相続税 2018.03.18

相続税に関係する遺産分割協議書の作成方法

相続税の控除額以上の遺産を相続した人には、相続税を納める責任があります。相続税の計算においてとても重要な役割を持つのが、遺産分割協議書です。

どの相続人がどれくらい遺産を相続したのかがはっきり分かるように遺産分割協議書を作成することで、相続税の計算もスムーズになります。ここでは、相続税と深く関係する遺産分割協議書の作成方法について解説します。

記事ライター:棚田行政書士

相続税において重要な「遺産分割協議書」とは

相続税に関係する遺産分割協議書とは、遺産分割協議において決定した遺産分割方法や話し合った内容などを記載した書類です。法定相続分に従って相続する場合でも、相続税と関係の深い遺産分割協議書の作成は行った方が良いでしょう。

遺産分割協議書の作成は法的な義務ではありませんが、不動産の登記など相続財産を取得する際の手続きでは提出を求められる書類です。遺産分割協議書がないと、手続き自体が進まないことになります。

遺産分割後の相続人のトラブルに備える意味でも、遺産分割協議書の作成は是非とも行うべきことと言えるでしょう。

さらに相続税は、相続人が相続する遺産の額に応じて算出されるため、相続税の正しい計算という意味においても、遺産分割協議書は非常に大切です。

 

相続税に関係する遺産分割協議の手順

相続税に大きく影響する遺産分割協議書は遺産分割協議で作成されますので、まずは遺産分割協議まで漕ぎ着けることが必要です。遺産分割協議書作成までの手順は、次の通りです。

1.相続人の範囲の確定

被相続人の戸籍すべてを取得して、他に相続人がいないかを調査します。他に相続人はいないはずだと決めつけて後になって相続人が現れてしまうと、遺産分割協議書を作成し直す必要が出てきます。

2.相続財産の調査

被相続人が所有していたすべての財産を調査します。ここで調査に漏れがあり遺産分割協議書作成後に財産が見つかってしまうと、遺産分割協議がやり直しになる場合があります。

3.遺産分割協議の実施

1.2の段階を踏んだら、いよいよ遺産分割協議の実施・遺産分割協議書の作成です。相続人全員と連絡を取りすべての相続人の合意が得られるまで、何度も遺産分割協議を繰り返します。

話がまとまらない場合は家庭裁判所の調停で、調停でも解決できない場合は審判で遺産分割方法を決めます。

 

遺産分割協議書の作成方法

遺産分割協議に決着が着いたら、その内容を遺産分割協議書にします。

相続税に大きく関係する遺産分割協議書ですが、規定の書式はなく必要事項がきちんと明記されていれば、自由な書式で作成できます。ポイントは、相続税を納める相続人がどの遺産をどれくらい相続するのかが明白であることです。

まずは、遺産分割協議書のタイトルを書きます。そのまま「遺産分割協議書」と書けば大丈夫です。

次に、被相続人の氏名と死亡の年月日、相続税を納める相続人の名前と「下記の通り遺産分割を行う」などの一文を書きます。

そして相続人ごとに、相続する遺産の詳細情報を記載します。

例えば、次のように記載できます。

・相続人○○と○○は、次の遺産をそれぞれ2分の1ずつ取得する。

東京都○○区○○1丁目2番3号 宅地 230平方メートル
上同所同番地所在 家屋 木造瓦葺二階建て居宅1棟
床面積1階80平方メートル 2階60平方メートル

・相続人○○は、次の遺産を取得する。

○○銀行 ○○支店 定期預金 口座番号○○ 2,000,000円

・相続人○○は、1に記載の遺産を取得する代償として、○○に対し平成〇年〇月〇日までに金5,000,000円を支払う。

・本協議書に記載のない遺産、および後日判明した遺産については、○○がすべてを取得する。

不動産や土地は、登記簿に記載のある通りに記入しましょう。預金を相続する場合は、口座番号や残高までをはっきり記載します。代償分割があった場合には、代償とする金額や支払いの期日も明記します。

遺産分割協議書を作成した後に遺産が見つかる場合もあるので、遺産を誰がどうするかについても記載しておくことが望ましいです。

ここまでを記入したら、遺産分割協議の成立と、遺産分割協議書を何通作成するかについて記載し、すべての相続人の署名・押印をして完成です。

遺産分割後は、速やかに相続税を納めましょう。もし、相続税を納めるためのお金が無くなってしまった場合は、何年かに分けて相続税を納めたり、相続した財産そのもので相続税を納めたりする物納制度を利用することもできます。

相続税の分納、物納を希望する場合は、相続税申告書の提出期限までに税務署へ申請する必要があります。

 

まとめ

各相続人が正しい相続税を納めるために、遺産分割協議書は必要です。遺産分割協議書の内容が不十分または間違っていると、相続税を納め過ぎたり、相続税を過少に納めたりしてしまう可能性があります。

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