相続税 2020.09.23

相続税のお尋ねってなに?

相続税申告をせずに放置していると、しばらくして税務署から相続税の「お尋ね」が届くことがあります。
中には無視する人もいるようですが、実際どのように対処する必要があるのでしょうか。
本記事では、お尋ねの意味や対処法などについて詳しく解説します。

記事ライター:棚田行政書士

相続税のお尋ねってなに?

お尋ねとは税務署から届く書類で、見た目は手紙のようなものですが甘く見て無視していると面倒なことになるため注意が必要です。お尋ねには大きく分けて2つの種類があります。

お尋ねケース1:相続税申告のお知らせ

亡くなられて数ヶ月が経った頃、税務署から届くお尋ねには相続税申告を促すものがあります。具体的には次のような感じです。

お尋ねの文例:

お亡くなりになられた方の遺産の総額が基礎控除額を超えた場合、その方から相続や遺贈によって財産を取得された方は亡くなられた日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告と納税が必要になります。

つきましては、他の相続人の方々へもご連絡の上、同封の相続税の申告の仕方により申告と納税の必要があるかどうかを確認され、同封の書類に記載して相続税申告書または相続についてのお尋ねを提出してください。

要するに、相続税申告と納税を期日までにすることと、相続税が発生しないのであれば相続財産の額を教えてください、という内容の手紙です。

この時点では特に問題はありませんので、手紙に気が付いた時点で処理をすればなんら問題はありません。

お尋ねの書き方

お尋ねについては基本的に事実をそのまま記載します。

事実と異なることがあとでわかると、重加算税などの可能性も出てきますので、絶対に虚偽の記載をしてはいけません。

記載する事項は主に以下の項目です。

・亡くなられた方の氏名
・法定相続人の氏名
・不動産
・株式
・現預金
・生命保険金
・退職手当金
・その他の財産
・亡くなる前3年以内の贈与
・葬儀費用
・借金等
・税金の滞納
・遺産の総額
・相続税申告の必要性

このように相続税を計算するために必要な情報を人通り記載する必要があります。

これらが把握できていないということは、相続税が課税されるかどうかを自分自身で理解できていないということなので、すぐに確認してお尋ねに記載しましょう。

もしも相続税が発生するようであれば、すぐに相続税申告の準備をしなければなりません。

お尋ねケース2:相続税発生しているはずですが

相続発生からしばらく経過してから届くお尋ねです。はっきりいうと、相続税申告を怠っていませんか?というお尋ねです。

そもそも税務署は生前にいくらの所得を得ているのかを把握していますから、それらの情報からおよその遺産総額も把握しています。

つまり、亡くなった場合に相続税が発生する人なのかそうではないのかの目星がついているので、発生すると予想していた人の相続人から期日までに相続税申告がないと、怪しいと認識してお尋ねを送付してくるのです。

相続人によっては無視する人もいるのですが、この段階のお尋ねを無視すると大変なことになります。

お尋ねを無視するとその後どうなる?

お尋ねを無視し続けると、最終的には税務調査に入られることになります。そもそも税務署がお尋ねを送ってきているということは、相続税の納税が必要だということがバレているということなので、無視をしても意味がありません。

すぐに対処して申告したほうが、追加で納税することになる金額も少なくて済みますので、お尋ねが届いた場合はすぐに対処しましょう。

 

タンス預金は無駄です

自宅に現金を隠しておけばバレない、と思っている人が時々いますが、残念ながら税務署は所得の動きを把握していますのでどこに隠そうが必ずバレます。

税務調査が入ると、亡くなった方が稼いでいたお金がどこに消えたのかを徹底的に確認されますので、適当な言い訳は通用しません。

税務署は亡くなった方はもちろんの事、相続人や家族の銀行口座の履歴についても、過去何年にもわたって確認をするので、税務調査が入った段階で追徴課税はほぼ免れないのです。

 

まとめ

相続税のお尋ねが届いたら、最初の段階ですぐに対処することがとても大切です。

税務署側は相続の際に過去の贈与税の申告漏れなどもまとめて指摘しようと思っているので、相続における税務調査は厳しく監視しています。

逃れることは難しいので、相続税が発生する場合は必ず期日までに申告することを心がけましょう。

関連記事

相続税

相続した家。長く住み続けると自分のものになる?

遺産分割が終わってない実家は誰のもの? 亡くなった人が所有していた財産は、遺産分割が終わるまでは相続人全員のもの。 相続人全員で遺産分割協議を行い、誰がどの財産を相続するかを決めた上で、名義変更を行わ ...

2022/04/18

相続税

故人の電子マネー残高が100万円!相続できる?

故人の電子マネーに高額が残っているかも!? 相続が発生したときには、亡くなった人の財産について、相続人が引き継ぐ手続きをしなければなりません。そのために、まずは相続人の残したすべての財産を洗い出す必要 ...

2022/04/11

相続税

養子を増やしたて節税したい!デメリットはある?

養子は実子と同じ相続権を持つ 日本には養子縁組の制度があり、血のつながった実の子供以外に、法律上の子供である養子を作ることができます。跡継ぎがいないなどさまざまな理由で、養子縁組は昔から行われてきまし ...

2022/03/25

相続税

相続税改正で何が変わった?

相続税改正で、基礎控除が大幅にダウン 今回の相続税改正によって、幾つかの運用が変更になりましたが、中でも最も影響が大きいのが「基礎控除の大幅ダウン」です。相続税は、すべての方に課税されるわけではなく、 ...

2017/10/02

相続税

相続税はいくらから課税されるのか

相続税がいくらからかかるかは、課税対象財産による 相続税の課税対象となるのは、課税対象財産です。そして、課税対象財産とは、相続財産から基礎控除額を引いた金額です。 基礎控除額の計算式は、以下の通りです ...

2017/10/02

相続税

みなし相続財産って何?

みなし相続財産は、相続税の課税対象 みなし相続財産は、厳密には相続や遺贈で取得しているものではありません。 ですが、相続税の課税にあたっては、相続財産とみなして相続税を課税することになっています。 な ...

2017/10/02

Copyright© 相続メディア nexy , 2024 AllRights Reserved.