相続税 2019.12.18

誤解するとヤバい!非課税と間違いやすい相続税の課税対象財産とは?

相続によって財産を取得すると相続税が課税されますが、中には相続しても課税されない財産もあります。

ただ、相続税の課税対象財産と非課税財産の線引きが非常に複雑なので、中には間違えた認識のまま相続税申告が遅れてしまう相続人の方もいるようなので注意が必要です。

そこで今回は、相続税の課税について間違いやすい財産と、相続税対策として生前贈与によって財産を移転する際の注意点について解説します。

記事ライター:棚田行政書士

実は相続税が課税される生命保険

相続が発生すると相続人全員で遺産分割協議をして、誰がどの財産を相続するのかについて決めることになり、基本的にすべての相続財産が対象となりますが、被相続人にかけられている生命保険金については遺産分割の対象から除外されます。

被相続人を被保険者および保険料負担者としてかけられている生命保険の保険金については、「受取人固有の財産」として遺産分割上は扱われるため、遺産分割協議からは除外され受取人が自由に使うことができるのです。

そのため、保険金を受け取った人の中には「遺産分割の対象ではないから、相続税も課税されない」と認識している人がおりトラブルになるケースがあります。

生命保険金は相続税の課税対象

生命保険金については遺産分割の対象からは外れるものの、税務上は課税対象財産に該当するため保険金を受け取った受取人に対して相続税が課税されます。

相続税の実務では、この点について誤解をしている受取人が多くトラブルが頻繁に発生しているため注意が必要です。

例えば、保険金の受取人が愛人など親族ではない人に指定されている場合、受け取った愛人としては親族側に受け取った事実を隠そうとします。

※ちなみに、愛人に生前贈与している場合も同様のことが起きます。

ところが、保険金が相続税の課税対象である以上は相続税の計算をするにあたり、愛人がいくら受け取ったのかについて相続人に伝える必要があるのです。

※3年以内の生前贈与についても同様です。後程詳しく解説します。

受取人の方にこのことを伝えると、たいていの場合嫌がるため相続税申告がスムーズにできなくなることがあります。

生命保険を利用することのメリット

生命保険金については相続税が課税されますが、生前贈与として非常に大きなメリットがあります。

例えば、被相続人予定者から現金で贈与を受けると、基礎控除額を超えた部分については贈与税が課税されますが、生前贈与する予定の現金を保険料に充てて生命保険に加入すると、生命保険金の非課税枠が利用できるのです。

生命保険金の非課税枠とは?

生命保険金を相続人が取得した場合については、「500万円×法定相続人の人数分」の非課税枠が利用できます。

例えば、生前贈与する予定の金銭を保険料に充てて保険に加入したとして、相続人が配偶者と子供2人の場合であれば、1,500万円までは相続税が非課税になるのです。

ということは、生前贈与で現預金を贈与するよりも保険料に充当することで実質的に生前贈与になるようにした方が、節税効果が圧倒的に高くなります。

 

現金手渡しで受け取った場合の課税関係について

将来の相続を見据えて自分自身が存命のうちに、現金を手渡しして生前贈与する方が時々おられます。現金で生前贈与すれば税務署にバレないというイメージがあるせいか、手渡しで生前贈与を考える方は意外に多いようです。

ただ、現実的にはたとえ現金手渡しによる生前贈与だとしても、基礎控除額を上回った分については贈与税の申告をする必要があります。

現金手渡しで相続税が課税されるケース

現金手渡しということは、生前贈与している本人が存命なので通常であれば贈与税の課税対象となりますが、例外的に亡くなられる3年以内に生前贈与した分については「みなし相続財産」として相続税の課税対象となるため注意が必要です。

よって、亡くなられる3年以内に本人から現金手渡しで生前贈与を受けていると相続税が課税されることになります。

相続税と贈与税は二重でかかるの?

みなし相続財産として相続税の課税対象になったとしても、贈与税と二重課税になるわけではありません。生前贈与で贈与税をきちんと申告して納めているのであれば、生前贈与における贈与財産の価額に対応する贈与税額について、加算された人の相続税から差し引かれます。

なぜ3年以内はみなし相続財産になるのか

生前贈与の主な目的は、贈与税の各種控除制度などを活用して相続税の課税をできるだけ回避することです。

ただ、中には亡くなられる直前になって慌てて生前贈与をして租税回避を試みる人がいるため、そのような行為を防止するために亡くなられた3年以内に慌てて生前贈与しても課税される税額は変わらない制度がつくられました。

 

まとめ

相続税については一度に大きな税額が課税されるため、相続人の方は課税対象となる財産について事前に正しく把握しておく必要があります。

特に今回ご紹介した「生命保険金」と「3年以内の生前贈与」については、初心者の方が相続税の計算をすると漏れることがとても多いので十分注意しましょう。

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