相続税 2020.06.30

相続税の脱税は絶対にダメ。ペナルティと税務調査について

相続税の節税対策はとても重要ですが、中にはエスカレートしすぎて脱税になってしまっている人が時々います。節税と脱税は一文字違いですが全く意味が違いますので、絶対に一線を超えてはいけません。
そこで本記事では、相続税を脱税した場合のペナルティや税務調査について解説します。

記事ライター:棚田行政書士

相続税の節税と脱税の違い

相続税の節税とは、生前贈与などで相続財産を減らしたり、資産を組み替えて相続税評価額を引き下げたりといった合法的な対策を行うことです。対して相続税の脱税とは、次のような非合法的なやり方で相続税から逃れることをいいます。

財産隠し

相続税を安く抑えるために、本来は存在する財産を相続税申告書に記載しないまま申告をするという方法で脱税するケースがあります。

このパターンで特に多いのがタンス預金を使った脱税です。

本来高額なお金は銀行に預けておくはずですが、相続税を脱税する目的で現金を自宅のタンスや金庫などに隠してしまうのです。

銀行にお金を預けていなければ、脱税してもバレないと思っている人がよくいるのですが、実際は高額なタンス預金についてはかなり高い確率で税務調査によって発覚します。

ではなぜ脱税がバレてしまうのでしょうか。

所得は税務署に把握されている

税務署は相続税の脱税を防ぐために、管轄している地域の納税者の所得情報を確定申告などの情報から吸い上げて細かく管理しています。脱税がバレるポイントは、生前の年収と相続財産とのギャップです。

例えば、生前に年収3,000万円あった人の相続税申告で相続財産が2,000万円という申告だったら、普通に考えて怪しいと思いますよね。税務署もこのように生前の年収と比較して、あまりに相続財産が少ない場合は隠していると推定して税務調査の対象にしてくるのです。

タンス預金はバレる

仮に税務署に疑われたとしても、自宅の床下などに隠しておけば脱税はバレないと思っている人もいるようですが、税務署はそんなに甘くありません。税務署は自宅に現金を隠す人の手口を熟ししているので、財産隠しに確信があるような場合はほぼ確実に見つかります。

では、万が一税務調査で相続税の脱税が発覚すると、どのくらいのペナルティが課されるのでしょうか。

 

相続税を脱税した場合のペナルティ

相続税の脱税がバレた場合は、申告すべき相続税に加えて次の税金も上乗せして課税されます。

無申告加算税

相続税を期限が過ぎても申告をしなかったことに対して課税される税金で、税率は次のように状況によって異なります。

・税務調査が入る前に自分から自主的に申告した場合:税率5%
・税務調査を受けた後に申告した場合:税率15%(納付税額が50万円を超える部分については20%)

延滞税

相続税の納税を延滞したことに対する利息のことで、税率は次の通りです。

・延滞期間2ヶ月以内:税率 年2.6%
・延滞期間2ヶ月以上:税率 年8.9%
※2019年1月1日から2020年12月31日までの期間

延滞日数が増えれば増えるほど、延滞税の負担が増えるので脱税することに何のメリットもありません。

重加算税

脱税の手口が悪質だと判断された場合は、さらに重いペナルティである重加算税が課税されます。重加算税の税率は次のように非常に高いです。

脱税で相続税申告をしなかった場合:相続税総額の40%
上記以外:納付した相続税額の35%

このように非常に重い罰則があるので、脱税行為は絶対にやめましょう。

 

相続税の時効

相続税の脱税は絶対にダメですが、相続税が非課税だと考えて善意で申告していなかった人については、5年で時効にかかって消滅します。対して、脱税する目的で申告をしたいなかった人については5年ではなく7年で時効にかかります。

税務署はそこまでの間に必ず脱税を見つけて税務調査に来ますので、意図的に脱税するのは絶対にやめましょう。

 

贈与の不成立に注意

万が一相続税で税務調査が入った場合、注意しなければならないのが贈与の不成立です。

生前贈与していたつもりでも、贈与契約書がなかったり、名義預金の指摘を受けたりして贈与が認められず、相続財産として扱われるケースが時々あります。

そうなると予想以上の相続税を課税されることになりますので、事前に税理士と打ち合わせをするなどして適切な対策をとることをおすすめします。

 

まとめ

相続税を脱税すると無申告加算税、延滞税、重加算税といった非常に重いペナルティが課されます。7年間で時効消滅するとはいえ、税務調査を免れることはほぼ不可能ですので、脱税ではなく節税を徹底して税負担を軽減したほうが賢いでしょう。

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