土地・不動産 2018.05.08
土地の等価交換をした場合の不動産取得税について解説
土地を等価交換する場合は、不動産取得税という税金を支払うことになります。
等価交換なのだから、利益が出なければ不動産取得税は払わなくてよいか、申告もしなくて良いのでは?と誤解されることもありますが、不動産取得税の申告はどんな場合にも必要です。
今回の記事では、土地を等価交換した場合の不動産取得税についてと、不動産取得税の計算や不動産取得税の申告についても解説しています。
土地の等価交換でも、不動産取得税は課税される
土地の等価交換は基本的に交換であって、売買ではありません。等価交換によって多少の利益が生じることもありますが、利益が生じない等価交換もあります。
利益の有無や登記の有無に関わらず、等価交換によって土地の所有権を得た人は、不動産取得税の課税対象になります。
土地の等価交換における不動産取得税の申告のポイント
等価交換によって土地を取得した場合は、取得した日から一定の期限内に不動産取得税を申告します。取得した日から、いつまでに不動産取得税を申告するかについては、各都道府県で異なる定めになります。
例えば、東京都であれば、取得した日から30日以内に不動産取得税を申告するとされていますが、60日以内としている県もあります。
期限内に申告を済ませることで、税額の軽減措置が適用される場合もありますから、不動産取得税は早めに申告することが大切です。
申告の期限についての詳しい情報は、等価交換した土地の所在地を管轄する税務署などに問い合わせてみて下さい。
土地の等価交換の場合、「不動産を取得した日」とはいつ?
不動産取得税の申告は、不動産を取得した日を基準として期限が定められています。土地を等価交換した場合、不動産を取得した日とはいつのことになるのでしょうか?
土地の等価交換の場合は、等価交換契約を締結した日、または所有権移転登記が完了した日を取得日とすることになるでしょう。
所有権移転登記は等価交換契約の締結と同日に完了されることが多いので、等価交換契約の締結日を不動産の取得日と考えておけば間違いないでしょう。
土地の等価交換で不動産取得税の計算基礎となる「不動産価格」とは?
土地の等価交換をした場合の不動産取得税は、土地の不動産価格をもとにして計算されます。
不動産価格とは、不動産が売り出されていた時に提示してあった販売価格や、かかった工事費のことではありません。総務大臣が定める「固定資産評価基準」によって評価・決定された評価額のことです。
固定資産評価基準には、土地と家屋の2種類があります。
固定資産評価基準を参照した評価額の算出は原則として、一部の土地を除く土地については、評価対象となる土地について評点数を設定し、その評点数に評点一点当たりの価額をかけることで評価額を求めるものとされています。
土地の評価額は、次の式で計算します。
「評点数 × 評点一点当たりの価額 = 土地の評価額」
土地の評点数は、その土地が宅地なのか、畑なのか、鉱泉地なのかなどという「地目」に応じて、評価額の計算の方法が変わってきます。
等価交換で取引されることの多い土地は宅地になりますが、宅地の評価方式には「市街地宅地評価法」(路線価方式)と「その他の宅地評価法」(標準地比準方式)の2種類があります。
市街地的形態を形成している地域の宅地の評価は、「市街地宅地評価法」を適用して評価し、
その他の宅地の評価は、「その他の宅地評価法」を適用して評価します。
「市街地宅地評価法」と「その他の宅地評価法」のいずれも、基本的な評価方法は変わりません。
ただし「市街地宅地評価法」は路線価および画地計算法を適用して評価するのに対し、「その他の宅地評価法」では、状況類似地区ごとに標準宅地を選定し、その価額に応じて評価します。
なお、不動産を取得した際、固定資産課税台帳に価格の記載がある場合には、原則としてその価格を基準とします。
土地の等価交換後に、不動産取得税を申告しないとどうなる?
土地の等価交換が終わっても、不動産取得税の申告をしないとどうなるでしょうか。
不動産取得税を申告しないでいると、10万円以下の過料を課される可能性があります。不動産取得税は、申告しなければ課税されないというものではありません。
不動産取得税は、先に取り上げた期限内に申告すれば、税額面の軽減措置も受けられます。不動産取得税を申告しないのは損でしかありません。
まとめ
土地の等価交換をした場合は、利益の有無に関係なく、不動産取得税の申告が必要です。都道府県によって、不動産の取得日から60日以内の申告で良いとしているところもあれば、20日以内に申告するべきとしている場合もあります。
土地の等価交換をする場合は、不動産取得税の申告に関する情報も忘れずに確認しておきましょう。
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