相続税 2020.09.16
相続税早表で相続税額が丸わかり
自分の家庭に相続税がいくら課税されるのか計算してみたいけれど、なんだかやり方がよく分からない、という方にオススメなのが相続税早見表です。
相続税早見表を見れば、細かい計算をしなくても、凡そ自分に課税される相続税がいくらになるのかシミュレーションできます。
そこで本記事では、相続税早見表を見ながら、世帯別の特徴や必要になる対策について詳しく解説したいと思います。
パターン1:配偶者がいるケースの相続税早見表
相続が発生した際に、被相続人の配偶者が存命の場合、以下の相続税早見表を見ることで大体の金額がわかります。
【相続税早見表:配偶者と子供のケース】
相続額 | 配偶者+子供1人 | 配偶者+子供2人 | 配偶者+子供3人 | 配偶者+子供4人 |
4,000万円 | – | – | – | – |
5,000万円 | 40万円 | 10万円 | – | – |
6,000万円 | 90万円 | 60万円 | 30万円 | – |
7,000万円 | 160万円 | 113万円 | 80万円 | 50万円 |
8,000万円 | 235万円 | 175万円 | 138万円 | 100万円 |
9,000万円 | 310万円 | 240万円 | 200万円 | 163万円 |
1億円 | 385万円 | 315万円 | 263万円 | 225万円 |
1億5,000万円 | 920万円 | 748万円 | 665万円 | 588万円 |
2億円 | 1,670万円 | 1,350万円 | 1,218万円 | 1,125万円 |
2億5,000万円 | 2,460万円 | 1,985万円 | 1,800万円 | 1,688万円 |
3億円 | 3,460万円 | 2,860万円 | 2,540万円 | 2,350万円 |
3億5,000万円 | 4,460万円 | 3,735万円 | 3,290万円 | 3,100万円 |
4億円 | 5,460万円 | 4,610万円 | 4,155万円 | 3,850万円 |
4億5,000万円 | 6,480万円 | 5,493万円 | 5,030万円 | 4,600万円 |
5億円 | 7,605万円 | 6,555万円 | 5,963万円 | 5,500万円 |
このように相続税は相続人の人数によってかなり違ってきます。
なぜなら相続税の基礎控除額は次の計算式で算出するからです。
相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の人数分
よって、相続人が1人増えることで600万円の基礎控除が上乗せされるので、子供が多いご家庭の方が相続税は低くなります。
例えば、子供1人で6,000万円を相続した場合、90万円の相続税が課税されますが、子供が4人いる場合は相続税が非課税です。
相続人が5人いる場合、基礎控除額は6,000万円にもなるため、かなりの節税効果があります。
配偶者がいる相続税早見表の特徴
配偶者がいる相続を一次相続といい、相続税は低く抑えられます。これは、配偶者が相続する場合に「配偶者の税額軽減」という特例制度が利用でき、1億6,000万円か法定相続分のいずれか高い金額まで相続税がかからないからです。
よって、配偶者がいる相続ではできるだけ配偶者に多くの遺産を相続させた方が、相続税負担を軽く抑えられます。
ただ、あまり偏った相続の仕方をすると次にご紹介する二次相続で大きな痛手を受けることになるため注意が必要です。
パターン2:配偶者がいないケースの相続税早見表(二次相続)
配偶者が死亡して二次相続が発生した場合に課税される相続税早見表は以下の通りです。
【相続税早見表:配偶者と子供のケース】
相続額 | 子供1人 | 子供2人 | 子供3人 | 子供4人 |
4,000万円 | 40万円 | |||
5,000万円 | 160万円 | 80万円 | 20万円 | – |
6,000万円 | 310万円 | 180万円 | 120万円 | 60万円 |
7,000万円 | 480万円 | 320万円 | 220万円 | 160万円 |
8,000万円 | 680万円 | 470万円 | 330万円 | 260万円 |
9,000万円 | 920万円 | 620万円 | 480万円 | 360万円 |
1億円 | 1,220万円 | 770万円 | 630万円 | 490万円 |
1億5,000万円 | 2,860万円 | 1,840万円 | 1,440万円 | 1,240万円 |
2億円 | 4,860万円 | 3,340万円 | 2,460万円 | 2,120万円 |
2億5,000万円 | 6,930万円 | 4,920万円 | 3,960万円 | 3,120万円 |
3億円 | 9,180万円 | 6,920万円 | 5,460万円 | 4,580万円 |
3億5,000万円 | 1億1,500万円 | 8,920万円 | 6,980万円 | 6,080万円 |
4億円 | 1億4,000万円 | 1億920万円 | 8,980万円 | 7,580万円 |
4億5,000万円 | 1億6,500万円 | 1億2,960万円 | 1億980万円 | 9,080万円 |
5億円 | 1億9,000万円 | 1億5,210万円 | 1億2,980万円 | 1億1,040万円 |
先ほどの配偶者がいる場合の相続税早見表と比較しても分かる通り、配偶者がいない二次相続の相続税早見表では、課税される相続税が高くなります。
理由は配偶者の税額軽減が使えないからです。
配偶者がいる一次相続の相続税早見表では、配偶者が相続する部分の相続税がほとんど非課税になるので、全体として課税される相続税の総額が低くなります。
ところが、二次相続の相続税早見表になると配偶者の税額軽減は使えないので、同じ相続財産でも課税される相続税が高くなるのです。
以上のことから、一次相続の際の遺産分割についてアドバイスをします。
まとめ:一次相続で配偶者に相続させすぎない
2つの相続税早見表を比較すると分かる通り、節税効果が高いのは配偶者がいる一次相続であることに間違いありませんが、あまり多くの財産を配偶者に相続させすぎると結局二次相続の際の相続税としてのしかかってきます。
大切なことは二次相続をイメージした上で、一次相続における配偶者の取得金額を考えることです。これをしないまま、配偶者の税額軽減を使い切ることだけ考えると、二次相続で高額な相続税負担を強いられることになりますので注意しましょう。
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