相続放棄 2017.11.18
相続放棄を弁護士に依頼するメリット
亡くなった人の財産も借金も一切相続したくない場合、相続放棄という選択があります。相続放棄をするには、家庭裁判所での手続きが必要です。相続放棄の手続きは、自分でする以外に、専門家に依頼することもできます。ここでは、相続放棄を弁護士に依頼するメリットについて説明します。
相続放棄を依頼できる専門家とは?
相続放棄は裁判所での手続きが必要
相続放棄をする場合、遺産分割協議の席上で「相続は放棄する」と言っても、相続放棄したことにはなりません。遺産分割協議でどのような取り決めをしても、債権者は相続人に相続分に応じて借金の支払いを請求することができます。相続人が借金の支払い義務を免れるには、裁判所で相続放棄の手続きをする必要があります。
相続放棄の期限は相続開始を知ったときから3ヶ月以内
相続放棄をする場合には、相続開始を知ったときから3ヶ月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で相続放棄の申述を行う必要があります。相続放棄の申述とは、相続放棄申述書を添付書類と一緒に家庭裁判所に提出することです。相続放棄の申述後、家庭裁判所から相続放棄が受理された旨の通知が届いたら、相続放棄が完了したことになります。
相続放棄は専門家に依頼するのがおすすめ
相続放棄をするときには、自分で相続放棄申述書を作成し、家庭裁判所に提出して手続きすることもできます。相続放棄申述書には、相続関係がわかる戸籍謄本等を取り寄せて添付する必要がありますから、手続きに手間がかかることがあります。相続放棄には3ヶ月という期限がありますが、準備期間としては非常に短く、あっという間に期限が来てしまいます。
相続放棄の手続きは、専門家に依頼することができます。専門家に依頼すれば、相続放棄申述書の作成のほか、必要書類の取り寄せも任せることができます。相続放棄の期限が過ぎてしまった場合などにも、対処法を考えてもらえます。
相続放棄を依頼できるのは司法書士または弁護士
相続放棄を依頼できる専門家は、司法書士または弁護士のどちらかになります。ただし、司法書士と弁護士では相続放棄において対応できる業務の範囲が違います。
司法書士は、裁判所提出書類の作成ができますから、相続放棄申述書を作成できます。また、相続放棄申述書に添付する戸籍謄本等の収集も行うことができます。さらに、相続放棄の期間伸長の申立書や事情説明書などを裁判所に提出する必要がある場合にも、司法書士に書面を作成してもらうことができます。
弁護士は、相続放棄供述書のような裁判所提出書類を作成できるだけでなく、自らが依頼者の代理人となって裁判所での手続きを行うことができます。相続放棄についても、戸籍謄本等の取り寄せから裁判所との連絡調整まですべてを行うことができます。つまり、弁護士の方が、相続放棄に関してできる業務の範囲が広いということになります。
相続放棄で弁護士のみができること
相続トラブルを解決してもらえる
相続というのは、紛争が起こりやすい場面です。そのため、相続放棄をするかどうかで、他の相続人との間でトラブルになることもあります。また、同順位の相続人全員が相続放棄をすれば、相続権が次順位の相続人に移りますから、次順位の相続人に迷惑がかかることもあります。
弁護士は、当事者間で相続トラブルが起こっている場合に、間に入って紛争を解決することができます。弁護士に相続放棄に関する内容を依頼すれば、他の相続人との間に入って調整をしてもらったり、代理人として他の相続人に連絡してもらったりすることもできます。他の相続人と直接関わりたくないときなどは、弁護士に相続放棄を依頼すると大きなメリットがあります。
債権者対応を任せられる
被相続人が借金を残している場合、相続人は債権者から督促を受けることになります。相続放棄の手続きをしても裁判所に受理されるまでに1ヶ月程度かかることがありますから、その間は落ち着かないことになります。
相続放棄を弁護士に依頼した場合には、弁護士が代理人となって債権者に対応してくれます。相続放棄が受理された後の債権者への連絡も任せられますから、面倒な手間もなく相続放棄を完了させることができます。
相続放棄を依頼する弁護士の選び方
弁護士は幅広い案件を扱うことができますので、それぞれの弁護士は、得意分野や専門分野を持っています。相続案件を多く扱っている弁護士もいれば、相続の経験があまりない弁護士もいます。依頼するなら、相続放棄などの実績豊富な弁護士を選ぶのが安心です。
相続放棄をする際には、前提として相続財産調査も行う必要があります。相続財産を正確に把握できなければ、相続放棄すべきかどうかの判断を誤ってしまう可能性もあるからです。相続を得意としている弁護士に依頼すれば、相続財産調査もスムーズに完了します。ホームページなどで実績を確認し、相続放棄などを得意としている弁護士を選びましょう。
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