でも相続放棄が認められる可能性があることがわかります。

いずれにしても3ヶ月経過後の相続放棄は事情が差し迫っている可能性が高いので、できる限り早めに弁護士に相談して管轄裁判所に掛け合ってもらいましょう。

 

まとめ

相続放棄は3ヶ月という期間のある手続きなので、管轄裁判所など間違えないようできるだけ早い段階から手続きをする必要があります。

ただ3ヶ月経過後でも例外的に認められる場合もあるので、あとから借金が発覚した場合はできる限り早めに弁護士に相談しましょう。

関連記事

相続放棄

相続放棄をしても保険金は受け取れるのか

相続放棄とはなにか 相続放棄というと財産を一切相続しないことだと思っている人がいるのですが、実は少しニュアンスが違います。正確にいうと相続放棄とは、遡って相続人ではなかったことにするための手続きのこと ...

2020/06/18

相続放棄

相続放棄をすれば固定資産税を回避できるのか

固定資産税とは? 固定資産税とは土地などの固定資産に課税される税金で、毎年1月1日時点の所有者に対して課税される税金です。自治体にもよりますが、6月頃に納税通知書が届き一括か4分割にて納税をすることに ...

2020/05/25

相続放棄

相続放棄は家庭裁判所でする?正しいやり方と注意点について解説

相続放棄と相続分の放棄の違いとは 相続放棄というと遺産を一切相続しないことだとイメージする方が多いのですが、ある意味それも間違いではないのですが正確にいうとちょっと違います。 例えば相続財産として預金 ...

2020/03/23

相続放棄

遺産放棄とは何か?

いつまで遺産放棄を決めるのか? まず大事な話になりますが、人が亡くなった時点で、その人が持っていた財産全ては、法定相続人全員の「共有財産」になります。「共有財産」ですから、誰かが勝手に使ったり、あるい ...

2017/10/03

相続放棄

遺産相続を放棄するとは何か?

遺産相続の意味は? 「遺産相続」という言葉を何気なく使っていますが、なぜ「遺産」を相続する必要があるのでしょうか?まず、この点から考えてみましょう。 日本の民法では、自分のものは自由に処分できるという ...

2017/10/03

相続放棄

遺産を放棄するための手続きはどのようなもの?自分でもできる?

遺産を放棄したいと考えたとき 家族が亡くなり、自分に遺産が残されたとします。ですが、負債が資産を上回っていて、その遺産を受け継ぎたくないと思うとき。 また亡くなった親族となんらかの人間関係上のこじれが ...

2017/10/03

Copyright© 相続メディア nexy , 2020 AllRights Reserved.