相続税 2018.01.01
遺産相続を税理士に相談すべきケースとは?
遺産相続については、人生のうちで何度も経験するものではないため、いろいろと不安がある人も多いと思います。遺産相続を相談できる専門家として税理士がいます。ここでは、遺産相続を税理士に相談すべきなのはどんなケースなのかを説明します。
遺産相続で相続税がかかるケースとは?
基礎控除額を超える遺産があれば相続税の課税対象になる
相続税は、相続が発生したすべての人に課税されるわけではありません。相続税が課税されるのは、ある程度の遺産がある場合です。どれくらいの遺産があれば相続税が発生するのかは、次の計算式で算出される「基礎控除額」から判断します。
基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数
たとえば、法定相続人が1人の場合には、基礎控除額は3,600万円となり、遺産の額が3,600万以下なら相続税はかかりません。同様に、法定相続人が2人の場合には4,200万円まで、法定相続人が3人の場合には4,800万円までは、相続税の心配はないということです。
平成27年以降は相続税の課税対象となる人が増加
平成26年まで基礎控除額は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」という計算式となっていたため、相続税の課税対象となるのは遺産の額が5,000万円を超える富裕層のみでした。しかし、平成27年に現在の基礎控除額に変更されて以降は、3,000万円程度の遺産でも相続税の課税対象になるケースが出てくることになります。
実際、平成27年分の相続税の申告件数は平成26年分と比べて約1.8倍に増加しており、相続税がかかる人が大幅に増えていることがわかります。相続税はもはや富裕層のみの心配事ではなくなりました。普通に土地や建物を持っている人であれば、他に財産がなくても、亡くなったときに相続税がかかる心配があります。
遺産相続を税理士に相談すべきなのはどんな場合?
将来の遺産相続に備えて相続税対策をしたい場合
相続税の基礎控除額を超える財産を持っており、将来相続税がかかる心配があるなら、生前から対策を考えておくのが安心です。節税対策をしたいなら、税務の専門家である税理士に遺産相続の相談をするのがおすすめです。
たとえば、相続税対策のためには、生前贈与が有効な場合があります。生前贈与を行えば、相続財産を減らすことができますから、相続税を軽減することが可能です。ただし、生前贈与では贈与税がかかることがありますから、生前贈与するならできるだけ贈与税の負担のない方法で行う必要があります。
また、相続は一度で終わるわけではなく、家族の中で将来的には次の相続が発生するのが普通です。相続税対策を考える場合には、二次相続や三次相続についても考えておいた方がよい場合があります。
遺産相続の対策を税理士に相談すれば、贈与税と相続税をトータルで考えながら、最も効果的な節税対策を行うことが可能になります。いつ、誰に対して、いくら生前贈与を行えばよいか、相続財産はどのように分けるのがよいかなどの細かなアドバイスが受けられますから、税理士に相談した方が万全の遺産相続対策ができます。
遺産相続発生後に相続税申告が必要な場合
遺産相続発生時点で基礎控除額を超える遺産がある場合には、相続税の申告が必要になります。相続税の申告を行うためには、相続財産を適正に評価したうえで、相続税の計算をしなければなりません。相続財産は現金や預金などの金額がはっきりしたものばかりではなく、特に不動産は評価方法によって価格に大きな差が出ます。
また、相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月となっています。家族が亡くなった後は他にも様々な手続きが必要になりますから、10ヶ月という期限はあっという間に過ぎてしまいます。相続税の申告は、専門家の力を借りなければ困難といえます。
遺産相続を税理士に依頼すれば、相続財産を適正に評価し、相続税をきちんと計算して申告手続きを行ってくれます。相続税が安くなる特例の適用なども見落とすことがなくなり、余計な税金を払ってしまう心配もなくなります。また、10ヶ月の期限内に遺産分割ができない場合、税理士が遺産相続における未分割申告の手続きを行って対処してくれますから、税務署からペナルティを課せられたり追徴課税されたりする不安がなくなります。
遺産相続で税理士の無料相談は活用できる?
税理士事務所の中には、初回無料相談の対応をしているところもあります。ただし、無料相談で細かいことまで教えてもらえるわけではありません。無料相談は時間も限られているため、あまり多くの情報が得られないこともあります。遺産相続に関して税理士のサポートを受けたい場合には、基本的には有料になると思っておいた方がよいでしょう。
無料相談は、遺産相続対策を依頼する税理士選びに活用すべきものです。相談時の対応や費用の見積りを見て、その事務所に依頼してよいかを考えましょう。納得がいかないようであれば複数の事務所で相談してみるのがおすすめです。
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