土地・不動産 2019.01.16
大阪の不動産相続で注意すべき「地価」について
ここ数年、全国的に地価の上昇が見られています。なかでも大阪府は、急速な地価の上昇が目立つ地域です。自分が持つ財産の価値が高まるのは嬉しいことですが、不動産の相続を控えた人やその家族にとっては、良いことばかりではないでしょう。
そこで今回は、大阪の不動産を相続する際に知っておくべき「地価」と、地価の高い不動産の相続に先立って準備するべきことについて解説します。
不動産の相続と地価の関係とは
「地価」とは、土地の価値を意味しており、土地にしろ、建物にしろ、地価は不動産の価値に大きく影響を及ぼします。
相続する不動産の地価が高ければ相続税評価額が高くなり、結果として納税すべき相続税も高くなるため、不動産の相続税と地価は非常に密接な関係にあると言えるのです。
大阪の地価はどれくらい?
2018年の基準地価を見ると、大阪府の平均地価は1㎡あたり31万4452円で、47都道府県中2位となっています。大阪府内の地価ランキングを見てみると、10位以内に入っているのは以下の市です。
1.大阪市 77万4044円/㎡
2.吹田市 25万2320円/㎡
3.豊中市 22万7346円/㎡
4.茨木市 22万2857円/㎡
5.箕面市 20万8800円/㎡
6.守口市 19万9625円/㎡
7.池田市 19万7836円/㎡
8.高槻市 19万3903円/㎡
9.東大阪市 16万8076円/㎡
10.藤井寺市 16万3500円/㎡
1位の大阪市については、もう少し詳細な地価を見てみましょう。大阪市内24区の地価ランキングは、以下のようになっています。
1.大阪市中央区 273万0352円/㎡
2.大阪市北区 250万0250円/㎡
3.大阪市西区 90万4454円/㎡
4.大阪市阿倍野区 77万9285円/㎡
5.大阪市天王寺区 66万1750円/㎡
6.大阪市福島区 59万3571円/㎡
7.大阪市浪速区 57万9125円/㎡
8.大阪市淀川区 46万7333円/㎡
9.大阪市都島区 34万3600円/㎡
10.大阪市住吉区 27万4000円/㎡
11.大阪市東成区 26万2666円/㎡
12.大阪市城東区 26万0285円/㎡
13.大阪市旭区 24万6333円/㎡
14.大阪市東住吉区 24万2714円/㎡
15.大阪市港区 24万0900円/㎡
16.大阪市東淀川区 22万9285円/㎡
17.大阪市鶴見区 22万9000円/㎡
18.大阪市住之江区 21万0833円/㎡
19.大阪市西淀川区 20万8166円/㎡
20.大阪市大正区 20万0250円/㎡
21.大阪市生野区 19万3714円/㎡
22.大阪市平野区 19万1333円/㎡
23.大阪市此花区 17万9200円/㎡
24.大阪市西成区 17万2200円/㎡
地価が高い不動産の相続に備えてできること
大阪で地価の高い地区に不動産を持つ人は、自分の相続のことを心配しておられるでしょう。地価が高い不動産は相続人のメリットにもなりますが、その反面で金銭的負担を負わせかねません。
そこで、以下のような準備をすることができます。
1.相続税額の概算をする
不動産を相続する場合でも、すべての人に相続税がかかるわけではありません。被相続人の配偶者や子どもが相続する場合は特に、税額特例などの利用によって相続税がゼロになる場合もあります。
あらかじめ、相続税を概算しておきましょう。ただし、相続税の正確な計算は非常に難しいので、税理士に依頼して下さい。
2.納税資金を確保する
相続税は基本的に、現金で全額を一括納付しなければなりません。相続税がかかる上、財産のほとんどが不動産で現金は少ない状況なら、早急に納税のための現金を確保しておく必要があります。
売却しても構わない不動産やその他の財産を売却して現金にしたり、生命保険などを活用したりすることもできるでしょう。
不動産の相続税を下げる工夫をする
不動産の価値を上手に下げることで、相続税も抑えられます。よく資産家が使う方法は、土地にアパートやマンションを建てて評価額を減少させる、というものです。
土地のままだと評価額は下がりませんが、賃貸物件が建っている土地は入居者という第三者の存在によって利用が制限されているため、不動産としての価値も減少するという仕組みになっています。
または、土地を貸駐車場にするという方法もあります。
評価額を下げられる駐車場にするためには、アスファルトで舗装したり、機械式立体駐車場のように何らかの構築物を設置したりする必要がありますが、税額特例の利用条件を満たしていれば、評価額を50%減少させることも可能になるでしょう。
相続対象になる不動産を売却する
高額な相続税がかかる可能性がある不動産を持て余しているのなら、思い切って売却することも検討しましょう。
多くの不動産を持つ資産家などは、親から受け継いだ不動産を自分の代で減らすわけにはいかないという思いから、とりあえず保有を続ける人もいます。
しかし、いずれ被相続人になる立場の人から見て、明らかに相続人たちの負担になりそうな不動産があるなら、自分が生きているうちに適正に処分した方がよい場合もあるため、一概には言えません。
相続が始まり、相続人たちが遺産の分割をする段階になってしまうと「せっかく遺してくれた不動産を手放すことはできない」と考え、無理をしてでも維持しようとするかもしれないのです。
後に残る人たちに、余計な負担を負わせないためにも、自分にできる対策は生前に済ませておきましょう。
まとめ
大阪を始めとした不動産市場の盛り上がりは、今後もしばらく続く見込みです。不動産の相続を控えているなら、納税や節税の点で的確なアドバイスをしてくれる税理士に相談することをおすすめします。
不動産相続の扱いに熟練した税理士であれば、様々な制度を駆使して相続税の節税に協力してくれるでしょう。
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