土地・不動産 2017.10.03

農地を相続するときは、手続きを行わなくて良いものと、行うべきものがある

一般に、農地というのは少し特殊な扱いをされます。農地を他の人に売る、譲り渡すなどの場合に、農地法という法律によって許可が必要なのです。なぜなら、簡単に他人に売ることができると、農業を辞めてしまう人が続出し、食料自給率に支障が出るため、簡単には売れなくなっています。ですが、農地を相続するときは少し話が別です。農地法の許可が不要なのですが、農業委員会に届け出が必要になりました。

記事ライター:nexy編集部

農地法の許可がいらない、農地の相続

農地の相続に、農地法の許可がいらないのは先程お伝えしたとおりです。

農地は、人に売るとき、譲渡するときなどは農地法の許可が必要です。ですが、持ち主が亡くなることによって相続が発生した場合は農地法の許可が不要なのです。

遺産分割協議を行って、一人の人が相続したとします。その場合において、農地法の許可はいりません。

たとえば、都会でサラリーマンをしている人が、田舎の親名義の土地を相続で受け継いだとしても、農地法は関係ないのです。農地法は、農地を減らさないという目的のために存在しています。これでは少々おかしいと思われるかもしれませんが、法律上、遺産分割において農地法の許可が不要になっていますので、とくに問題ありません。

ですが、相続人以外の方が、農地を受け取る場合。たとえば遺言などによって、相続人でない人が農地を継承する場合は、農地法の許可がいるという流れです。

 

農業委員会への届け出をする必要がある

農地法の許可は不要なのですが、農業委員会への届け出は必要です。

農業委員会には、相続発生時点より10ヶ月の間に届け出る必要があります。10ヶ月を超えても届け出なかった場合、10万円以下の罰金が待っています。

耕作放棄地という、農地の持ち主が誰かわからない状態になった農地が多くなってきてしまったことから、農業委員会への届け出が必ず必要、という流れになったのです。耕作放棄地は問題なので、国も重視しています。そのため、農地を相続する場合は、早めに農業委員会への届け出が必要です。

 

農地の相続税に特例あり

では、農地を相続した場合、どのような相続税および特例になっているのでしょうか。例外はあるのでしょうか。

まず、農業を続けていく場合は、特例があります。

農地の価格の中で、投資額を超える部分には、相続税を課さないというルールです。正確には、相続税が猶予されます。

新しく設備投資等を行って農業をするのであれば、相続税は猶予されるので、積極的な設備投資と新しい農業をバックアップしてこうという税制です。

猶予、ということは、期限があります。

相続人が死亡するまで、そして20年間農業を続けた場合、さらに、後継者に一括生前贈与し、かつ納税猶予の特例を贈与税から受ける場合、等の場合に、猶予がなくなります。

農地はさまざまな法律や税制が絡んだ複雑な制度を背景にもっていますが、どれも、日本の食料受給率を守るためには、仕方のないものです。

 

農地の相続は、相続税がかかるし、他の相続財産とのからみも発生

農地の相続においては、単に不動産の土地を取得したときと同様、相続税がかかります。上述したように猶予がありますが、他の相続財産とのからみもありますが、いずれにせよ、他の相続財産とまとめて、相続税の処理を行う必要があります。

一般的に考えると、誰かが亡くなったとき、農地の他にも、土地、現金、有価証券、住宅、車などのその他の相続財産も残されます。よって、農地だけを相続するということは、ほぼえりません。残っている遺産の全貌を確認しながら、その他の遺産とあわせて、農地を受け取っていく必要があるでしょう。

 

農業委員会への届け出には何が必要?

農業委員会への届け出を出すには、一体なにが必要なのでしょうか。

・氏名、住所
・土地の所在地
・農地取得日
・取得理由
・農地の種類
・農業委員会のあっせん希望

などを届出書に書きましょう。これは、農業委員会の窓口にあります。

売買や貸借には許可が必要ですが、許可と届け出は違います。相続の場合は、本人たちが望んで相続を行ったわけではなく、亡くなるという自然のなりゆきでの名義変更ですので、あまり干渉されません。届け出だけでいいので、農地を受け継いだ場合は早めに届け出を出しましょう。ペナルティもありますので、注意してください。10ヶ月以内をしっかり覚えて、しかるべき届け出を行いましょう。

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