相続税 2020.08.05
家庭の事情によって相談相手が異なる!?相続対策は誰に相談するべき?
将来の相続が不安で相談したいという人が増えているようですが、そもそも誰に相談していいのかがわからないという人も多いのではないでしょうか。
相続対策は家庭の事情によって、相談すべきベストな専門家がことなります。
そこで本記事では、自分にあった専門家が誰なのかわかるよう専門家ごとの特徴について詳しく解説します。
弁護士なら大丈夫では?と思っている方へ
相続対策の相談先として誰もがすぐに思い浮かべるのは弁護士ではないでしょうか。
「とりあえず弁護士に相談しておけば大丈夫」
と思っている人もいるかと思いますが、実は必ずしもそうとは限りません。
弁護士はあらゆる法律事案を扱うことができるので、弁護士によっては刑事事件や民事訴訟に力をいれていて、相続対策にはあまり力を入れていないというケースもよくあります。
そのため、弁護士に相談をする際には必ず相続について実績のある弁護士かどうかをホームページで確認することが重要です。
弁護士への相談が向いている人
弁護士はあらゆる事案を扱えますので、基本的に誰が相談しても問題はありませんが、費用についてもそれなりに高額になる点を忘れてはいけません。
例えば、相続人予定者が少なく、遺産総額についてもそこまで高額ではない方については、弁護士よりも費用が安く抑えられる司法書士や行政書士に相談するという手もあります。
節税対策なら税理士
相続対策の中でも節税対策に力を入れたい人は、税理士に相談することをおすすめします。
相続税は他の税金とは特徴が若干違っていて、節税対策をするにも税理士の経験がとても重要になってきます。
特に節税対策となるとある程度の経験がないと、効果的な対策を打てないので事前にホームページで相続税について力を入れているのか確認が必要です。
不動産業者との連携もポイント
節税対策をするとなると、既存の不動産の有効活用や組み換えなどが必要になってくることから、不動産業者との連携がとても重要になってきます。
相続税に力を入れている税理士の中には、地元の不動産業者と連携しているケースもよくありますので、土地や建物などを生前に処分したい、更地にアパートを建てて節税したい、などといった要望にもスムーズに対応してもらえるでしょう。
不動産相続なら司法書士
相続財産の中に不動産が多く含まれていて、特段の争いが起きない可能性が高いご家庭については、司法書士がおすすめです。
司法書士は登記を専門にしており、不動産は相続する際に登記手続きが必要になるので、相続開始前から相談しておくことで、相続発生後スムーズに登記手続きを行ってもらえます。
また、遺言書の作成等基本的な相続対策についても対応していますので、紛争化の可能性が低い方については司法書士への相談を検討してみましょう。
ピンポイントなら行政書士
相続対策の中でも遺言書だけピンポイントで依頼したいというようなケースでは、費用が抑えられる行政書士がおすすめです。
相続発生後に紛争化するような事案は対応できませんが、相続人が少なく争う可能性が低いようなケースで、気軽に遺言書を作成するという主旨であれば、行政書士でも十分対応できます。
相談に行く前に準備すべきこと
相続対策について相談に行く際には、事前に予約してから行くのは当然ですが、ある程度準備していくと一度の相談で適切なアドバイスを受けられます。
では具体的に何を準備していけばよいのでしょうか。
保有資産をまとめたもの
相続対策について相談するためには、前提として自分自身がどの程度の財産を持っているのかを伝える必要があります。ここが曖昧だったり間違っていたりすると、再度シミュレーションをやり直すことになってしまうので注意が必要です。
・預金通帳
・不動産の権利証
・固定資産税の納付書
・株式取引の明細
これらをコピーするなどして持参すると、話がスムーズに進むでしょう。
自分の希望をまとめておく
遺言書の素案の作成を依頼する場合、ご自身の希望を正確に伝える必要があります。
誰にどの財産を相続させたいのか、メモなどでもいいので書いておくとわかりやすいです。
内容によっては遺言書を書かないと遺産を渡せない人がいる可能性もありますので、自分自身が誰に遺産を渡したいと思っているかを専門家に早めに伝えることをおすすめします。
相続対策を希望する方の中には、相続人になると思っている人が実は相続人には該当しないことが発覚するケースがよくあります。ここを勘違いしていると、相続対策自体が的外れになってしまうので、専門家に相談した際にはまずここを確認したほうがよいでしょう。
まとめ
相続対策は何を対策したいのかによって、相談する先が変わってきます。
また費用も違うので費用対効果を考えつつ自分に合った専門家を探して相談することが大切です。
また、相続対策は長期的なスパンで相談することになる可能性が高いので、自分との相性も含め慎重に選びましょう。
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