相続税 2018.04.03

弔慰金に相続税はかかる?

遺産相続において相続税を課される財産は様々です。原則として、被相続人が生前に形成した財産、または被相続人の死亡によって得ることのできた財産に関して、相続税が課されます。
被相続人の死亡によって得る財産には、弔慰金など、相続税の課税対象なのか、よく分からないお金もあるでしょう。ここでは、遺産相続において弔慰金は相続税がかかるのか、相続税のかかる財産とかからない財産は何かについて紹介します。

記事ライター:棚田行政書士

遺産相続における弔慰金とは?

弔慰金とは、亡くなった人を弔うと同時に、その遺族を慰めるために支払われる金銭を指しています。

弔慰金に相続税が課されるかという観点で考えると、弔慰金は被相続人が生前に形成した財産ではないため、原則として相続税を課される財産とはなりません。

しかし、弔慰金の金額や受け取った状況によっては、弔慰金も「みなし相続財産」とされ、相続財産ではないものの相続税を課される場合があります。

 

相続税がかかる弔慰金の条件とは

次の条件に当てはまる弔慰金を受け取った場合には、相続税が課されます。

1.被相続人の雇用主などから、弔慰金などの名目で受け取った金銭などのうち、実質上退職手当金等に該当すると認められる弔慰金
2.被相続人の死亡が業務上の死亡であり、被相続人の死亡当時の普通給与の3年分に相当する金額を超える弔慰金を得た場合
3.被相続人の死亡が業務上の死亡ではなく、被相続人の死亡当時の普通給与の半年分に相当する金額を超える弔慰金を得た場合

「普通給与」とは、俸給、給料、賃金、扶養手当、勤務地手当、特殊勤務地手当などの合計額を指しています。

労災による死亡の場合は給料の3年分以上の弔慰金、労災によらない死亡の場合は給料半年分以上の弔慰金をもらうと、相続税がかかってしまうことになります。

 

相続税のかかる財産とは?

遺産相続において相続税の課税対象となる財産は、非常に細かく規定されています。相続税のかかる主な財産は不動産や現金、相続開始3年以内の生前贈与財産など、分かりやすいものです。

しかし、相続税のかかる財産の中には、少し解釈が難しいものもあります。例えば、弔慰金のように本質的には相続財産ではないものの、被相続人の死亡によって得た財産とみなされることで相続税を課される「みなし相続財産」という財産があります。

弔慰金など、みなし相続財産と呼ばれる財産の代表的なものには、被相続人の生命保険金があります。ただし、生命保険金の場合、被相続人の死亡によって支払われる保険金のうち被相続人が保険料を負担していた部分に限定して、みなし相続財産とされます。

死亡退職金や功労金なども弔慰金と同様、相続税課税対象のみなし相続財産です。これらについては、被相続人の死亡後3年以内に支給されることが確定した場合に限り、弔慰金のようにみなし相続財産とされます。

さらに、まだ保険事故が発生していない生命保険金や、給付事由が発生していない定期金に関する権利も弔慰金と同様、相続税の課税対象のみなし相続財産となります。

残念ながら弔慰金にはありませんが、被相続人の死亡をきっかけとして支払われる生命保険金や死亡退職金、功労金には、いずれも「500万円×法定相続人の数」で割り出される非課税枠があり、これを超えた分に関してのみ相続税が課されることになります。

 

相続税がかからない財産とは?

相続税がかからない財産とはどのようなものでしょうか?法律によって相続税の課税対象外とされている財産には、お墓の土地や墓石、仏壇や位牌、仏像や神棚などの礼拝道具があります。

日本人が持つ、日常的に祖先を祀る習慣を尊重するという意味で、相続税の課税対象外とされています。注意したい点として、純金の仏像や高価な素材で作られた神具など、財産としての価値の高いものは、相続税の課税対象とされてしまいます。

相続税のかからない財産の他のものは、相続税の申告期限までに国や地方公共団体などへ寄付した分の財産です。公益のために寄付された財産なので、当然相続税は非課税です。

さらに、社会福祉事業や更生保護事業、学校などの公益性の高い事業を行っている人がそれらの事業を行うために相続した財産も、相続税の課税対象にはなりません。心身障害者扶養共済制度に基づく給付金の受給権なども、相続税の課税対象外となります。

 

まとめ

弔慰金は相続財産ではないものの、金額次第では「みなし相続財産」とされ、相続税を課されてしまいます。弔慰金が一定の金額を超えている場合には、弔慰金についても相続税申告に含めることを忘れないようにしましょう。

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