相続税 2017.11.23

株を相続するときの相続税に関する基礎知識

人が死亡した際に、相続の対象となる財産は様々あります。その中でも相続税の計算などにおいて注意しなければならないのが「株」です。株についても相続税の課税対象となりますが、一体どのように計算して課税されるのでしょうか。

そこで今回は、株を相続する場合の相続税の基礎知識について解説します。

記事ライター:棚田行政書士

上場株式を相続する場合の相続税について

最近では、スマホなどでも株取引が可能になったため、若い人でも株を持っている人たちが沢山いることと思います。では、株を持っている人が亡くなられた場合、株に関する相続税はどのようにして課税されるのでしょうか。

東京証券取引所などに上場されている株のことを上場株式といいます。上場株式を相続する際には、死亡した日を基準として、以下の4つの金額のうち最も低い金額で評価して計算をします。

1:前々月の終値の月平均値
2:前月の終値の月平均値
3:当月の終値の月平均値
4:課税時期の終値

株式の相続税を計算する際には、できる限り評価額が低いほうが発生する相続税が減ることになります。

また、相続ではなく負担付贈与や生前の個人間売買で取得した場合は、それらの行為のあった日の取引価格によって評価します。上場株式の場合はその日の証券取引所の終値、公開途上にある株式(気配相場のある株式)の場合は、その株式の公開価格、公募価格、公表された取引価格を評価額とします。

上場株式のように、市場取引相場のある株式の場合は、株式の評価方法を限定してしまうと、万が一突発的な経済情勢の影響で、一時的に株価が高騰した場合に、不自然に高い評価額で評価して相続税を払わなければならなくなってしまうため、幾つかの候補の中から最も低い値を評価額としているのです。

 

上場していない株式はいくらで評価して相続税を計算する?

上場株のように市場取引相場がある株の場合は、ルールに則って評価額を調べるだけなので比較的簡単にわかります。ですが、中小企業の株式の場合は市場取引相場がないため、株式の評価が複雑になります。

相続税を計算するための株の評価方法については、相続する人の持株割合に応じて、次の2つの評価方法のいずれかによって評価をします。

1:特例的評価方式

一般的には配当還元方式といい、配当率によって株の評価額を算出します。
具体的には次のような計算式によって、評価額が決まります。

券面額×過去2年間の年平均配当率×10=1株あたりの配当還元価額

2:原則的評価方式

会社の規模に応じて、類似業種比準価額方式と純資産価額方式の2種類に分かれます。

類似業種比準価額方式

相続税の計算においては、大会社の株式を評価する際に用いる方法です。業種が似ている上場企業の平均株価を参考に、評価する中小企業の実績を比較しながら評価額を算出します。具体的には、1株あたりの配当金額、利益金額、純資産価額などを比較して評価額を算出します。

純資産価額方式

規模の小さい小会社の株式評価の際に用いる方式です。
具体的には次のような計算式によって、評価額を算出します。

1株あたりの純資産価額=(資産の合計額−負債の合計額−評価差額に対する法人税額等相当額)÷発行済み株式数

なお、中会社の株式については、類似業種比準価額方式と純資産価額方式の併用で行います。

非上場株式の相続については、相続税の計算のための株式評価がとても大変なので、できる限り税理士に相談して任せることをおすすめします。

 

相続税を節税するための、株価対策とは?

中小企業の株式相続については、株主が死亡した時の会社の業績などが株価に影響を与える可能性があります。業績が良い時にたまたま相続が発生すれば、株式に対してとても高い相続税が発生する可能性があります。

そこで中小企業の場合は、あらかじめ相続税の節税対策として、株価が上がりすぎないよう対策をとります。これを株価対策や株価引き下げ対策などと言います。

できる限り早い段階で弁護士や税理士に相談すれば、相続発生時の評価額を効果的に抑え、株式の相続税対策を行うことができるでしょう。

 

株にかかる相続税は、慎重に計算しましょう

株式の相続税については、油断をしているとかなりの額で評価されてしまう可能性があります。できる限り早い段階で専門家に相談をして、どの評価方法によって株式を評価するのかについて、じっくり話し合って決めることが大切です。

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