相続税 2020.07.10

相続税の計算は難しい?計算する時のポイント

税金の計算はどれもややこしい印象がありますが、中でも初心者にとってハードルが高いのが相続税です。相続税は他の税金と比較しても、正しい金額を導き出すことは簡単ではありません。
そこで本記事では、初心者の方が相続税申告をする際に知っておくべきポイントについて詳しく解説します。

記事ライター:棚田行政書士

相続税の計算がややこしいわけ

相続税の計算がほかの税金に比べてややこしくなる点、それは遺産分割にあります。

相続税は単に遺産の総額を調べて、そこに税率を乗じればよいというものではなく、遺産の総額が同じだとしても誰がどの程度、どのように相続するのかによって、課税される相続税は計算上変わってくるのです。

相続する人によって相続税が変わる理由

相続税は相続する人によって適用できる特例制度が異なるため、結果として課税される相続税の計算が変わってくるのです。

例えば、配偶者と子供が相続人の場合、配偶者が相続する分については「配偶者の税額軽減」という相続税の特例制度が使えるので、相続税を計算する際に以下の金額のいずれか高い額を課税対象の遺産から控除することができます。

・配偶者の法定相続分
・1億6,000万円

よって、配偶者が相続する遺産については最低でも1億6,000万円までは相続税がかからないことになります。こう聞くと、だったら持ち家など全部配偶者に相続させれば相続税を節税できると思うかもしれませんが、相続税対策はそんなに甘くありません。

確かに配偶者に多くの財産を相続させれば、配偶者の税額軽減をフルに活用できるので課税される相続税は大幅に節税できます。ただ忘れてはならないのは、配偶者が亡くなられた時の相続です。

配偶者が相続した財産は、いずれ次の相続の時に子供などに相続されることになるため、その時に相続税を計算すると一気に高額になります。

相続税の節税対策は、その時一回だけの相続を見て相続税が高いか安いかを判断するのではなく、二次相続まで踏まえて全体で相続税を試算して判断する必要があるのです。

 

土地の相続税はぶれやすい

相続税を計算するにあたり最も注意しなければならないのが「土地」の相続です。

土地はさまざまな相続財産の中でも、全体に占める価格割合が非常に大きいので、土地に課税される相続税によって全体の相続税額が大きく変わってきます。

土地の評価額は税理士でもぶれることがある

土地は時価ではなく相続税評価額に計算して、相続税が課税されます。

簡単にいうと地積に路線価を乗じて算出しますが、土地の形状や立地条件などによってさまざまな補正を加える必要があるのです。

例えば同じ100㎡の土地でも、整形されていて使いやすい正方形の土地の場合と、三角形の土地の場合とでは広さは同じでも利用できる用途の制限にかなりの違いが出てきます。

両者が同じ評価額だとすると相続税にかなりの不公平感が出てしまうので、相続税の計算上は一定の補正率を乗じて評価額を引き下げていいことになっているのです。

ですが、土地の評価額を引き下げられる要素は単に形が違うということだけに限らず、他にもさまざまな状況に応じて違った補正率が適用されるので、相続税を得意としている税理士でないとすべてを網羅して適切な土地の評価額を算出できません。

相続税が割高になっても教えてくれない

土地の評価額の計算は税理士であってもハードルが高いため、相続税に不慣れな税理士に相続税申告を依頼してしまうと、本人も気が付かないうちに割高な相続税を納めることになってしまいます。

税務署は本来よりも低い金額で申告すれば税務調査などで追徴課税してきますが、反対に本来よりも高い金額で申告した場合は一切教えてくれません。

そのため相続税を計算する際には、必ず相続税に強い税理士を選んで依頼することが重要です。

 

生命保険の取り扱いに注意

相続税を計算する時に漏れやすいのが生命保険から支払われる保険金です。

死亡によって支払われる保険金は、保険契約に基づく受取人固有の財産になるので遺産分割の対象ではありません。

そのため、保険金には相続税がかからないと考えて計算から外してしまう人がいるのですが、実は保険金はみなし相続財産とされており相続税が課税されます。

このことを知らずに受け取ったまま申告漏れをしてしまうと、あとで税務調査の対象になってしまうのです。

生命保険金には「500万円×法定相続人の人数分」の非課税枠があるので、きちんと申告すればそこまで大きな負担とはなりません。

 

まとめ

相続税の計算は初心者にとって難しい部分が多々あります。

中でも今回ご紹介させていただいた部分は、実際に相続人の方からよく質問される部分なので、予め知っておくとよいでしょう。

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