遺産相続・遺産分割 2017.11.30
遺産相続対策には何が有効?遺産が多くある人にできる対策方法とは
遺産相続は、お金のある方には悩ましい問題だと思います。遺産相続には相続税がかかり、日本は財政難もあって、相続税をかなりアップさせています。そこで、遺産相続の対策を練る必要があります。今回は、遺産相続の対策について詳しく見ていきます。
生命保険を使って、相続税の対象外になる
被相続人が持っている財産を有効に遺産相続する対策法として、生命保険が挙げられます。
生命保険は、効率の良い遺産相続対策です。誰が保険金を払うかなど、どのような形にせよ、贈与税、相続税、所得税のいずれかが発生するのですが、生命保険に加入すると、控除などもありますので全体的にみると大きな節税になります。
基本的に、被相続人本人が払って、家族が受け取るタイプの保険金の場合、相続税が減るわけではなく、所得税の計算根拠となる保険金の額面が減るということになります。
保険金は遺産相続の中でも、特定の人に遺産を残すことができますので、子供や妻など、残したい人を指定できるのがメリットです。反対に言うとそれはデメリットでもあるのですが、遺産相続を保険金で行う方法はひとつの対策として有効であると言えます。
生前贈与で年間110万円まで渡す
被相続人がまだ存命であれば、生前贈与という手もあります。これは、誰かに年間110万円まで非課税で渡すことができるという制度です。
これは毎年可能なので、数年がかりや十数年がかりで贈与することもできます。さらに、この年間110万円まで遺産相続が非課税になる方法は、相続人が何人いても可能になります。
これならば、かなりの額を非課税で相続することができます。ただし、存命中にコツコツと遺産相続を行っていく必要があり、また現金で渡す必要があります。
これは生前贈与と呼ばれ、立派な遺産相続の対策です。たとえば、110万円を10年かけて3人の相続人に渡した場合、3300万円が非課税となって控除されることになります。
これはもっとも合理的で合法的な手段です。また、よく知られた手法であり、特に祖父母から遺産相続の前借りと称して、110万円まで仕送り等を受けている人は大勢いるのではないでしょうか。
この方法は、遺産相続の対策としてもっとも簡単にできて、手間がかからない方法です。ただし、年間110万円までなので、ある程度の遺産相続を非課税で行おうと思ったら、それなりに期間が必要です。
また、毎年一定の金額を入金している場合には、遡って相続税を課せられる場合もありますので、違った用途で贈与していることがわかるように証明書を用意しておくことも忘れないようにしましょう。
遺産を土地や建物に変えて相続させる
遺産相続が発生した際、現金は100%の価値として評価されます。株式などの有価証券などもそうです。しかしながら、不動産の場合は少し事情が違います。240平米までなら、土地は80%減税が認められていますので、現金を土地に変えておくと大幅に遺産相続の税金対策になります。
これを小規模宅地の特例と呼びます。これにより、相続税が大幅に削減できるのです。この特例が適用されなかった場合、相続税の税率は資産1億程度のケースで、30%にまであがります。
建物なども同様に不動産は評価額が低くなり、現金で持っているよりもはるかに相続税の対策になります。いま、富裕層などが中心になってマンション投資などを行っているのはそうした理由があります。
遺産相続は、お金持ちが代々お金持ちになって格差の拡大が行われないよう、格差を是正するために相続税が課せられてきました。この制度からは、なかなか逃れることができません。
しかも、相続税の納付期限は相続が発生した翌日から10ヶ月以内、現金で一括納付しなければならず、かなり厳しいものです。納めなければペナルティ等もあります。納付期限の翌日から2ヶ月以内なら7.3%もしくは公定歩合+4%、納付期限から2ヶ月をオーバーした場合は14.6%の延滞税がつきます。
また、過少申告して納税を逃れようとしても、大抵の場合発覚します。そこでも、過少申告加算税などがつきますので、正確に相続税を支払う必要があります。
このように、相続税は非常に厳しい税ですから、遺産相続について考えている方は、これまで挙げてきた遺産相続の対策を行って、相続税の節税を行いましょう。生前に備えておくことで、いざ相続が発生した際に、支払う税金を少なくすることができます。
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