土地・不動産 2018.07.29
マンションを兄弟で相続するなら何に気を付けたらいい?
マンションを所有している親などの相続人になることがあります。相続人が自分1人であれば問題ないこともあるものの、兄弟と一緒に相続人となると、いろいろと厄介な問題が発生することも考えられます。ここでは、マンションを兄弟で相続する場合に注意しておきたい点をまとめています。
マンションを兄弟で相続するケースとは?
・マンションを所有している親が亡くなった場合
マンションを所有している人が亡くなった場合、その人に子がいれば、子は第1順位ですから、必ず相続人になります。マンションを所有している人に配偶者がいる場合には、配偶者も相続人になります。
父親が亡くなった後の相続では、特にもめることもなく母親1人がマンションを相続するケースが多いでしょう。しかし、母親が亡くなったときの相続では、兄弟でマンションを相続することになり、兄弟間で遺産分割協議を行って、どちらが相続するかを決める必要が出てきます。
・マンションを所有している祖父母が亡くなった場合
祖父母がマンションを所有している場合でも、兄弟でマンションを相続するケースがあります。
たとえば、父方の祖父がマンションを所有していた場合、父が既に亡くなっていれば、代襲相続により孫は第1順位の相続人になります。孫に兄弟がいれば、その兄弟もやはり祖父の第1順位の相続人になります。
この場合、父方の祖母も既に亡くなっていれば、兄弟で遺産分割協議を行う必要があります。
・マンションを所有している兄弟が亡くなった場合
兄弟のうちの1人が亡くなった場合、他の兄弟と一緒にマンションを相続することがあります。
たとえば、3人兄弟のうち独身の1人が亡くなり、その兄弟がマンションを所有していた場合、親や祖父母も既に亡くなっていれば、残りの2人の兄弟が第3順位の相続人としてマンションを相続することになります。
・マンションを所有しているおじ・おばが亡くなった場合
第3順位の兄弟姉妹が相続人になるケースでは、その下の甥・姪まで代襲相続があります。マンションを所有しているおじやおばが亡くなった場合でも、兄弟でマンションを相続するケースがあります。
兄弟でマンションを相続する場合に気を付けておきたい点とは?
・兄弟で相続したマンションは共有名義にしない方がいい
兄弟で相続したマンションは、遺産分割をしなければ、兄弟の共有になります。不動産を共有名義にすることも可能ですが、共有名義にすれば、問題が起こることも多くなります。
マンションが兄弟の共有になっていると、自分がマンションを売りたい場合でも、兄弟が賛成してくれなければ売れないことになってしまいます。
大人になると、兄弟が独立して家庭を持っていることが多いはずですから、双方の利害が一致せず、売却がスムーズにいかないこともあり得ます。
・相続したマンションを売却するなら税金にも注意
マンションを売却して売却代金を兄弟で分ける換価分割をすれば、公平な遺産分割が可能です。ただし、マンションを売却する場合には、譲渡所得税がかかります。
特に、兄弟の一方のみが亡くなった人と同居していた場合、同居していた方は譲渡所得税について3,000万円の特別控除が受けられ、他方は特別控除が受けられないといった結果になってしまいます。
相続により取得した金額は同じでも、手元に残るお金に大きな差が出てくることがありますから、注意しておく必要があります。
・遺産分割協議が難しければ調停をする
子どもの頃は仲が良かったけれど、大人になってからは兄弟仲が険悪ということは珍しくありません。
また、親が再婚している場合などは、兄弟と言っても、会ったことがない相手もいます。そのため、兄弟でマンションを相続するケースでは、話し合いで遺産分割を行うことが困難なことも多くなります。
兄弟間の遺産分割協議でマンションの相続について決められない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる方法があります。遺産分割に期限はありませんが、争いを長期化させないよう、できるだけ速やかに調停を行うのがおすすめです。
兄弟間の相続争いを防ぐ方法はある?
・親に遺言を書いてもらう
親が亡くなった後、兄弟間で遺産分割がスムーズにできそうにない場合には、親の生きているうちから対策を考えておきましょう。
どちらにマンションを相続させるかについて、親に遺言を書いてもらえば、遺産分割協議の必要はなくなります。この場合、マンションを相続しない方にも遺留分がありますから、遺留分に配慮した内容にすべきでしょう。
・代償金を用意しておく
相続の際に自分がマンションを取得したい場合、兄弟に相続分相当の代償金を支払うことで、遺産分割が可能になることがあります。あらかじめ代償金を用意しておくことで、遺産分割に備える方法もあるので、検討してみてください。
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