土地・不動産 2017.10.02
相続登記申請書の書き方について
相続によって不動産を取得した場合は、不動産の名義変更である相続登記をする必要があります。
そこで今回は、相続登記に必要な「相続登記申請書」の書き方について解説します。
相続登記申請書の書き方
相続登記自体は自分でも申請することが可能です。その際には相続登記申請書と複数ある必要書類を添えて、不動産の所在地を管轄する法務局に提出する必要があります。
それでは、相続登記申請書の書き方について解説していきます。
1:登記の目的
相続登記申請書には、必ず登記する目的を記載する必要があります。
相続登記というと、不動産の名義変更というイメージが強いのですが、厳密に言うと被相続人から相続人に不動産の所有権が移転することを意味しています。
よって登記の目的には「所有権移転」と記載します。
2:原因
登記する原因が発生した日付を登記申請書に記載します。
登記する原因とはすなわち「相続」が発生した日ということになります。
遺産分割協議が合意に達した日を記載する人がいますが、それは間違いです。相続登記申請書には必ず被相続人が死亡した日、さらに厳密に言えば「戸籍上の死亡日」を記載します。
3:相続人等について
被相続人および相続人について記載します。被相続人についてはその氏名を記載すればいのですが、相続人については住所も記載する必要があります。
住所や氏名について難しい漢字を使用している場合、必ず住民票に記載されている通りに書きましょう。
また、不動産を複数の相続人で共有する場合は、その持分割合も相続登記申請書に記載する必要があります。持分割合は遺産分割協議書の記載通りに書く必要があります。
4:課税価格
不動産の課税価格と登録免許税を記載します。登録免許税は以下の計算式で算出しましょう。
登録免許税額=課税標準×税率
課税標準は市町村役場で管理している固定資産課税台帳の価格を用います。市町村役場で証明書を発行してもらうとそこに書いてあります。
5:不動産の表示
最後に相続する不動産の情報を詳細に相続登記申請書に記載します。
・所在
不動産の住所を記載します。間違えないよう正確に記載しましょう。
・地番
一般の方はあまり触れる機会が少ないでしょう。
地番とは、不動産の登記簿謄本などに記載されている、土地ごとに登記所が割り振っている番号のことをいいます。
住所と似ていますが、最後のほうが微妙に違いますので間違えないようにしましょう。
・地目
地目は登記簿謄本に記載されています。住宅地であれば宅地、その他原野など、記載されている通りに書きましょう。
・地積
土地の面積を記載します。こちらも登記簿謄本に記載されています。
以上が、不動産の中でも土地を相続した場合に相続登記申請書に記載が必要となる内容です。
なお、土地と建物をセットで相続する場合は、以下の建物に関する情報も別途記載が必要です。
・家屋番号
不動産に建物が建っている場合、その建物の家屋番号を記載します。家屋番号は登記簿謄本に記載されており、一戸建てに限らず、区分マンションについても部屋ごとに番号があります。
・種類
こちらも登記簿謄本に記載されています。住居として使用している場合は概ね「居宅」です。
・構造
建物の構造を記載します。
登記簿謄本に記載があり、鉄筋コンクリート、木造など記載されている通りに書きましょう。
・床面積
建物の床面積を記載します。2階建て以上の場合は、各階ごとに面積を表記します。面積については登記簿謄本の通りに書きましょう。
相続登記申請書に書くと便利な2つのポイント
このように相続登記申請書にはたくさんの内容を記載する必要があります。
なお、これらに加えて次の2つのポイントも記載すると、一定のメリットがあります・
・住民票コード
住民票コードを記載すると、相続登記申請書に添付が必要な「住民票の写し」の添付を省略することができます。
住民票コードは、住民票コード記載の住民票を取得するとそこに記載があります。なお、マイナンバーとは違いますので間違えないようにしましょう。
・不動産番号
登記簿謄本などに記載されている不動産番号を記載すると、土地の所在、地番、地目、地積、及び建物の所在、家屋番号、種類、構造及び床面積の記載を省略することができますので大変便利です。
なおインターネットで取得できる登記情報でも、右側の真ん中あたりに記載がありますので確認が可能です。
このようにコツを覚えれば、相続登記申請書はそこまで難しい書類ではありません。
ただ、相続登記申請書に添付が必要となる書類については、非常に多岐に渡りますので、もしも自分で申請する場合は、事前に法務局に問合せをして確認すると良いでしょう。
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