相続税 2020.05.18

相続税非課税扱いで申告しないとどうなる?

あらゆる税金の中で税務調査が入りやすいといわれているのが相続税です。
税制改正以降、相続税の基礎控除額が大幅に縮小されたことで、相続税の節税対策に興味を持つ人が増えてきました。

ただ一方で、非課税扱いで無申告を貫いていた人が、税務調査で引っかかるケースも出てきています。

そこで本記事では、相続税申告の注意点や税務調査のリスクなどについて詳しく解説します。

記事ライター:棚田行政書士

相続税が非課税になるケースとは 

相続税とは亡くなられた方の遺産に対して課税される税金ですが、すべての人が相続税を納税しなければならないわけではありません。

相続税にはすべての人に適用される基礎控除額がありますので、相続した財産が基礎控除額以下であれば相続税は非課税となります。

基礎控除額は、以下の計算式で算出します。

基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)

法定相続人の人数が多ければ、基礎控除額も増えるという仕組みになっています。

例えば、法定相続人が子供2人と配偶者1人の場合、基礎控除額は4,800万円です。

よって、遺産が4,800万円以下であれば相続税は非課税になるので申告の必要はありません。

 

相続税が課税されるのに非課税だと勘違いするケース

相続税申告は一生のうちに何度もあることではないので、正しい知識を持っていない相続人の方がよくおられます。そのため、自分が相続税非課税だと思い込んでいて、あとから国税庁や税務署から指摘を受けて、税務調査の対象になってしまうケースがよくあるのです。

ここでは、よくある勘違いについてご紹介します。

配偶者控除の適用について

相続税には税金負担を軽減するための様々な控除制度があるのですが、その中でも一番大きな控除制度なのが「配偶者控除」です。

配偶者控除とは配偶者が相続した場合、法定相続分もしくは1億6,000万円のいずれか多い方までの遺産について相続税が控除されるという非常に大きな節税効果がある制度のことです。

例えば、相続人が配偶者と子供1人の場合、法定相続分は1/2ずつです。遺産が2億円の場合、配偶者は1億6,000万円まで相続しても相続税は課税されません。

この特例があることを知っているという人は多いのではないでしょうか。

ところが、大事なことを忘れている人が多いんです。

配偶者控除は相続税申告が必要

相続税の基礎控除については、基礎控除額を自分で計算してその金額よりも遺産が下回っていれば相続税申告をする必要はありません。

ところが、配偶者控除については先ほどの事例のように特例を適用して相続税が非課税になる場合でも、相続税申告をしなければならないのです。

配偶者控除は相続税申告をしてはじめて適用できる特例制度なので、たとえ相続税が0円だとしても相続税申告は必要になります。

他にも自宅を相続した場合などに適用できる小規模宅地等の特例等、相続税を大幅に引き下げる効果のある特例を適用するためには、必ず相続税申告が必要ですので十分注意しましょう。

 

相続税申告をしないとどうなる?

正確な財産調査をしないまま、相続税申告をしていないという人も時々おられます。

実は、相続税申告の税務調査は相続が発生してからすぐに入るわけではありません。

相続発生から概ね3年後くらいに税務調査のお尋ねが届くことが多いので、1年間なんの声もかからなかったからといって、自分がセーフだったというわけではないのです。

忘れたころにやってくる

相続開始から3年後となると、ほとんどの相続人の方が油断をしていて当時のことを詳しく覚えていないというケースが大半です。そうなると、慌てて税理士に相談して税務調査対策を立てたとしても間に合いません。

そもそも税務調査の対象になっている時点で、税務署側は相続税の課税対象であるという確証をもっている可能性が高いので、無申告加算税などのペナルティは免れないでしょう。

 

まとめ

相続税申告はすべての人が対象ではありませんが、正確な財産調査をしないまま自分たちは非課税だろうという安易な認識のもと何もしない行為は非常に危険です。

相続が発生したら亡くなられた方のプラスの財産とマイナスの財産を徹底的に調査して、遺産総額がいくらになるのかについて正確に計算してから判断する必要があります。

相続税申告は相続開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内と非常に短いので、できるだけ早い段階から着手したほうがよいでしょう。

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